院長ブログ
ドンジョヴァンニ
やっぱり私はオペラとかミュージカルとかが大好きなのです。来月、またあの佐渡裕さんの指揮によるドンジョヴァンニがあるので、チケットを買ってしまいました。モーツアルトはやはり偉大です。曲がすばらしいですよねえ。ストーリーは皆さまご存知だと思いますが、女性が大好きなドンジョヴァンニが忍び込んだドンナアンナの家で彼女の父親である騎士長に見つかって、決闘をしてこの父親を殺してしまいます。その後もあちこちの女性に言い寄っているドンジョヴァンニに復讐を誓ったドンナアンナと彼女の婚約者がドンジョヴァンニを追いかけて、、、というような話です。とにかく歌がすばらしいです。シャンパンの歌とかお手をどうぞなどなど、もうたまりませんよね。
しかしまあ、なんと言うか、特にオペラではどうしてこんなに女性にだらしないおっさんの話が多いのでしょうか?所詮男は、、、っていうことなんでしょうかねえ。蝶々夫人も外国に帰った夫を待っていたら知らない女性と帰国した、、みたいな話ですし、フィガロの結婚も若い女性に手を出したいというふざけたおっさんの話ですよね、簡単に言うと。でもとにかく歌が素敵です。うっとりします。でももしお知り合いに初めておオペラを見るという方がある場合、最初にみるオペラは見ごたえがあって、ふざけたおっさんが出て来ないオペラが一番安全だと思います。以前にも書きましたが、私は子供の時に初めて見たオペラが蝶々夫人だったので、こんなふざけた話を子供に見せるなよ!って頭に来てしまって(多分母親が悪いのだと思っています、今でも)、それ以来オペラはこういうものだと思い、かなり大人になるまでオペラは見たら不愉快になるものと決めつけていたので、ずいぶん損をしたような気がします。最初に見るオペラは周りの人がとても慎重に選んであげるべきです、絶対に。
投稿者:megaclinic
赤十字病院の思い出
私自身は形成外科医として最初に勤務したのが京都大学病院でした。その次に大阪赤十字病院の形成外科で働いていました。この頃は上に形成外科部長、副部長がおられて、その次に4年上の先輩と次に私が平の医員として働いていました。ただ患者さんは私が一番多くて、これは当時、マイクロサージャリーという手術技術を私しかやれなかったこと、乳がんの乳房再建も他の形成外科医がどなたもできなかったこと、また当時の大阪日赤では美容外科も形成外科と共に診療科として標ぼうしていたので、美容外科部門の手術も先輩医師がどなたもされなかったなどの理由があったと思います。なんだかすごく忙しい毎日でしたが、いろいろの手術があって、多忙であっても手術が趣味みたいなところもあったので、楽しく働いていたのを覚えています。
この大阪赤十字病院で働いていた時に赤十字という組織は、こんなことになっているんだなあと何度もびっくりしたことがあります。赤十字で一番驚いたのは、看護師さんがすごくたくましいということでした。特に赤十字病院という組織では将来看護師長などに昇進するためには1年間東京で幹部候補生になるための訓練を経験しないといけなかったわけです。これは多分今でもそのままだと思います。どんな訓練をするかというと、とても簡単に説明すると日本が戦争に巻き込まれた時、どう対応するかという訓練です。このことはとても驚いたことでした。平和に慣れている私たちですが、赤十字という組織では戦争になった時、あなたは看護師としてどのように仕事をするべきかという訓練が行われているのです。実際にどういう訓練が行われているかというと、いろいろの宗教を勉強する、とにかく英語で話す、聞くという訓練、それからいろいろの本を読まされて、5人くらいのグループで、討論をするのだそうです。自分の意見を言って、それになぜそう思うのか?とかこういう反論もあるが、あなたはこの意見についてどう思うのか?などなど、厳しい訓練なのだそうです。これで全国から集まった幹部候補生の半分近くが脱落して、元の病院に戻るのだそうです。根性のない看護師はいらないということが徹底しているようです。看護師さんとしての技術や知識の訓練はほとんどないそうです。教えられることは戦争では敵の兵士であっても、病気や外傷があれば、助けなさいということ、また他の医師や兵士、政府などの人間、などだれがどのような指示や命令をしても、医療に従事する人間としてそれは違うと思うことは従うなということ、戦争では国の説明や命令でさえも信じてはいけないことがある、自分が看護師として正しいと思うことを自分の部下の看護師を統率して指揮を取りなさいというようなことを徹底的に叩き込まれるのだそうです。これはもう聞いていて、すごいなあと感動したりびっくりすることばかりでした。日本は戦後国内が平和であり、こういう話を聞くとあなたは平和ボケと言われているような気がして申し訳ないような、情けないような、、、そんな気分になりますよね。そういうことを聞いてからは、大阪赤十字病院の看護師長って、にこやかな人も多いような気がしても、本当はやる時はやる人ばかりなんだなあと尊敬のまなざしで見るようになってしまいました。赤十字って世界的な組織なので、実際に今も戦場で活躍されている医師や看護師さんもたくさんおられるわけです。また赤十字病院にいた頃にこれらの訓練を終了した看護師さんから聞いた話では、各科の部長クラスの医師以外の勤務している医師の多くは逆にこういう訓練がないので、実情を知らない人が多く、たとえば日本や外国などのどこかで戦争や大災害などが起きた時、その地区への派遣医師が足りない場合は、この病院の外科や内科、整形外科、救急部、麻酔科などの医師はいつ、どこに派遣されることになるかわからない、みんなそういうことを知らないで働いているんだけどね、、、などと言われてびっくりしていたことがあります。世の中って、こういうことを考えて、ちゃんと準備をしている人がいるんだなあって、びっくりしますよね。赤十字おそるべしです。ホント。
投稿者:megaclinic
美容外科医としてすぐにやめてほしい手術と治療
私のクリニックには他院での修整を求めて来院される方もたくさんおられます。このような患者さんを見ていると、本当にこのような手術や治療はすぐにやめてほしいというものがいくつかあります。本当に気の毒なことになっている方も多くおられて、簡単に修正ができないことも多いわけです。日本美容外科学会(JSAPS)や日本形成外科学会などの調査でも多くのトラブルの報告がありますが、この中でも多いトラブルが私のクリニックでも悩んで来院される患者さんの傾向と一致しています。
とにかく多いトラブルとしては、成長因子(fgf)を入れた注入物、糸のリフト、金の糸です。成長因子はメーカーが安全ではないので体内に注射で入れないでくださいとアナウンスしているもので、この注射により脂肪が異常に膨れてきます。また激しい炎症が起きることも多く、その結果、異常なふくらみ、凹凸、しこり、痛み、赤み、変色などのトラブルが多発しています。痛みや腫れなどについてはステロイドの注射で1カ月くらいはおさまることがありますが、これで完治することはありません。また減量のためには切除、ニードルサクションなどしか方法がありませんが、これでも一度の手術で完璧に仕上がらないことも多いように思います。複数回の手術がいることが多くなっています。それくらい難しい治療になっています。
糸のリフトは切開するフェイスリフトより効果が少なくても安全とか、切らない分キズの心配がない、あるいはダウンタイムが短いなどのように思われるかもしれません。でも現実はそうではなく、凹凸ができたり、感染が起きた時に糸の除去のためには皮膚表面を切開する必要があり、そのためのキズが残るとか、痛みが出たり、一時的にきれいになっても、大きく口を開けた時に痛みが出たり、腫れてきたり、違和感がずっと続いてつらいなど、多くの問題が出ています。私自身はこの糸リフトは効果があまりに少なく、持続も長くもっても1年程度、感染が起きた際に糸の除去のためには多数の切開がいること、歳をとってから表情にひきつれや凹凸などが出てくることがあることなどから、最初からこの方法は安全ではないと思っていますので、私のクリニックでは糸リフトをしていません。
また金の糸も多くの問題が出ています。純金と言っていても、100%純粋の金というのは世の中にありません。必ず不純物が入っています。また以前言われていたように金の糸を埋め込むことで皮膚の若返り、肌質の改善などの効果が学問的に認められないこと、さらに不純物が体内で溶けて拡散するという問題、この不純物により肉芽種、しこり、痛み、しびれ、硬化、壊死、石灰化、神経障害、眼の周囲ではドライアイ、まぶたの皮膚の硬化により眼があけにくい、閉じにくい、などいろいろの症状が報告されています。また金の糸の除去のためには顔のどこかを切開して糸を探す必要があり、この手術そのものがとても難しい手術になっています。
以上が私がすぐにでもやめてほしい手術や治療です。すでに学会や日本美容医療協会などからはこれらの安全性に疑問があると報告されていますが、一部の美容外科医は今でもこういう危険な手術や治療と続けておられます。他にも同じ効果が得られる安全な方法がいくつもありますので、こういう危険な方法、あるいは合併症が起きた時に簡単に治療ができないような治療はやってほしくないなあと個人的には強く思っています。
投稿者:megaclinic
別荘というものについて
軽井沢とか冨士山近くの河口湖などに行くとたくさんの別荘を見かけます。夏の間だけ涼しい所で過ごせたら、それはなんだか素敵なことなのかもしれません。以前はすごいなあとか、うらやましいと思ったりしていたことがあります。そういう私も母方の祖父と祖母が石川県の海岸に別荘を建ててしまったので、彼らが亡くなったあと、親戚でしばらく維持費を出し合って、この別荘をもっていた時があります。
母方の祖父の父は北前船のオーナーだった人で、石川県に行くとこの祖父の屋敷跡というのが残っています。後に北前船という会社組織のようなものをやめて、その後は函館に転居して、カムチャッカに漁場をいくつも持って、にしんやカニなどの漁で成功し、かなりの富豪であったそうです。祖父がこの石川県の屋敷跡を引き継いで、この一部に子供や孫たちのために家を建ててしまったわけです。これを別荘として、夏には海で泳いだり、みんなが集まって騒げるようなことを考えてくれたのだろうと思います。
何年かは親戚一同で、順番に使ったり、集まったりしていたわけですが、この別荘は持ってみると実はかなり面倒なものなのです。親戚で均等に分けて維持費を負担していたわけですが、別荘を維持しようとすると、最低でも1週間に一度くらいはどなたかに依頼して、掃除を含めてなんらかの管理をしてもらう必要があるわけです。でも実際に久しぶりに別荘に行くと、布団が湿っていたり、草があちこちに生えていたり、掃除があまり丁寧にされていなかったり、食事を作ろうとすると、皿が汚れていたり、冷蔵庫に入れるものを買い出しに行くというような面倒なことが多いわけです。本当のところ、初日は掃除、買い出し、そのほかあれこれでぐったりというわけです。こういうことが繰り返されると、別荘に行くより、自分で好きなところに行ってホテルに滞在するほうがずっと楽だなあという意見が親戚の中でも多くなって、最終的にはみんなの同意のもと、この別荘を処分してしまいました。
別荘をあちこちで見かけますが、最近はこういう経験から特にあこがれもなく、別荘をもっていると、どうしてもここに縛られて、他にあちこち行けないよなあなどと考えたりしてしまうわけです。私自身はもう二度と別荘なんていらないと思ってしまうわけですが、みなさんは別荘が欲しいですか?僕は絶対そんなものより、自由に今回はここに行ってみようというように、あちこちを飛び回るほうがずっと好きです。ホテルや旅館に滞在すれば、掃除もいりませんし、買い出しに行く必要もなく、皿がよごれていて、洗ったりすることもいりませんので、とにかく快適で、のんびりできますよねえ。
投稿者:megaclinic
再生医療について
再生医療という言葉は多分みなさんも耳にされたことがあると思います。当初私自身も、どういう治療なのかよくわからないままでいたのですが、京大の山中教授のノーベル賞受賞以後、この分野は今後とんでもない発展を期待できる治療なのかもしれないと思うようになってきました。日本ではこの研究会がすでに始まっていて、ここには美容外科とか形成外科よりも、実は他の科の医師が多く集まって研究が始まっています。特定の分野ではこの治療がすでに開始されているわけですが、まだまだ美容外科や形成外科分野の医師でこの治療が将来すごいことになると思っている医師はとても少ないように思います。
再生医療は自分の組織を採取してその後培養増殖した幹細胞を体内にもどすことにより障害された臓器や組織の改善や修復を目指す医療です。人間には加齢という問題があるわけですが、この加齢現象は実は病気と考えることもできるわけです。年齢が同じであっても若々しく美しい人と、しわやたるみが目立って、やつれて体力などでも劣っている方もあるわけです。この差を埋める方法として、再生医療はひょっとして、すごい効果が期待できるものなのかもしれません。今までの治療法では改善が困難であるさまざまの難治性疾患に対する治療法としても効果が期待されています。現在の美容外科や形成外科での治療方法が将来かなり変わってくる可能性がある分野だとも思っています。今後の研究が重要な分野ではありますが、この研究会にはもっと美容外科医や形成外科医が参加する必要があると思っています。私もこの分野にはとても興味がありますので、これから真剣に取り組んで勉強を始めたいと思っています。
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ゴールデンウィーク
ゴールデンウィーク中はどこに行ってもすごい人ですね。みなさんはどこかに行かれたのでしょうか?私はこの二日間は兵庫県の神鍋高原で関西医歯薬と言われる大会のソフトテニス部門の大会に行っていました。私自身は京都大学を卒業後ずっと医学部ソフトテニス部のヘッドコーチをしていますので、学生の大会にはほとんど毎回応援、指導などの目的で参加しています。この3年間ほどはこの大会がコロナで中止になっていて、久しぶりの開催になりました。現役のテニス部員の多くはこの関西選手権は初めての参加、あるいは2回目の参加ということになり、天気もよく、本当に学生と一緒に楽しい時間になりました。
京都大学の戦績は男子は団体戦で久しぶりに準優勝という結果でした。現役の部員たちも、私を含めた監督やコーチたちもすごい盛り上がりで、久しぶりに本当に楽しい大会になりました。私が学生の頃は男子は京都大学の第3期黄金時代と言われていた頃で、関西選手権は団体戦も個人戦もたびたび京都大学が優勝していました。私自身も団体戦も個人戦も優勝の経験があります。団体戦は私が卒業した後は準優勝が一度あって、個人戦は私の優勝以後京都大学の優勝は一度もありません。個人戦もそろそろ京大が優勝してほしいのですが、、、。団体戦は準優勝であっても現役部員にとっては一生の思い出になると思います。男子団体戦の準決勝で勝った瞬間は部員全員まさに大騒ぎでした。決勝で負けた時は全員しゅんとなってしまいましたが、みごとな成績でうれしいです。女子は残念ながら団体戦も個人戦も早くに負けてしまいました。女子部員の中には泣いていた部員もありましたが、また大学にもどって練習で鍛えなおしです。男子は勝利の味を覚えてくれたと思いますので、夏の西日本選手権ではぜひ優勝を目指してもらいたいものです。ちなみに男子の団体優勝は名古屋大学でした。女子はえーとどこだったのでしょう?学生時代って本当に青春真っただ中ですよね。今の部員たちを見ていると自分の楽しかった大学生の頃を思い出して、つい一緒に大会に試合に出たくなります。
投稿者:megaclinic
長崎の形成外科学会
昨日長崎の形成外科学会から大阪に戻りました。最近は若い形成外科医が多くなり、女医さんもとても多くなったなあとびっくりします。私自身はなるべく国際セッションのある会場にいて、特にアジア各国から日本に来られた医師がどのような講演をされるのか、また私自身が座長が当たっていましたので、会場で司会などもして、いろいろの発表を聞いていました。たくさんの発表がありましたが、一部は素晴らしい発表もあり、一部は私がいろいろかみついて意見を言っておいたほうがいいような講演もあり、相変わらず、うるさい医師が会場にいるなあと思われていたかもしれません。
学会は新しい手技や経験、などを発表するということが一つの大きな目的ですが、自分の経験からそんなことをしてはいけないとか、安全性に疑問があるというような発表については会場にいる若い医師などであれば、こういう手術をしてみようかなどと思われる方もあるわけです。でも、自分の経験からそんな手術はしてはいけないと思うものは、ほとんど言葉は悪いかもしれませんが、注意喚起というか、安全性に疑問があるものは、たとえどこかの大学の教授が発表しているものであっても、この手術には賛成できないと発言してしまいます。これが学会のいいところだと思います。私自身も若いころは先輩の経験豊かな医師に講演をした際に質問攻めになったり、説教されたり、いろいろの経験があります。こういうことが若い医師を育てて、会場で講演を聞いている医師にもいろいろの治験を聞いてもらって、患者さんにとってより安全でより効果のある手術や治療をみんなで模索するというのが本来の学会の使命だと思っています。そういう理由で、私自身は昔から学会ではかなりうるさい医師なのです。要するに学会は勉強して、参加している医師がみんな成長する場所なのです。そういういきさつがあって、大学の形成外科の何人かの教授や医師などは私をすごく嫌っている方もあるのは知っています。発表の際に恥をかかされたと思っておられるのでしょう。でも患者さんのためを思うと黙っているのは医師としておかしいと思います。まあ、新しい友人ができたり、一部の医師からは嫌われたり、それでいいですよね。でも面白いことに国際学会では、会場では手術内容や発表内容で激しい口論があっても、会議が終わるとやり合ったふたりが仲良しっていうことがよくあるので、これって日本人はいろいろ根に持ってしまう国民なのかなあと思ったりしているのですが、、。どうなのでしょうね。
投稿者:megaclinic
本日より長崎で日本形成外科学会です
今日から3日間長崎で日本形成外科学会が開催されます。ここ数年日本形成外科学会では6-7会場ある会場の一つを国際セッションという会場に使用しています。主にアジアの医師の発表を英語でしてもらうという企画です。もちろん日本人も多数演題を出されています。これからは英語の発表に慣れてもらう必要があり、多くの若い医師が世界に出て、自分の研究や新しい手術などを発表したり、論文にまとめて国際的に活躍してほしいものです。その経験を積む場として若い医師にも多数参加を期待しています。私自身は形成外科学会の国際委員会の委員なので、このお手伝い、アドバイスなどをずっと行っています。今回の学会でも国際セッションの座長を担当して、学会の進行、司会、質問などを担当します。
そのため私のクリニックは本日から明後日の午後まで休診にしています。明後日は3時から診療を再会します。ご迷惑をおかけする方もあるかと思いますが、ご了承ください。
投稿者:megaclinic
混雑する京都
最近京都に行かれたことがありますか?私自身は京都大学医学部ソフトテニス部のヘッドコーチなので、大体火曜日の午後は京大での学生部員の練習の指導に行っています。JRの新大阪駅から京都駅に行って、そこからタクシーで京大まで行っているわけです。帰りが遅くなるので、時々夕食を京都で食べたりするのですが、先日先斗町にある大好きなお店で夕食を食べました。先斗町は本当に久しぶりだったのですが、この通りの雰囲気が以前とは全く違ってしまっていたので、びっくりしました。京都はもともと外国からの観光客の方がとても多い街ですが、先斗町を歩くと、すごい数の外国人で、ほとんど日本人には会うことがないのです。日本とは思えない光景でびっくりしました。外からのぞけるお店では外国の方がずらーっと入っておられました。私の行ったお店は外に日本の文字しかなく、メニューも日本語だけなので、さすがにここには外国の方は一人もおられなかったのですが、もう通りを歩くと、ほとんど日本人がいないという状況で、これはすごいことになってきたなあと驚きです。
そう言えば、京都駅のタクシー乗り場も、タクシーがたくさん待っているのに、乗りたい人もすごい列で並んでいるのです。タクシーに乗るまでにかなり時間がかかるわけです。なぜこんなことになっているかというと、まず外国の方が多いので、すごく大きい荷物があるわけです。タクシーにこれを乗せるのにまず時間がかかっています。さらに外国の方がタクシーに乗ってから、行先の説明にどうも時間がかかっているように思います。これで車がなかなか出発しないのです。こういう悪循環で、タクシーの車がたくさん待っていて、乗りたい人間の方もずっと待っているようなことになっています。
京都の市バスもよく満員でバス停を誰も乗せずに通過してしまうような光景もあって、これでは市民がバスに乗れないですよね。京都市はもともと観光で成り立っているような街なので、観光客がコロナで止まっていた時は市の財政がひっ迫していたという話もありましたが、現状のように観光客が多すぎる状態になると、これはこれで大問題ですよね。これからどうなるんでしょうか?困ったことです。
投稿者:megaclinic
国際美容外科学会、患者安全委員会
ISAPSと言うのですが国際美容外科学会の中に20くらいいろいろの委員会があります。この中にPatients’ Safety Committee、日本語で患者安全委員会と言われている委員会があります。私自身はISAPSの理事会はもう降りているのですが、今の会長のリナトリアナというコロンビアの女医さんからこの委員会に残ってISAPSでの活動を続けてほしいという連絡があり、長年親しく理事会でいっしょに仕事をしてきた方なので、引き受けてしまっています。
患者さんの安全のための活動をするという委員会ですが、委員は合計で約10人います。定期的にオンラインでの会議をしていて、重要な議題、意見、決議などは理事会に報告して世界の美容外科の活動を支えているわけです。アジアからは私一人がこの委員会に参加していますが、世界中ではいつもなんらかの問題が続いていたり、新しい問題が出てきたりしています。このオンラインの会議は一年に4回くらいあるのですが、二日前に今年になって2回目の会議が開催されました。日本時間ではいつも夜の11時から開始になって、大体いつも1時間半くらいで終了しています。今回の会議で問題になっていたことはいくつもありますが、重要なものとして、脂肪吸引における体重あたりの最大吸引量の目安を設定してはどうかというものがありました。世界の医師の中には脂肪吸引で同時にかなりの出血が起きるということをあまり気にしていない人もあるようで、実は脂肪の吸引量が多すぎたために出血多量が亡くなられている患者さんもあるわけです。本来美容外科では輸血が必要なほどの手術を行うべきではありません。必要なら3か月くらいあけて再度別の部位の脂肪吸引をすればいいわけです。患者さんのほうからは、なるべく一度の手術でここもあそこも、ついでにこの部分も、、というような要求はよくあるわけですが、これがとても危険であるわけです。他にはボトックスやヒアルロン酸の品質の問題が取り上げられていました。ボトックスはあくまでも血液製剤なので、この厳格なチェックが行われていないと血液を介したなんらかの感染症が起きる心配があります。またヒアルロン酸の品質も問題で、アレルギーが起こるようなものも世界には出回っているようなので、これはなんらかの規制がいると思います。各国が同じように動いてくれないとなかなかISAPSからの勧告だけでは難しい問題があります。
さらに一般の患者さんにどういう美容外科医が十分なトレーニングを受けた安全な医師かわかるような方法を確立するということがいつも問題になっています。ISAPSの正会員であるということが各国の形成外科学会と美容外科学会の両方の専門医資格があって、美容外科医としても充分な技量があるという証拠なのですが、このことが一般の方になかなか伝わっていないということが難しい問題です。英語圏ではISAPSのアナウンスが英語で一般の方に拡散していますので、ISAPSの名前は英語圏ではかなり有名で、この会員の医師であれば安心ということになっています。しかし、英語を話さない国々では、なかなか各国の言語で国際学会と同じ活動をするということが費用も膨大にかかる問題で、どういう方針をとるのがいいか、引き続き委員会でも討論中です。またこれ以外には、日本、アジアからの議題として糸によるリフトのトラブルが多いこと、成長因子を体内に入れることによるしこり、異常なふくらみなどのトラブルが多いということは報告しておきましたが、糸リフトは主にアジアで多い治療であること、さらに成長因子の問題は他の委員があまり聞いたことのない問題で、メーカーが許可していない治療をなぜ日本では行う医師があるのか?というような質問を他の委員から受けたりして、私も戸惑ってしまいました。他の委員の意見ではメーカーが国に働きかけるように指導すべきとか、日本の厚生労働省に日本の学会が情報を提供するべきなどの意見もあって、そのような方向で国内で私も動きたいと思っています。いろいろ次々に多くの問題が世界中で起きているわけですが、ISAPSの委員会はすべてボランティアの活動で、私も一切お金はもらっていませんし、皆さん世界の安全な美容外科のために熱心に頑張っているなあと思って、常々頭が下がる思いでいます。私も微力ながらこれからも頑張りたいと思います。
投稿者:megaclinic