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当院で外国からの患者さんが多い理由
当院に来院された方は多分通院中に外国から来られている患者さんが多いのに気づかれているかもしれません。コロナの前は当院の患者さんの半数以上が外国からの方という時期もあったくらいです。昨年までの数年は外国からの患者さんはコロナのために完全に止まっていましたが、今年になってからは、またすこしずつ外国からの患者さんが戻ってきているように思います。
この理由は私が長い間国際美容外科学会、ISAPS(アイサップスと読みます)の理事会で仕事をしていて、その中の教育委員会(Education Council)という手術指導の委員会でも仕事をしていたりしていたことと関係があります。理事会では合計12年間仕事をしていましたし、教育委員会ではほぼ10年くらい毎年5-10回くらい世界のどこかの国に行って、安全な手術や最新の手術について講演をしたり、実際にその国の患者さんの手術を行って、その病院から学会会場に手術をライブ中継して指導するような仕事をしていました。このように世界中を走り回っていたわけですが、理事会在籍中は2年間この国際学会の会長もやりましたし、教育委員会のチェアも2年間やっていました。ISAPSは今でも毎年一年間に20回くらいこのような世界の美容外科医に対する手術指導である講習会や学会などを開催しています。これはとても有名な講習会や学会活動で、私自身も世界中の国々に行きましたが、その際にその国のラジオやテレビでこのような活動を紹介されることもよくあって、私が会長をしていた時や教育委員会のチェアをしていた時はテレビやラジオに出演するということもとても多かったわけです。またまれにはその国の厚生労働省の大臣などと面談があったり、一般の方が私を見る機会もよくあったわけです。特にアジアの患者さんは、自分の手術はアジア人の手術をたくさん経験しているISAPSの講師陣に入っているような医師の手術を受けたいということで、そういう医師のいるクリニックを探して受診されるわけです。特に私自身もアジア各国での講演や現地での手術を担当したこともよくあり、こういうことがあって、アジア各国から私のクリニックに診察に来る方が多くなっているわけです。実際に中国や台湾、韓国、シンガポール、フィリピン、香港などから来られる患者さんが多いので、当院に来られている方は時にはこのような患者さんと出会ってしまうこともあるかもしれません。当院で外国からの患者さんが多いのは、上記のような背景があってのことなので、事情をご理解いただきますようによろしくお願いします。
投稿者:megaclinic
オペラ椿姫
今日大阪のフェスティバルホールでオペラの椿姫を楽しんできました。イタリアの誇るマッシモ劇場がそのまま来日しての公演で、たくさんの方が来場されていて会場はぎっしり満員でした。椿姫というオペラはパリの高級娼婦であるヴィオレッタにアルフレッドという青年が純粋な恋に落ち、二人が愛し合うようになるわけですが、アルフレッドの父が反対し、ヴィオレッタが彼にうそをついて身を引いてしまいます。その頃ヴィオレッタは結核になっていて、最後に病に倒れ、死ぬ間際に事情を知ったアルフレッドが彼女のところに駆けつけ、最後は彼に抱かれて亡くなってしまうというオペラです。
このオペラに出てくる乾杯の歌はあまりにも有名な曲で、オペラの最初のあたりで出てくるわけですが、ヴィオレッタがこの時に歌う声がはなやかで実に美しかったです。でもヴィオレッタの歌は最初の宴会の主役のように元気に美しくのびやかに歌う場面もあれば、父親が出てきて、彼女に息子とはわかれてくれというあたりの重苦しく切ない歌声、そして病に倒れて亡くなる直前の息をするのも苦しいような歌声の3つの難しい歌声を見事に歌い分けていました。まるで3人の別の歌手が歌っているようで、同じ人の声にはとても聞こえないくらいでこれは本当に素晴らしかったです。最後の場面はアルフレッドに抱かれて亡くなってしまうわけですが、またこの場面で泣いてしまいました。オーケストラの演奏も素晴らしく、感動の一日でした。最近はちょっと涙もろくなっているのかもしれませんねえ。困ったことです。
ところで、オペラはウィーンやパリなどで見ると、一部の方はblack tie optionalなどのような雰囲気で来場される方もかなりあるわけですが、大阪でも着物の正装で来場されているような方も何人かあり、一流のオペラを聴く時は正装でという心構えも素敵ですよねえ。ふと思い出したのは、今NHKの朝ドラで主人公の牧野博士が植物採集をされる際は正装で出かけられたという話を聞いたことがありますが、同じ心境なのでしょうねえ。こういう心構えがインターナショナルというのも素敵なことです。一度くらいタキシードでオペラに行ってみようかなあと考えたりしているわけですが、、、。日本でやると変ですかね?
投稿者:megaclinic
京都の常識
私自身は京都生まれの京都育ちです。生まれた時から大学を卒業して、医師として何年も働くまでずっと京都です。京都に生まれて育った人には周りに住んでいる方々との付き合い方というのは、もうそれが体にしみついたようなものですが、同じ日本でも他の地域から京都に来た人の話や自分が初めて北九州の小倉記念病院の形成外科主任部長として北九州に住んだ時の経験から考えると、京都って独特の文化があるなあと思ってしまいます。京都で住んでいると、時にはとなりにどんな方が住んでいて、家族構成がどうなっているか、など確実には知らないというようなこともあるわけです。また挨拶や会話でもなかなか本音を言わないのが奥ゆかしいなどと思っているのかもしれません。
最初にそうなのかあっと思ったことがあります。これは京大病院に勤務していた時の話です。ある看護師さんが北海道出身で、いきなり京都で暮らし始めたということでした。その時に町内でお祭りがあるので、町内会の方が家まで来られて寄付の話をされたのだそうです。最初に話されたことは、町内でお祭りがあって、その準備をしていること、寄付を集めているわけですが、、、。その後、言われたことが「寄付を集めているわけですけど、別にいやだったら寄付をされなくても何も問題はないのでよろしいのですが、、、、。」と話されたのだそうです。北海道ではこういう場合、いやですとはっきり言うのが通常らしいのですね。それで彼女はいやなので、寄付はしません、とバッサリ断ったのだそうです。彼女がすごく怒っていたのは、その方はそのまま帰ってしまわれたのですが、後でどうも町内で今度引っ越しで同じ町内に来られた看護師さんはきつい人ですよーとか、寄付をいやって言われましたよーなど、あれこれ陰口をたたかれたとかで、京都はいやなところですねえ。寄付をもらいたいのなら、下さいってなぜはっきり言わないかなあ?というようなことをブツブツ言っていたわけです。私は京都はねえ、いやだったらいいんですけど、、、、は単なる意味のない挨拶で、こんにちはと理解しておかないと、と説明しましたが、それでもわからんとか怒っていました。なかなか本音を言うまでに時間がかかるわけです。あるいはずっと本音を言わない方も多いのかもしれません。京都はそれでなりたっていますから。他の地域から来られた方は京都は住みにくいのかもしれません。
もう一つ感じたことは、私が北九州に転居した際に、最初に驚いたのは、家にいる時に知らない女性が突然家の中に入ってきて「雨やけねー」(雨だからねー)と言っていきなり人の家の二階に駆け上がって、外に干してあった洗濯物を全部彼女が入れてしまったようで、階段から降りてきて、「洗濯物は全部入れといたけねー」と言ってどこかに言ってしまったことです。たしか私は初対面で、どなた?みたいな感じでした。何が起きたのか理解不能?ですよね。京都では絶対にこんな人はいません。北九州では親しくなるとお隣のおじさんが夜の9時頃に、「いいお酒が入ったんですよー。一緒に飲まんですか?」みたいな調子で焼酎をぶら下げて、人のイエス、ノーを全く聞かないで、いきなり家に入ってくるというようなこともありました。京都ではこういうことも絶対に起きません。京都人ならなんて失礼なって思ってしまいますよね。でも北九州ではこういう人はいっぱいいます。所変われば、、、ですよね、全く。
投稿者:megaclinic
佐伯祐三ー自画像としての風景
昨日の日曜日に大阪中之島美術館で開催されている佐伯祐三ー自画像としての風景を見てきました。30歳という若さでパリ郊外の精神病院で亡くなった画家ですが、この短い人生の中でこれだけたくさんの素晴らしい作品を残されたのはすごいことだなあと思いました。同じ時に6歳の一人娘を同じ病気である結核で無くされたのはさぞ無念であったことと思います。いくつもの作品が有名ですが、何より驚いたのはこの美術館に来館されている方がとても多かったことです。こんなに有名で人気のある画家だったのですねえ。チケット売り場にも長い列ができていました。中でも郵便配達夫や靴屋、多数の自画像、下落合風景などは素晴らしい作品で、特に郵便配達夫などは病で体調のすぐれない時にこのような力のある作品を描かれたのはすごいですよね。またとても興味深かったのは自画像や郵便配達夫や下落合風景、広告のある壁など同じ題材をいくつもの視点や色調で異なる作品として描かれていたことです。同じものを見ていても光が違ったり、色調、見る構図の差などで、あれこれ本人の興味をそそったのだろうと思います。これはなんとなくセザンヌが同じ山を何度も何度も描いたという話にも似ていますよね。フランスに行った時にセザンヌが住んでいた場所、そこからよく描いていた同じ山を見に行ったことがありますが、画家とうのは一つの同じ風景を見ても光が異なったったり季節による景色が違ったりして、そのたびに見えるものが違って、それに心が引かれることがあれこれ出てくるのかなあと思ってしまいました。佐伯祐三という画家はとても力強い絵を描かれていて、特に色彩がすばらしいですよね。すごくたくさんの方が見に来られていたのは何となく納得でした。
投稿者:megaclinic
オペラ椿姫
うっかり私としたことが大阪のフェスティバルホールでの椿姫を見落としていました。6月の25日にオペラ椿姫が予定されていたのです。あわててチケットを買いました。もう一人2万2千円以上の席しか空いていなかったのですが、パレルモマッシモ劇場が大阪に来るのですから、これは見逃してはいけません。ボックス席なら3万9千円ということになっていますが、それでも見るべきですよね、絶対。ヴィオレッタはエルモネラヤナで、他にフランチェスコメーリ、アルベルトガザーレが出ます。彼女のソプラノってもう天使が歌っているような声ですよねえ。ガザーレのバリトンを聞けるのも幸せです。
椿姫って、本来はラトラヴィアータというのだそうです。意味は道をふみ外した女。なんだかカルメンにも似ていて素敵です。もう今からウルウル状態です。フェスティバルホールは以前のホールから建て替えられて、座席もゆったりになりましたし、音響も素晴らしいです。もしまだチケットを買っていない方がおられるようなら、ぜひ見てほしいです。私の大好きなオペラの一つです。
投稿者:megaclinic
ドンジョヴァンニ
やっぱり私はオペラとかミュージカルとかが大好きなのです。来月、またあの佐渡裕さんの指揮によるドンジョヴァンニがあるので、チケットを買ってしまいました。モーツアルトはやはり偉大です。曲がすばらしいですよねえ。ストーリーは皆さまご存知だと思いますが、女性が大好きなドンジョヴァンニが忍び込んだドンナアンナの家で彼女の父親である騎士長に見つかって、決闘をしてこの父親を殺してしまいます。その後もあちこちの女性に言い寄っているドンジョヴァンニに復讐を誓ったドンナアンナと彼女の婚約者がドンジョヴァンニを追いかけて、、、というような話です。とにかく歌がすばらしいです。シャンパンの歌とかお手をどうぞなどなど、もうたまりませんよね。
しかしまあ、なんと言うか、特にオペラではどうしてこんなに女性にだらしないおっさんの話が多いのでしょうか?所詮男は、、、っていうことなんでしょうかねえ。蝶々夫人も外国に帰った夫を待っていたら知らない女性と帰国した、、みたいな話ですし、フィガロの結婚も若い女性に手を出したいというふざけたおっさんの話ですよね、簡単に言うと。でもとにかく歌が素敵です。うっとりします。でももしお知り合いに初めておオペラを見るという方がある場合、最初にみるオペラは見ごたえがあって、ふざけたおっさんが出て来ないオペラが一番安全だと思います。以前にも書きましたが、私は子供の時に初めて見たオペラが蝶々夫人だったので、こんなふざけた話を子供に見せるなよ!って頭に来てしまって(多分母親が悪いのだと思っています、今でも)、それ以来オペラはこういうものだと思い、かなり大人になるまでオペラは見たら不愉快になるものと決めつけていたので、ずいぶん損をしたような気がします。最初に見るオペラは周りの人がとても慎重に選んであげるべきです、絶対に。
投稿者:megaclinic