月別アーカイブ
コロンビア美容外科学会
南米も美容外科のさかんなところです。チリ、アルゼンチン、ブラジルなどが有名ですが、コロンビアもかなり美容外科は人気があるようです。コロンビア美容外科学会の開催に合わせて、国際美容外科学会(ISAPS)の講習が同じ会場で開催されたことがあります。
国際美容外科学会から、アジアからは日本から私、あとは韓国、シンガポール、台湾の医師が一人ずつ講師として派遣されました。この学会で戸惑ったのは、日中は皆さん学会会場でしっかり勉強されているのですが、夜はとにかくサルサです。ブラジルはサンバの国ということはよく知っていますが、コロンビアが毎日こんなに踊る国とは知りませんでした。
アジアからの他の講師の医師3人は全く踊れないので、私だけが頑張って踊っていました。サルサはよく知りませんが、ジルバが踊れるので、なんとか合わせて踊っていました。これが延々と続くので、なかなか夕食が始まらないわけです。南米の国々は大体どこでも夕食の開始がとても遅いわけですが、コロンビアでは一度夕食の開始が翌日になったという日がありました。毎日朝の8時から学会が開始されるので、みんなどういう感覚でやっているのだろうと本当にびっくりしました。当然かもしれませんが、朝一番の学会会場には参加者があまりいなくて、あとから次第にゆっくり会場に皆さんが来られていましたが…。南米ですね。
私の向かって左が、コロンビア美容外科学会会長、右がISAPS第一副会長
レセプションにて
投稿者:megaclinic
ベトナム美容外科学会
国際美容外科学会( ISAPS)の活動の一つは世界における美容外科手術の技術指導ですが、さらにこれに付随して、大切なことがあります。それが各国における美容外科教育のための組織の確立です。これは世界中で問題のある国もたくさんあり、ベトナムにおいても長い間、北と南にそれぞれ美容外科学会があり、対立していました。これに国際美容外科学会が介入して、二つの学会の幹部たちの話し合いを何回か支援して、最終的に二つの学会が一つにまとまるということになりました。これはごく最近のことで、その1回目の学会の際に国際美容外科学会から5人の手術指導医を派遣して、3日間なるべく多くの手術と講演をホーチミン市の学会で行うということになりました。
ISAPSのOP指導チーム
この時派遣されたのは韓国、タイ、フィリピン、日本、アメリカからのの教育委員会の医師5人で、各種の手術を行って、ベトナムの形成外科医、美容外科医にそれぞれの手術を見て勉強してもらいました。私自身がこの時担当したのは、二重の全切開、眼瞼下垂、インプラントによる豊胸の3人の手術でした。
手術をサポートしてくれた現地の医師とナース
投稿者:megaclinic
当院の女性スタッフは全員ZO(ゼオ)スキンです
ゼオスキンという言葉を知っておられる方も多いと思います。ゼイン・オバジという皮膚科医が開発したスキンケアプログラムのことです。トレチノイン、レチノール、ハイドロキノン、ビタミンCなどのいろいろの製品を組み合わせて、その方の肌の状態に合わせて、オーダーメイドのプログラムを作って肌の美しさを追求するという治療です。私のクリニックの女性は医師もナースもスタッフも全員このプログラムを使った肌の管理をしています。当院に来られることがあれば、女性のスタッフの肌を見てもらえば、どれくらいの効果がある方法が理解してもらえると思います。
当院でこのプログラムによる治療をご希望の場合は、女医の間藤か看護師長の中川の予約を取ってもらってから来院してもらうほうがいいと思います。二人ともゼオスキンケアプログラムを作成できる資格を取っています。女性の立場から肌を見て、その方の肌にとってベストの方法を提供できます。
投稿者:megaclinic
国際美容外科学会(ISAPS)の活動-世界で行われる教育講習会
私自身は長い間国際美容外科学会(ISAPS)の教育委員会(Education Council )と理事会で活動をしています。教育委員会はチェアも2年間担当しましたし、理事会では2年間会長も務めました。教育委員会の活動がISAPSのもっとも大切な活動になります。これは一年間に25-30回くらい世界中のいろいろの国でISAPSから合計6-20人くらいの講師陣を招待して、自分の手術方法を講演したり、実際に現地の患者さんの手術を担当して、手術室と学会会場をつないで、会場から質問を受けながら、実際の手術を担当して指導するというものです。いわゆる講習会という性質の学会で、ISAPSコースと呼ばれています。目的は患者さんの笑顔です。安全でいい結果を出すための各自の方法を指導するということが使命になっています。私自身もコロナの問題が起きる前までは会長や教育委員会のチェアをしていた間はほぼ毎月くらい外国に出る必要がありました。会長の2年間は基本的に招待を受ければ断るということができないことになっていましたので、このコースに出席するために2年間で26か国を訪問して、あちこちで講演をしたり、現地の患者さんの手術を担当していました。
いろいろたくさんのいい思い出がありますが、南アフリカでも2回このコースに参加したことがあります。2回ともケープタウンで学会が開催されました。どちらも3日間のコースで、一度はケープタウン市内ではなく、そこから車で1時間くらいかかるスピアというワイナリーの中で開催されたことがあります。これは市内の治安が悪いという理由で、スピアワイナリーの中は警備が完璧で治安の問題がなく、ワイナリーの中にレストランが3つあって、プールも7つくらいあり、さらに大きい学会会場や劇場などもあって、チータと遊べるような小さい動物園のようなところもあり、広大な敷地の中で自由に安全にしていられるということがこの地を選んだ理由でした。学会会場の横にはテーブルマウンテンというちょうどテーブルのような形の山があり、そこから毎日雲が絶壁を流れ落ちる様子は、雄大な滝の水がゆっくり流れ落ちてくるようで実に美しい景色を毎日見ながらコースに参加していました。手術だけはケープタウン市内の病院に戻って、担当する必要がありましたが、あとはワイナリーの中で講演をするのも楽しい毎日でした。参加者も南アフリカの形成外科医、美容外科医の8割くらいが参加し、さらに世界中から30人くらいの医師も勉強のために参加されているという盛況でした。
コースのあとはせっかく世界中から多くの医師を講師として招待していますので、講演や手術に対するお礼という意味で、通常可能な医師はコース終了後一緒に観光を楽しむというスタイルになっています。この時は全体の半数くらいのISAPS講師の医師たちがサファリに招待されました。いくつか懐かしい写真をお見せします。コロナの問題が解消すれば、またこのような教育コースが世界中で再開されることになります。
サファリツアーに参加した医師
ツアー中
サイの母子
ヒョウ
テーブルマウンテン
投稿者:megaclinic
日本形成外科学会:短い鼻を長くする
今回の形成外科学会のいくつかのパネルやセッションでのテーマの一つは鼻の手術、中でも特に短い鼻対策でした。何人かの講演を聞いていましたが、基本的には鼻を下方向に延長するためには鼻中隔延長を行っておられて、長期的なトラブルである移植軟骨の形が浮き出るとか、鼻先が曲がるなどのトラブルをどのように防止するかなどが話されていました。中でも少し面白いと思った講演が、国際セッションの中の韓国の医師の発表でした。鼻中隔延長のあとは鼻先が動かないのが問題ですが、すこしだけの延長であれば、鼻先が動く状態を保つために別の方法があるというもので、鼻軟骨をすべて下方向にすこしだけずらして、軟骨の上の端を鼻中隔に縫合固定したり、通常より狭い範囲の軟骨移植をするというものでした。すこし面白い方法と思って聞いていました。適応のある方ならこういう方法で、鼻先が自由に動くほうがより安全ですね。東洋人特有の手術なので、こういう手術方法についてのディスカッションは世界中から集まる国際学会よりアジアの学会の中で経験の多い医師が集まって話をするほうが、中身が濃くなるなあと思って聞いていました。
投稿者:megaclinic
ジョンズホプキンス大学とのつながり
私自身は、開業する前にアメリカのジョージワシントン大学の形成外科に留学をしていました。その大学のレターマン教授という先生には美容外科の主にフェイスリフト、眼瞼の手術などをたくさん習いましたが、この教授がとても親切な方で、せっかくアメリカに来ているのだから、アメリカで各分野で有名な医師の手術はなるべくたくさん見たほうがいいと言ってあちこちの大学や有名な医師のクリニックを紹介してもらって、たくさんの手術を見学させてもらいました。おかげで乳房の手術のほとんどはデューク大学のジョージエイド教授について勉強させてもらいましたし、眼瞼についてはイースタンヴァージニア大学のキャラウェイ教授、鼻の手術や骨切り、フェイスリフトなどはジョンズホプキンズ大学のクラッツキー教授にたくさんの手術を見せてもらいました。
このクラッツキー教授もとても親切な方で、何回も自宅に招いてもらって食事をいただいたり、ずいぶんお世話になりました。後日この教授がアメリカ美容外科学会の会長をされた際に、私をアメリカでの学会の招待講演の講演者として招いてもらったことがあります。この時に私の講演の内容を見て、この教授からジョンズホプキンス大学の形成外科の客員教授として時々医学生や若い形成外科医にいろいろの手術を教えてもらえないかという提案をいただき、過去にこの教授にずいぶんお世話になったので、今度は自分が教えてもらったこと、さらに自分の経験や開発した新しい手術方法などを若い医師に伝えることができれば、いい恩返しになると思い、ジョンズホプキンス大学の客員教授として仕事をするようになったわけです。
この大学はアメリカではとても有名な大学で、まわりにはノーベル賞を取った医師も多くおられるような大学です。この大学の形成外科も全米でとても有名な科で、ここで研修を希望する医師の数もすごいそうです。医局に入っている若い医師に聞くと、この大学での研修を受けるための競争率は70-100倍くらいということで毎年2ー3人くらいの入れ替えがあるのですが、2ー3人の採用に対して、200人くらいの希望があるので、激戦ということでした。医局の医師や学生は本当に優秀な人が多く、私の授業や講演に対してもいつも質問攻めにあっています。時には死体解剖室に行って、先ほどの講演をした手術を実際に死体を使ってやってみてほしいというような希望もあったりして、なかなか手ごわい人が多い大学です。みんなよく勉強をされてすごいレベルの大学だなあといつも感心しています。
アメリカ美容外科学会の会長をされた、ジョンズホプキンス大学のクラッツキー教授
投稿者:megaclinic
日本形成外科学会:注入物による豊胸手術の再建
日本形成外科学会で3日間にわたって、世界の有名な医師を招いて、講演を聞くという国際セッションがありましたが、その中で私が座長をしていたセッションでタイの形成外科医から、注入物による豊胸の合併症の修正というタイトルで講演がありました。内容は100例に及ぶ注入による豊胸手術をどのように修正したかというものです。注入物はアクアフィリングとか、ポリアクリルアミドと言われているもので、最近トラブル例が日本でも多数出てきている方法です。
当初、分解ができる、いずれなくなる、安全などと言われて一部の医師が行った方法で、今でもこの手術をしているクリニックもあるようなので、このような危険な手術を今でも行っているクリニックがあるのは信じられないことです。この方法は私自身は日本と韓国、中国、台湾くらいしか行われなかった方法と思っていたのですが、タイでも多くのトラブル例があるようです。
講演で示された方法は、まるで乳がんのように切除して再建を行うというもので、皮膚と乳腺をすべて除去したり、皮下をすべてくりぬいて乳腺ごとすべて除去するというものでした。講演者の意見はこれくらい切除しないと注入物は中で拡散して広がっているので、一部でも取り残すと問題が解決しないというものです。たしかに感染が起きることも多く、痛みや硬化、皮膚の壊死、しこり、変色など多くの問題があり、皮膚を切除して、これをあとから組織拡張器を使用して膨らませてからバッグを入れたり、自家組織で再建をしたりしていました。まるで乳がんの再建と同じ方法をとっていたので、すこしびっくりしましたが、これくらいのことをしないと根本的な解決にはならないという主張でした。一部は賛成、一部は同意できないというような発表でした。いずれにしてもこのような簡単な方法と宣伝をされて、悲惨な結果になるような手術は医師として許されないことと思います。タイでもこんなに多数の被害者が出ていることは驚きでした。
投稿者:megaclinic
脂肪注入やヒアルロン酸で目的とした部位がふくらまない理由
他院での手術のあとの修正で来院される方で、脂肪注入やヒアルロン酸で希望した部位が膨らまなかったという方がわりに多いように思います。またひどい場合は希望した部位が膨らまず、その周囲のふくれてほしくない部位がふくれてしまったという方もあります。これは顔の皮膚の下が均一の柔らかさではないからです。
以前に脂肪の吸引をされたような場合や、脂肪溶解注射を受けて皮下にキズがある場合などもありますし、もともと顔の皮膚にはあちこちに骨からじん帯という、皮膚がずり落ちないための木のねっこのようなひものような組織が皮膚に引っ付いています。これがあるために皮膚の一部がふくれにくい部位があるわけです。これは見てもわかりません。皮下にこのようなキズがあったり、じん帯があることで、皮膚にふくらませにくい部分があるわけです。これは見てもわかりません。ヒアルロン酸を入れたり、局所麻酔を入れるとこの抵抗する部分がわかります。実際にわずかしかふくれないか,全くふくらまないこともあるわけです。
この部位にはヒアルロン酸の場合はそれ以上の注入を止めるようにします。それ以上入れると、周囲の抵抗なく膨れるところに流れて、不要な部分が膨れてしまいます。脂肪注入の場合は注入針がヒアルロン酸より太いので、この抵抗するじん帯や皮下の癒着、キズなどを注入針の先ですこしだけ切って緩める操作ができます。これを皮膚表面に針などを刺して引き上げてみて皮膚が簡単に膨れる状態になるまで最低限の剥離を針でします。このようにすることで、皮膚が簡単に膨れる状態にすることができます。針による操作なので、キズは残りません。これをしながら脂肪の注入をするわけです。これで脂肪が目的とした部位に入り、周囲に流れたりするようなトラブルが起きないわけです。均等になだらかにふっくらさせるためにはこういう余分な処理が必要になるわけです。この操作のことを理解していない医師もあるようなので、注入により凹凸ができたなどのトラブルにつながるわけです。
投稿者:megaclinic
今日から日本形成外科学会です
今日から東京の目白にある椿山荘ホテルで日本形成外科学会が3日間開催されます。そのため14日(水)〜16日(金)の午前中はクリニックは休みにしています。ご了承ください。
コロナの感染がすごいこの時期に学会を中止にしないで開催するというのも心配なことです。もちろん直接会議に出席している医師も多いのですが、自宅やクリニックからオンライン参加の方も多数おられるようです。私自身はこの形成外科学会の国際委員会の委員であり、この委員会が2回あって、これに参加する必要があることと、さらに3日間世界をつないで開催される国際セッションの座長も2回担当することになっていますので、直接東京に来る必要があり、仕方なくという感じで来ています。
椿山荘は時々来るホテルですが、東京の中では本当にきれいで森の中にいるような快適なホテルです。日本の形成外科学会や美容外科学会ではこのホテルは初めての開催で、以前のことを思い出すとずいぶん優雅な学会になったなあと思います。まだ今日始まったばかりですが、今朝の国際セッションではアメリカの医師による講演をいくつか聞きました。その中で興味深い新しい分野の講演として、片頭痛に対する形成外科的アプローチというものがありました。アメリカではずいぶん人気の出てきた分野のようで、以前からボトックスで頭痛が治るというケースがあることはよく知られていたことですが、これを手術でアプローチしようというものです。
眉間から始まる頭痛、側頭部から、あるいは後頭部から始まる頭痛に対して、この原因となっている神経や筋肉を手術で遮断して改善を試みます。まずテストとしてボトックスの注射をして、これで頭痛が改善することを確認してから永久的な治療として手術を行うというような方法です。
改善率は70-95%くらいという報告でした。近い将来日本でもポピュラーになる手術ではないかと思って聞いておりました。まだ日本では誰もやっていない治療ですね。アメリカでは数人この手術を積極的にやりだした医師があるようです。
投稿者:megaclinic
サブシジョンで何ができるのか
サブシジョンという方法は皮膚の部分的な陥没を平らな皮膚にするために新しい傷をつけずに治す方法です。目頭切開や二重の切開法、水疱瘡やニキビのへこみなどで小さい凹凸があると、これは光の加減でかなり目立つものです。方法は針先で皮膚のへこみ直下を剥離して皮膚を浮き上がらせます。これでへこみは治りますが、そのままでは再度皮膚が陥没して、へこみが再発します。この再発を防止するために、剥離した皮下に微量の脂肪を注入しておきます。これで再度の陥没を防ぐことができます。
ただこれだけでは小さい凹凸が残る可能性がありますので、手術後3か月間、小さいテープをはってもらって、平坦な状態が固まるようにします。可能であれば、一日中ずっとこれを3か月間続けます。毎日洗顔などは可能ですが、それ以外の時間はずっとテープ固定を続けるようにします。3か月で完成です。
このテーピングが実際上無理という方もありますので、そういう場合は、後日さらに微調整、あるいは再度の追加手術が必要になることがありますが、在宅時のみこの圧迫固定を続けてもらうこともあります。この管理は手術の一部であり、きれいな結果を得るためにはとても大切なものです。実際の方法は手術後細かく指導します。実際の症例として、他院での目頭切開のあとのへこみが目立つ症例の修正例をお見せします。
手術前:皮膚に凹みのある状態
手術後
投稿者:megaclinic