院長ブログ

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2022.6.22アトピー体質

アトピー体質というのは本当にやっかいなものです。現在の医学では完治ということが難しいわけです。遺伝的な皮膚の疾患なので、家系に喘息の方やアトピー性皮膚炎の方が混じることが多いと思います。病気の根本的な反応は同じことで、要するに激しい炎症が止まらないということになり、これが肺で起きれば喘息、皮膚で起きればアトピーということになります。治療はステロイド軟こうや内服剤としてのステロイドを使用すればかなり楽になります。ただこれをずっと使用すると、副腎機能が低下したり、皮膚の真菌感染、倦怠感、脱毛、皮膚の萎縮、骨の老化などが進行することになります。つまりある程度の改善が得られた後はステロイド以外の薬を使っていい状態を保つ必要があります。基本的には保湿が大切になります。ヒルドイド軟膏やプロペトなどが使われることが多いと思います。また内服薬としては私はリザベンを好んで処方しています。かゆみが激しい時は抗ヒスタミン剤やステロイドの内服などもやむを得ないことと思います。またわりにどういう状況が起きると皮膚が悪化するかを経験的に各自知っておられる方も多いように思います。私が京大病院の研修医だったころ、皮膚科でアトピーの患者さんの担当になったことがあります。この方はカレーライスを食べると絶対に皮膚が悪化すると言われたので、私の指導医は私にこの患者さんと病院の前にあるレストランに行って、一緒にカレーを食べてくるように言われたことがあります。本当なのかどうかを確かめるためだったのでしょうが、この患者さんはとても嫌がっておられました。悪化すると言っているのに、、、と言われ、私は指導医と受け持った患者さんの板挟みというわけです。食事の後、やはり皮膚の状態が悪化したので、本当につらかったです。でもこのように原因になるものがあるケースも多いので、自分でどういう状況の時に悪化するかをよく考えて、これをさけて生活するという工夫も必要になると思います。また何事においても体力や健康状態が万全であるということは大切で、体調が悪い時は皮膚の状態もよくないことが多くなります。アトピーは将来は完治する病気になると思いますが、現状は付き合って生きていく必要がある病気です。すこしでも皮膚のいい状態を保って快適な生活を送ってもらいたいです。

投稿者: メガクリニック

2022.6.15ハイフによるやけど

最近あるクリニックでハイフによるやけどの事故がありました。ハイフは上手につかえば、引きしめや多少のリフト効果のある治療ですが、皮下に神経がある部位などでは神経損傷が起きて麻痺が出たりする可能性がある治療です。また出力が強すぎると皮膚にやけどが起こります。治療中も多少痛みがあるという方法ですが、簡単に言うと皮下にやけどを起こすような治療なので、組織の収縮力が強いわけです。問題の起きたクリニックではこの痛みを楽にしようとして、患者さんを点滴で寝かせて、痛みがわからない間にハイフによる治療を行ったようです。このため、意識がある状態であれば、万一担当者が出力を間違えて、出力が強すぎるようなことがあっても、患者さんが痛みを伝えてくれるはずなので、やけどをするようなことはないと思います。しかしこのトラブルのケースでは患者さんが痛みがわからないような状態で治療を行った結果、治療部位の広範なやけどがおきてしまったようです。ハイフの治療は静脈麻酔などを使わないほうが安全だと思います。

投稿者: メガクリニック

2022.6.8法令線の対策

法令線ってわりに加齢によって目立つものですよね。体重が急に減ったような場合も、この部分が目立ってくることがあります。やつれたように見えたり、実際に老けて見えたり、困った問題です。美容外科では法令線のこういう問題に対する対策があります。状態によっていくつもの方法があるわけですが、簡単なものはヒアルロン酸やレディエッセの注射です。いずれも吸収性のものなので、半年から1年くらいで元の状態にもどることになりますが、注入後20分程度で洗顔も化粧も可能なので、あとの管理がいらないという点でとても楽な方法です。ただまれに内出血が出ることがありますので、この点は化粧で隠すなどの手間がかかるかもしれません。内出血は出ても1週間から10日程度の問題ですが、、。ヒアルロン酸やレディエッセよりもしっかり膨らませたいという場合は脂肪の注入が最適です。これは法令線の中にじん帯があって、この部分がふくれにくいわけです。顔の皮膚が垂れ下がってしまわないように皮下で細かい木の根のように骨から皮膚にいくつも髪の毛のようなじん帯がつながっていて、これにより顔の皮膚が垂れ下がらないようになっています。この部分が膨れにくいわけですが、ヒアルロン酸やレディエッセなどは注入する針がかなり細いものなので、皮膚がふくれにくい原因であるこのじん帯を針でゆるめて膨れやすい状態にするための処理ができません。一方脂肪注入の際に使用する針はもうすこし太いので、皮膚が膨れにくい部分を見つけて、この皮下にあるじん帯を少しだけ緩めることができます。この操作によりより十分なふくれみが得られて若い印象を作ることができるわけです。翌日の朝まで法令線にテープをはってもらう必要がありますが、翌日からテープは不要で、化粧も洗顔も入浴も可能になります。また採取部は腹部や大腿を使用することが多いのですが、この部分は翌日から入浴は可能ですが、それ以外の間は1週間ほど包帯などで圧迫が必要になります。一度生着した脂肪は一生残りますので、ヒアルロン酸やレディエッセなどのように定期的な補充がいらないというのが最大のメリットです。

法令線の状態によってはフェイスリフトでほほのたるみをもちあげて、これと脂肪の注入を併用するのがもっとも若返りの効果が強く出るというケースもあります。これは診察をして、ベストの対策を相談するということができます。大体以上のようにヒアルロン酸、レディエッセ、脂肪などの注入、あるいはこれらとフェイスリフトの併用などがよく使用される方法です。プロテーゼを入れるという方法もありますが、ほとんどのケースで将来加齢により皮膚や皮下脂肪が薄くなってくるとプロテーゼの段差が浮き出てくることになり、この修正が将来必要になることが面倒な問題と思っています。私のクリニックではこういう理由で、法令線の対策としてプロテーゼは使っていません。

投稿者: メガクリニック

2022.6.6ボトックスの小顔効果

もう一つボトックスで人気のある治療方法があります。それが小顔効果と言われるものです。特にエラの部分の筋肉(咬筋)にボトックスを打つとエラの部分の出っ張りが小さくなり顔がその分小さくなります。特に咬筋肥大というエラの筋肉にかなりの厚みがある方もあって、こういうケースでは顔がかなり小さくなります。ただ50歳以上などの方ではたるみが出ることが多くなりますので、若い方にお勧めの方法ということになります。四角い顔の方は骨が出ているか、顔に加齢によるたるみがあるか、皮下脂肪が多いか、筋肉の厚みがかなりあるか、これらが複合的な問題を作っているか、などが原因になります。どの場合も咬筋はある程度の厚みがありますので、ここにボトックスを打つと筋肉の厚みが減ることにより、顔がその分小さくなります。特に咬筋に厚みがない方でも一定の効果は期待できます。最大限顔を小さくということになると、一番原因になっているものに手を付ける必要があるのは当然ですが、簡単にということになるとボトックスも対策の一つとして検討していいように思っています。

投稿者: メガクリニック

2022.6.5ボトックスを上手に使うと

ISAPS( 国際美容外科学会 )では毎年世界の美容外科でどういう治療が行われているのかという統計調査を行っています。この中で近年あきらかな増加傾向にあるものは非手術による治療です。手術まではしたくないが、簡単にきれいになったり、若返ることができるのなら、人気が出るのは当然ですね。特に目を引くものはヒアルロン酸などの注射によるしわ対策とボトックス治療です。中でもボトックスの人気はすごいと思います。世界中のいろいろの医師がこういう使用方法でいい結果が出るなど、次々に新しい治療方法や試みを発表しています。中でもいい結果が出ているなあと感心するものは目の周囲への使用と口角を上げるもの、額や首のしわ、などの対策です。基本的にある程度の加齢が起きると皮膚の弾力、厚みが減ってくるので、同じ程度の筋力が続くと、結果としてしわが深くなり目立ってきます。それならという方法が筋力をすこし弱めるという考え方です。目じりであれば、笑った時に出る深いしわの原因である眼輪筋の収縮力をボトックスで低下させると、相対的に皮膚に厚みがあるような状態になります。筋肉が強く収縮できないので、結果として皮膚にはりがあるように見えるわけです。大笑いをしても浅いしわしか出ないというわけです。またまぶたの周囲のこじわも同じようなことになり、改善します。眉間のしわもボトックスできれいになくなるのはよく知られた効果です。額については注意が必要で、たくさんある深いしわにボトックスを使うと眉が下がり、これがひどく出ると目つきも悪くなります。また上のほうが見にくい状態になり、にらんでいるような目つきになってしまうことがあります。額だけは浅いしわにしか適応がありません。額の深いしわにはヒアルロン酸を入れるか、額のリフトが安全です。あるいは少量のボトックスを使用して、それで残るしわにヒアルロン酸を併用するなどの方法が安全です。他には口角を上げるために口角の下にボトックスを打つと口角が上がります。特に笑った時には口角はよく上がるので、うれしそうに笑っているという表情にできます。また首のしわも気になる方が多いようですが、これも水平方向に出ているしわを伸ばす効果もありますし、七面鳥のように縦方向に下がっているたるみも、実際には皮膚の問題ではなく皮下の広頚筋の問題なので、この筋肉の収縮を弱めると、完全に平坦にはなりませんが、多くの場合、かなりの改善が期待できると思います。とにかくボトックスはあれこれ人気のある治療方法になってきました。ただ国内では中国製などのとても安いものが出回っていますが、あくまでも血液製剤なので、確実なチェックの入っているアラガン社のものが安全です。費用は他のものよりずっと高いと思いますが、安くて危険なものは絶対に使わないことです。

 

投稿者: メガクリニック

2022.6.5金の糸ーその2

私のクリニックで他院で入れた金の糸の除去を希望されている患者さんがあり、この糸による合併症や治療方法についていろいろ調べる必要があり、文献の調査をしていました。国内でもいろいろ合併症の報告があります。いくつかの論文や学会報告が出ていますが、この物質は髪の毛ほどの細い糸を顔に埋め込むということになるわけですが、不純物が必ず含まれていること、金の糸と不純物の一部が溶けて周囲に拡散していること、溶けたものがリンパや血管内に入ると全身に回ること、MRI検査やなんらかの手術の止血操作などにより皮膚にやけどを起こす可能性があること、溶け出た金の糸や不純物により肉芽種というしこりや凹凸ができたり、これがさらに異物肉芽種というできものやしこりになって凹凸ができたり、皮膚の変色、硬化などが起きることがあること、できたしこりに石灰化が起こることがあること、手術で除去しようとしても金の糸がちぎれて一部しか除去できないこと、金の糸が元の位置から移動してしまうこともあること、などの問題が報告されています。どの論文にも不純物が混じっていて、これが溶けて体内で拡散している以上、将来発がんを含めて何がおきるかわからないという意見が記載されています。やはり心配していたようにフェイスリフトのように皮膚を剥離して、中をあけて糸を探しても簡単にちぎれたり、引っ掛かりがあるので、金の糸は一部しか除去できないということのようです。私のクリニックに来院された患者さんには残念ながらすべての糸の除去は不可能ですということと、将来なにか問題が出ないか、定期検診をおすすめしますというような回答になると思います。あきらかな問題が出てくれば、状態に応じて、ベストの対策を相談するということになりそうです。もともと国が認可した医療用のものではありません。輸入の際には医療用とは言わずに輸入して、国内で医療用として販売した業者があるわけです。こういう違法なものを使用して後遺症で悩んでいる方がおられるというのはなんともつらい話です。

投稿者: メガクリニック

2022.6.4アクアミドの害

最近顔にアクアミドを注入してしこりができたという患者さんが来院されました。まだこういう危険なものを注入しているクリニックがあるということは本当にびっくりします。アクアミドは非吸収性の物質で豊胸用のアクアフィリングなどと言われているものと本質的に同じ物質です。体内で拡散したり移動したり、血液やリンパに入ることもあり、こうなると全身にも拡散します。肝臓や腎臓、脾臓、肺などにも当然微量は飛び散っているわけです。これが長期的にどういう問題を起こすかよくわかっていません。現状で合併症として報告されているものはしこり、凹凸、痛み、皮膚の変色、皮膚壊死、アクアミドの移動による他の部位の膨隆などです。時間と共に次第に移動量も多くなり、拡散も起こることになるので、もし最近入れたことがある方は早期に可能な範囲で最大限の除去が望ましいと思います。そのためにはニードルサクションや切除などによる除去が必要と思います。注入から数週間以内くらいであれば、ある程度の量は吸引という方法でも出せる可能性はあると思います。

投稿者: メガクリニック

2022.5.30国際美容外科学会で医師の学会参加に制限がある理由

国際美容外科学会(ISAPS)では2年ごとにある国際学会総会をはじめ、一年に20-30回程度世界中で2-3日の日程で開催される講習会(コース)などには医師ならだれでも参加できるわけではありません。各国の形成外科学会の専門医資格を取っている必要があります。皮膚科医や耳鼻科医、あるいは研修医などは参加できないわけです。これには理由があります。つまり皮膚科医や耳鼻科医などで、形成外科の基本を学んでいない医師が学会に出て、この手術はできそうだからやってみようというようなことになると、これで患者さんに合併症が起きたりする心配があるためです。実際にこういう問題が過去に多発したことがあります。勉強したい医師なら学会に出てもらっていいのではないかという議論がありましたが、実際に脂肪吸引などを皮膚科医や耳鼻科医など、形成外科の基本を勉強していない医師が行ったことで、患者さんが亡くなられたり、ひどい凹凸や癒着ができて、修正が不可能だったり、多くの問題が世界中でおきたわけです。フェイスリフトなどでも上手な医師の手術をビデオなどで見ていると、とても簡単にやっているように見えてしまうのです。これならできそうと経験のない医師に思ってもらうような機会は与えないほうがいいということになって、ずいぶん前から国際美容外科学会のあらゆる学会、講習会で、参加したい医師の資格を確認するようになっています。こういう理由があって、医師ならだれでも学会に参加できるわけではないという状況があるわけです。

 

投稿者: メガクリニック

2022.5.22南米での美容外科事情

私が国際美容外科学会(ISAPS)の会長をしていた時に理事会で何年か続いた議案の一つはこの国際学会の会員になるための資格の変更ということでした。現在でも国際美容外科学会の会員になるためには、各国の形成外科学会の形成外科専門医資格をとっていることと美容外科学会の専門医資格があること、さらにその国内の会員2名の推薦があることなどが条件になっています。つまり皮膚科医や耳鼻科医などはこの国際美容外科学会の会員になれないのです。現在はたとえば美容皮膚科などもとてもさかんになっていて、私たち国際美容外科学会の会員はたびたび美容皮膚科医や皮膚科医を招待して、優秀な医師たちに講演をしてもらって、かれらから学ぶということも多いわけです。

そこでそれなら皮膚科医や耳鼻科医などで各国学会の専門医資格をとっているような優秀な医師であれば、私たちの会員になれるようにしてはどうかという問題があったわけです。そうすればそれぞれの専門分野がいろいろなので、学会での議論もレベルの高いものになるはずです。そういう議論がずっと何年か国際学会の理事会で続けられていたわけです。私が会長をしていた時にこの変更案が理事会で通って、それ以後皮膚科医や耳鼻科医なども会員になれるようにしたいという案を会長の私の名前で世界の会員に通知しました。その後特に南米から高柳は何を言っているのだというような激しい反対意見があちこちから聞こえてきました。もちろん理事会には南米の医師も2名入っていたのですが、彼らからはこういう意見は出たことがなかったのです。問題は南米では多くの皮膚科医が脂肪吸引や豊胸手術、フェイスリフトなどをしていて死亡例を含んでトラブルが多発しているということなのです。つまり形成外科のトレーニングを全く受けずにビデオを見たくらいで手術をしている医師が多いというのです。皮膚科医として働くより、美容外科医として働くほうが収入になるということが背景にあるようです。こういう医師が多いので、これらのレベルの低い、問題のある医師を会員にしてどうするのだという激しい怒りでした。結局この案は南米からの多くの反対意見があり、ボツになったわけです。この案にはヨーロッパやアジア、北米などは賛成意見が多かったのですが、地球のあちこちでいろいろ美容外科を取り巻く事情が違っているのだなあと教えられた騒ぎでした。

投稿者: メガクリニック

2022.5.16私が開発した手術

私が世界で初めて開発した手術がいくつかあります。また日本で最初に行った手術もいくつかありますので、ちょっと書いておきたいと思います。私が世界で初めて開発した手術の一つは前鋸筋を使った手術です。ずいぶん以前の話になりますが、当時形成外科では筋肉はメスを入れると機能障害が起きるので、アンタッチャブルと言われていました。でもあるがん患者さんがあって、前鋸筋をガンのため切除する必要があったわけです。手術前には前鋸筋を切除するので、その患者さんには腕が水平くらいまでにしか上がらなくなると思いますと説明をしていたわけです。ところがガンの切除後、普通に腕が上がるのです。これで従来言われていた学説のようなものが正しくないということがわかったわけです。その後京都大学の解剖学教室の教授に頼み込んで、死体を使った研究をさせてもらいました。その結果、前鋸筋と皮膚を移植材料として使用できること、前鋸筋を引っ付けて使うと肋骨が血流のあるまま移植できること、この筋肉を神経も一緒に移植することで筋肉の動きの再建ができること、などが明らかになり、実際に患者さんでの手術の成功例なども経験して、世界初の手術術式として国際医学誌に論文で発表をしました。これ以外には乳がん後の乳房再建の組織の血流を確実なものにするためのスーパーチャージ法という手術方法も世界で最初に開発し、これはアメリカの医学誌に発表しています。また乳房の乳輪乳頭の位置の左右差を修正するために乳輪乳頭を移動する方法も国際美容外科学会の医学誌に世界最初の方法として発表しています。さらに日本で最初に私が行った手術としては身長を高くするための下肢延長手術、二分脊椎症のお尻の知覚の感覚がない人に対する知覚再建、肩甲骨部分の皮膚を1本の動脈静脈で移植のできるスカプラーフラップ法などは日本での最初の手術成功例として、学会や日本の医学誌に発表しています。脂肪注入や成長因子を入れたあとのしこりや異常なふくれなどの治療として開発したニードルサクションについてはもうすぐ論文として発表する予定です。

投稿者: メガクリニック

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