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ローマでの出来事について
国際美容外科学会(ISAPS)の仕事で本当に世界の多くの国を訪問してきました。とても楽しい思い出が多いわけですが、一度だけ少しこわい思いをしたことがあります。やはり心配なのは治安で、犯罪にあうようなことがないかどうかはいつも心配なことです。今回のコロンビアでもあまり治安がよくないという話もあって、空港に到着した時はできれば貧乏に見えるくらいの服装が安全だとか、いろいろの話がありますよね。コロンビアは今回で3回訪問したことになりますが、一度もこわい目にはあっていません。学会そのものがわりに安全な場所を選んでもらっているということも一因かもしれません。
例えばブラジルの学会などの場合は、毎回ビーチのどこかだったわけですが、いつも言われていたことは早朝や日没後は絶対にビーチには行ってはいけないということです。やはり人があまりいないビーチは危険なようです。昼間はビーチは人が多いのですが、こういう時も、貴重品はビーチには持って行ってはいけないのは当然ですよね。泳いでいる間にこの貴重品を誰かが砂で隠してしまって、これが行方不明になって、持ち主があきらめて立ち去ってから砂を掘りおこして、持ち去るという手口もあるそうです。
私が人生で一度だけこわい目にあったのは実はローマです。大体人通りが多い場所は安全という頭があったのですが、大きい通りを歩いていた時に問題が起こりました。周りには多くの人が歩いていて、そんな場所では犯罪は起こらないと思っていたのです。また悪いことをするのは大人という油断があったのも事実です。私の後ろを5−6人の子供たちが騒ぎながら歩いていたのはわかっていました。小さい子供たちなので、楽しい話でもしているのかなあと思ったりしながら歩いていたわけです。
すると突然同時に左右で別々の子供が私の腕をしっかりつかんだのです。それと同時にまた別の子が後ろから私のズボンの両方のポケットに手を入れて、財布をつかもうとしたのです。これが全く同時に起きたのです。一瞬のことで何が起きたかわかりませんでした。幸いポケットが深くて、財布は無事だったのですが、この直後すぐに5−6人の子供たちはそれぞれ別の方向に走って逃げていきました。もし財布を盗めた場合、どの子が財布を持っているのかわからないというとても上手に訓練された子供たちに見えました。イタリアは本当にいろいろの手口で悪いことをする人がいるようです。あまり高額の現金を持ち歩かないというのが一番安全な対策なのでしょうね。悪いことをする子供もいるのだというのはなんともショックな出来事でした。
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学会最終日のディナーダンス
やはりコロンビアというか、踊るのが大好きな国ですよね。学会最終日のディナーもダンス、ダンスでとにかく皆さん踊っていました。よく学び、よく遊べという感じがいつもします。昼間は学会でしっかり勉強していますが、夜になると、もう全力で歌って踊って、皆さん人生を楽しんでおられました。
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ファカルティーの紹介、その2
世界で美しい手術や治療をされている医師はかなり多いわけですが、コロンビアではそういう医師たちが世界中から集まっていましたので、私の親しい友人たちをさらに紹介しておきたいと思います。
- サングアンクナポーン(タイ)性転換手術ではアジアのトップと思います。
- ムスタファハムディ(ベルギー)乳がんの乳房再建でとても有名です。
- オヌールエロール(トルコ)鼻の手術方法をいくつも開発されました。
- ミシェルルイフ(フランス)脂肪吸引、注入などできれいな手術をされます。
- バーマンガユロン(米国)ISAPS医学誌の前チーフエディター。専門は鼻です。
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ISAPSコロンビアのファカルティーの一部の紹介
国際美容外科学会(IASPS)では毎回学会が指名した医師たちに講演やライブ手術、座長などを担当してもらっています。この医師たちはファカルティー(講師陣)と呼ばれていて、今回の学会では約200人ほどが入っていました。今回は日本からは私と博多の矢永先生が入っていました。日本からたった二人というのは過去最低の人数で本当に残念なことです。
ファカルティーの医師たちはほとんどの医師たちが今までに世界のどこかで一緒に何回も講演をしたり、ライブ手術を担当したり、座長でいしょに登壇したりしているので、仲のいい友人たちばかりです。もちろん多少全く新しい医師たちも入っているわけですが、、。
そのうちの世界でとても有名な医師たちをすこしだけ紹介したおきたいと思います。
- リナトリアナ会長(コロンビア)。
- アルトロモンタナーナ次期会長(メキシコ)。
- オザンソーザ(米国)今回の学会のプログラムチェアを担当。
- カイシュロードラフ(スイス)ナノファット、マイクログラフトなどで有名です。
- ティモシーマーティン(米国)白人のフェイスリフトではアメリカでは、トップと思います。
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白い服装できてくださいという夕食会
外国の学会では服装のルールを作って学会の夕食会を開催されることが多いと思います。よくあるタイプはブラックタイオプショナルというタイプで、いわば正装ということです。男性は黒のタキシードにブラックタイなどや黒っぽい背広にネクタイなどが必要になります。その他アメリカなどの学会などでは時期によってはハロウィンパーティーなどの時があり、自由にどんな姿で参加でもいいですというのも2回ほど経験しています。あるいはまれに、参加される皆さんの国の衣装でお願いしますなどもありました。
今回のコロンビアの学会では2回夕食会があり、そのうちの1回は白いカジュアルな服装でどうぞという夕食会がありました。コロンビアの方は白い服が好みなのでしょうか?事情はよくわかりませんが、皆さん真っ白で統一されていて、これはこれでなかなか美しい夕食会でした。音楽はやはりサルサで一晩中、楽しい音楽を聞きながら、一部の人はダンスに夢中になって楽しんでおられました。まさによく学び、よく遊べという感じです。
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眼瞼のパネル
今回のISAPSコロンビアでは私は眼瞼ばかりが担当になっています。また次の眼瞼のパネルディスカッションがありました。このパネルでは主に上まぶたと下まぶたのへこみの対策、特にフィラー、脂肪注入、脂肪移植、再生医療、またこれらとレーザの併用やリフト手術をどのように併用するか、などが集中的にディスカッションされました。みなさんいろいろの工夫をされていて、充実した中身の濃いパネルでした。一つだけとても興味深い方法が発表されていて、とてもいい方表だと思いますので、日本に帰ってからもこの治療方法を始めたいと思います。
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サンフランシスコの話
国際学会に出席すると、世界中の友人に会うことができます。理事会に12年も入っていましたので、この間、理事たちは全員世界のあちこちの学会に講演や現地での教育のための手術担当などで働いているわけです。一年のうちにISAPSの講習会だけでも世界中で20回くらい開催されていて、特に私が副会長や会長になった時はほぼ月に1回くらいの頻度でどこかの国に行って講演や手術を担当していたわけです。このようなことでISAPSは世界中で家族同然の友人がたくさんできてしまうことになります。
アメリカにもたくさんの友人がいますので、コロンビアでも多くの医師に会えて楽しんでいます。このアメリカの友人たちの話でよく出てくる話がサンフランシスコのことです。みなさん口をそろえて、サンフランシスコは危険な街になったというのです。どうもバイデン大統領が移民や難民などを簡単に米国に入れ過ぎたという話で、どういう理由かよくわかりませんが、サンフランシスコだけが突出して危ない街になってしまったそうです。
私にはアメリカには来てもいいが、サンフランシスコだけはダメだとか、アメリカ形成外科学会もアメリカ美容外科学会も今後いつまでなのかわかりませんが、学会の開催地としてサンフランシスコは選択しないことになっているのだそうです。
そんなに危ない街になってしまったのですねえ。美しい、大好きなところだったのに、、、。いろいろ聞いてみると、ニューヨークやサンディエゴ、シカゴ、などほかの街は特に大きな変化はないそうです。なぜサンフランシスコだけが急変したのでしょうね。気候が温暖なので家がない人も外で生きていけそうだからじゃないかという意見もありましたが、なんともつらい話です、、、、。
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プレジデントランチ
国際美容外科学会では毎回会長経験者と現会長、次期会長の昼食会というのが開催されています。目的としては今までに会長を経験した医師たちと今回の学会以後2年間会長になる次期会長がいろいろの問題や経験を話し合うということです。現在国際美容外科学会は世界に約7千人の会員がいるという世界最大の美容外科と形成外科の分野の学会で、このような大きい学会を動かす人たちはそれなりにいろいろの意見やアイデアがある方々ばかりです。人間的にも本当に魅力的な人が多く、2時間半のランチを食べながらの会議でしたが、あっという間に終わってしまったという感じがします。昼食会はカルタヘナでは一番有名なミシュランをとっているレストランで、美しいカリブ海を見ながら美味しい食事とワインを楽しみました。写真はレストランのベランダでカリブ海をバックに撮影した会長たちです。私のとなりからサラ事務局長(イギリス)、ナジムセルクス(トルコ)、リナトリアナ(コロンビア)、フォアドナハイ(アメリカ)、レナートサルツ(アメリカ)、アルトロモンタナーナ次期会長(メキシコ)です。
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国際美容外科学会(ISAPS)論文審査委員会
国際美容外科学会(ISAPS)はAesthetic Plastic Surgery という医学誌を発行しています。美容外科の分野では世界で最も権威のある医学誌と評価されています。この医学誌に投稿された論文はそれぞれの論文について3−4人の審査委員(Editorial Board Member)が評価を行っています。この審査はボランティアで行われていて、一度引き受けると2週間以内にアクセプトかリジェクトか修正が必要か、などを判断して、疑問点、詳細な説明が必要な部分の指摘、訂正が必要と思われる部分などを細かく評価しています。修正の場合は、再提出された同じ論文を同じ審査委員が再度評価するということになっていて、かなり忙しい仕事になっています。私の場合は月に2−3件の論文の審査を担当しています。
論文の審査委員会には世界で300人くらいの医師が入っています。審査委員は美容外科、形成外科領域の世界のトップの医師が入っていて、委員の名前はこの医学誌に載っていますので、ある意味名誉職でもあるわけです。この論文の審査委員会の会議が2年ごとの国際学会の開催に合わせて開かれています。今回の主な議題は論文のアクセプトが多すぎる委員とリジェクトが多すぎる委員のバランスをどう取るかとか、例えば鼻や眼瞼などのチーム分けの問題、委員の世界の地理的バランスの問題、人種によっって手術内容が異なる場合があり、このような論文をどのように振り分けるかなど、いろいろ問題もあるわけです。
今回の論文審査委員会の写真を出しておきます。女性はリナトリアナ会長(コロンビア)、男性はリープーチーフエディター(カリフォルニア大学形成外科教授)と委員会の会議と会議終了後の集合写真です。
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患者安全委員会
国際美容外科学会(ISAPS)の学会が始まりました。初日の朝の7時半から、早速委員会の会議です。
ISAPSには20くらいの委員会があります。私は現在二つのコミッティーに所属しています。その一つが患者安全委員会、Patients Safety Committeeです。メンバーは世界中から10人ほどが選ばれています。
1時間半の会議でしたが、主な議題の一つは、豊胸のために非吸収性の注入物を使用する医師がまだかなりあることです。簡単な方法に見えますが、後遺症が多発していて、これを完全に治す方法がありません。
委員会のアクションとしては
「世界中の医師にこの治療は、ISAPSとして容認てきないことをアナウンスする」
「一般の患者さんには有害な治療であり、受けてはいけない方法である」
この2点ををメディアを通じて知らせることです。
また、脂肪吸引で亡くなる患者さんが多いのも深刻な問題です。これは医師の知識と技術の問題なのですが、ISAPSとしてどのように対策を取るかについては、国によって法律の問題などがあり、継続審議になっています。
さらに日本では、
「成長因子の注入による後遺症の問題」
「無資格のカウンセラーによる治療方針の誘導」
「初診の日に急いで手術をしてしまう」などの問題も話しました。
この問題については、法律で取り締まるべきという意見が多く、委員会でさらに案を相談して、理事会経由で厚生労働省に意見を送るという方針になりました。
写真は、委員会に出席したメンバー全員です。
投稿者:megaclinic