院長ブログ
脂肪注入とインプラントを併用する豊胸術
インプラントによる豊胸手術のメリットはご希望のサイズのバストが得られるということです。ただこの場合、自然なバストの感触に仕上げるためには、インプラントの上にある程度の量の乳腺と皮下脂肪が必要です。また時には皮膚が極端には伸展しないという状態が必要なこともあります。要するにインプラントの上に厚みのある組織があれば、インプラントの感触がわかりにくいわけです。またその分流動性も得られます。乳腺量や皮下脂肪の量が不足する方の場合は、インプラントを入れて、さらに皮下脂肪には脂肪注入を追加することで自然な感触のバストに仕上げることができます。状態によっては脂肪注入を2回行って多量に脂肪を入れたほうがいい結果が得られる方もあります。一人ずつの状況が異なるわけですが、脂肪注入とインプラントの併用によりきれいなバストのラインと自然な感触が得られる方があります。
投稿者:megaclinic
小鼻縮小について
日本人の場合、小鼻の幅が目立つという方も多いように思います。いくつか方法がありますが、基本的に鼻の穴を小さくしてもいいのかどうかという点が問題になります。鼻呼吸という問題があり、鼻の穴は小さいのに、小鼻のカーブが大きく、鼻の幅が大きくて目立つという気の毒なケースもあります。このような場合は鼻の穴の大きさを変化させずに小鼻の溝に沿って皮膚を切除することで小鼻のカーブを小さくして幅を狭くすることができます。キズは小鼻の溝に沿ったキズになるので、最終的には溝のしわか傷かわかりにくいという状態になり、目立つことはありません。最初の数か月は化粧で赤みを隠す必要があるかもしれません。鼻の穴が大きくて、小鼻の幅も目立つということが多いのですが、この場合は鼻の穴の中の皮膚も切除して、小鼻の幅を狭くできます。鼻の穴も当然小さくなります。この手術は上記の溝での皮膚切除を併用することも可能で、患者さんの状態によって対策が異なってきます。どれくらいの幅に仕上げるかということもご希望を聞いて調整が可能です。なお、皮膚を切開せずに糸を入れて、これを縛るだけで小鼻を狭くするという方法を行っているクリニックがあるようですが、これは最初の数週間くらいは幅が狭くなりますが、以後は糸が内部の組織を切ってしまい、すぐに緩んでくるので、1か月後くらいには完全に元に戻ります。この方法は全く効果がないということはわかっていますので、詐欺のような手術をしているクリニックがあるのは残念なことです。
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豊胸についての考え
バストについての悩みも実はかなり多いものです。単純にバストが小さいという悩みもありますが、左右でかなり形やサイズが異なるとか、下垂や逆に大きすぎて困っているような方もあります。大きすぎる場合は乳房縮小術という方法があり、ご希望のサイズ程度に小さくして、同時に下垂を修正する方法があります。下垂に対しても豊胸によって下垂した印象を消す方法もありますし、バストのボリュームそのものは変更せずに下垂だけを修正する方法もあります。最も多いタイプの手術はいわゆる豊胸です。バストを大きくしたいというものですが、歴史的になんらかの注入物を使用してサイズを大きくするという方法は悲惨な結果に終わっています。今後も注射でなんらかのものを入れるという方法は危険なことが多いと思います。現在までにパラフィン、流動シリコン、オルガノーゲン、アクアフィリング、血液豊胸、ヒアルロン酸など多くの方法が行われています。液状のものを注射することによる危険性は血管やリンパの中に入った場合、これがバストの他の部位に流れるということです。肺まで移動してここで詰まってしまうと肺塞栓と言って呼吸ができなくなることがあります。過去に手術中に日本でも何人もの方が亡くなられていますが、この事故によるものです。他の深刻な問題は液状のものなので、手術後長期の経過後に注入物が移動することがあるということです。背中までカチカチになってしまった方や最近ではアクアフィリングが腹部に移動してバストが合計4つあるような異常な形になって修正を求めて来院された方もあります。血液豊胸というような方法は要するに成長因子を入れて脂肪を増大させるという方法なので、しこりができたり、痛みが出たり、凹凸になったり、変色が起きたなどの問題で、修正手術を求めて当院に来院されている方も何人もあります。現状では安全な豊胸手術はやはり歴史的な評価ができているインプラントによる方法か脂肪注入によるものか、これらの併用という3つのタイプが確実にバストを大きくできる方法と思います。
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まぶたをぱっちりさせるために
黒目がどれくらいぱっちり見えているかという問題は加齢に関係していることが多いと思います。これは加齢によって、次第にまぶたを持ち上げている眼瞼挙筋という筋肉が弱くなるために起きる現象です。おばあさんやおじいさんで眼がぱっちり大きい方はありません。挙筋の筋力低下は必ずだれにでも起きてきます。これを回復させる方法が挙筋前転とか、挙筋短縮などと言われる手術です。上まぶたの中で挙筋が付着している瞼板という軟骨とすこしその上側の挙筋に糸をかけてたぐり寄せるように縫合をすると、ゆるんだゴムも短くすると強くなるのと同じように筋力が上がります。これによって目がぱっちり開くことになります。ただこれをやりすぎると目が閉じなくなり、眼球が乾燥すると眼球にキズがついて、視力が低下することになります。この調整は手術中に何回も仮縫合をして、目をあけてもらったり、閉じたりして、調整を行う必要があります。またこの際に軟骨には3-4か所で糸をかけて引き上げることになるので、それぞれの糸の位置を調整して、まぶたの形がきれいになるように調整しておかないと、三角目などの不自然なまぶたの形になってしまいます。
もう一つの問題はまぶたにたるみがある場合です。二重のラインを切開して行う手術ですが、二重のラインで皮膚を切除すると、分厚い皮膚が二重のラインのすぐ上に来ることになり、腫れぼったいまぶたに仕上がります。また人によっては怖い目つきになることもあります。これを防ぐ方法は眉下切除です。したがって、挙筋前転だけを行っていいのか、眉下切除を併用したほうがいいのか、手術前に詳しく相談をする必要があります。
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PRP(多血小板血漿療法)の経験
ずいぶん以前になりますが、PRPがしわやたるみの改善のために有効というようなメーカーの広告があり、学会の展示などでもそのような話を聞いたので、この関係の器械を一式購入しようかと思ったことがあります。PRPは多血小板血漿療法と言われているもので、血液から血小板を分離してこれを治療に使用する方法です。ただ本当に効果があるのかどうかについて学会発表を聞いていても長期経過の報告がなく、疑問に感じていたので、購入するかどうかを決めるのにメーカーの方に直接クリニックに来てもらって、方法の指導を受けながら、当院のスタッフ二人に大変申し訳ないが、片方の顔にだけ治療をして、経過をみたいと説明して治療を行ったことがあります。その結果、2-3週間後くらいの時期では片方の顔の小じわなどが改善されていて結果がいいのかなあと思っていましたが、1か月を過ぎる頃になると二人ともどちらの顔を治療したのか全くわからない状態になってしまいました。この結果を見て、効果がないと判断した私はこの器械の購入をやめたわけです。メーカーが言うには、この治療はできれば毎月続けてくださいというようなことでしたが、この治療は注入の際に何か所も針をたくさん刺すことになるので、これにより腫れが出てしまうわけです。この腫れにより数週間は小じわなどはなくなります。つまり顔をなぐられたりすれば、顔は腫れますよね。腫れていれば、小じわはなくなります。つまり小じわが改善したのは針で顔を何回も刺したために腫れたのではないかという疑問があるわけです。そうなると毎月針を顔に刺すだけで、PRPを注入しなくてもこじわがなくなった状態を維持できることになります。これでは学問的証拠になりません。そういう理由で当院ではPRPの治療の導入を断念したわけです。多分同じような経験を持った医師が多くおられて、その中にPRPに成長因子をまぜると注入部位がかなりふくれてくるので、しわやへこみの改善に使用するという方法を思いつけれたのではないかという気がします。成長因子を入れる方法は脂肪が膨れるわけですが、このコントロールができないので、膨れ過ぎたり、しこりや凹凸ができた場合に簡単には治らないという深刻な問題が出てきたのだと思います。
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大阪に帰ってくるオペラ座の怪人
劇団四季のオペラ座の怪人がまた大阪に帰ってきます。もううれしくてたまりません。3月から開始のようです。以前このブログのどこかでも書いたのですが、オペラ座の怪人は私の中でミュージカルの最高峰です。すべての歌が素晴らしいですよね。舞台も本当に美しくてバレーも素晴らしいです。最初に本が出版された時、あまりこの本は売れなかったそうです。でもこのミュージカルを見てから本を読むと、とても面白い本なのになあと思ってしまいます。実際にパリのオペラ座を見に行くと、このミュージカルを知っている人にとっては怪人の指定するボックス席とか怪人が住んでいた地下がどうなってるのだろうとか、興味深い劇場ですよねえ。もしパリに行かれることがあれば、ぜひこのミュージカルを見て、本も読んでから行かれると、こんな興奮する劇場はないです。
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論文の審査委員の仕事について
私自身は国際美容外科学会のオフィシャルの医学誌であるAesthetic Plastic Surgery とアメリカ美容外科学会の医学誌のAesthetic Surgery Journal と韓国美容外科学会の医学誌のArchive of Plastic Surgery の3つの医学誌の論文の審査委員をしています。どの医学誌にもチーフエディターの医師がおられて、この編集長が学会に投稿されてきた論文を審査委員に振り分けて、審査を依頼するわけです。いずれの医学誌もかなり世界的に有名な多くの医師が論文の審査の仕事をしています。多くの場合、一つの論文に3-4人の審査委員が担当にあたり、論文として医学誌に採用できるかどうかを判断するわけです。審査委員の仕事はボランティアになっていて、忙しい活動を無料奉仕でおこなっているわけです。すべての医学誌にそれぞれ活動してもらっている論文審査委員の名前が載りますので、その分野のリーダーとして自分の名前が載っていないと世界には認められていないというような感覚になるようなところもあるような気がします。私のところにも、どうしたら、この医学誌の論文審査委員に入れるのか、あるいは審査委員になれるように推薦してもらえないかというような問い合わせや依頼が時々来ます。こういう背景があるのでしょうねえ。
でも仕事はかなり忙しくて、特に国際美容外科学会は1か月の間に1-2編の論文を必ず送ってきますので、特にとても長い論文だったりするとえーっと思ってしまうこともあります。規則上、論文の審査をあまり断ることができません。また審査をひきうけた場合、2週間以内に完全受理、一部書き直し、かなりの部分の書き直し、拒否の4段階の判定を付けて回答することになります。英語ではaccept, need minor rivision, need major revision, rejectとなっているのですが、いずれの場合もたくさんのコメントを書いて返送するというルールになっています。2週間以内と制限のある中で多くのコメントを書くという作業も大変で、時には他の参考文献もたくさん読まないと回答できないようなこともあり、名誉ではあっても忙しい仕事です。本当に世界の審査委員の医師たちは頑張ってるなあと思います。でもこれがその医学誌のレベルを保つために必要なことで、医学の発展のためにもとても大切な仕事と思っています。
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体の中に成長因子、FGFを入れる問題について
最近の日本美容外科学会(JSAPS)や日本形成外科学会の調査で注入療法で一番合併症の多いものが成長因子、FGFを入れた際のトラブルであることが報告されています。成長因子は本来皮膚の潰瘍や褥瘡などに対して、パウダー状に体表に散布して肉芽を盛り上げて、骨を隠してこの上に植皮が可能な状態を作るなどのために使用されるものです。このメーカーである科研製薬は、成長因子を体内に注射する安全性は確立していないので、そのような使用はしないでくださいとアナウンスをしています。実際には血液豊胸とか、〇〇注射、プレミアムPRPなど、いろいろの名称で血小板などと混ぜて、成長因子を体内に注射をする治療がおこなわれているようです。また一部のクリニックではバストへの脂肪注入に成長因子を混ぜているところもあるようです。成長因子の体内への注入については安全性が確立しておらず、合併症としてはしこり、異常な盛り上がり、凹凸、痛み、皮膚の変色、赤みなど多くのトラブルが報告されていて、問題は治療方法として確実な方法がないということです。要するに成長因子の作用で脂肪が異常にふくらみ、時には激しい炎症を起こしたり、しこりや凹凸ができたり、痛みや変色などが起きるということがわかっています。このコントロールができないということと、何年たっても何かが刺激になって急に膨れてくることもあるわけです。従来ケナコルトの注射を何回も繰り返すとか脂肪溶解注射、ボトックス注射、切除などいろいろの方法が試みられてきましたが、確実に治療ができるという方法が見つかっていません。他に脂肪注入や吸収性の注入物などによる安全な方法がいくつもあるのに、なぜこのような危険な方法で治療をされているのか、私には理解ができません。当院でもこのトラブルに対していろいろの方法を試みてきましたが、最近は当院で開発したニードルサクションという方法を治療として行っています。まだ症例数が多くはないのですが、現状でかなり有望な治療方法と思っています。影響を受けた脂肪を体から出してしまうということが必要と考え、針で抵抗する脂肪を壊して吸引するという方法です。この方法であれば、切除のようにキズが残らないので、安心な方法と思っています。もうすこし多数の治療例を集めていずれ学会に報告する予定です。
投稿者:megaclinic
中国のワイナリー
中国にワイナリーがいくつかあることはあまり知られていません。私も中国でワイナリーにつれてもらうまでそのことを知りませんでした。
中国の形成外科学会や美容外科学会に何度も招待されたことがあり、国際美容外科学会の講習会もあちこちで何度も開催して、教育講演を担当したり、手術指導のためのライブの手術をしたりしていたのですが、時々懇親会で共産党幹部用とか言っていましたが、とてもおいしい赤ワインを飲んだことがあります。
Great Wall と言われるワインの一番上のランクのワインだそうです。中国でほぼ飲まれてなくなるようなので、外国への輸出はしていないそうです。これがかなりのレベルでおいしいのです。一度ウルムチで中国形成外科学会が開催されたことがあり、この時に中国形成外科学会の会長がせっかくウルムチのような遠いところまで講演に来てもらったので、ワイナリーに案内したいと言って車でつれてくれたことがあります。
街を離れて車で4-5時間くらい走ったと思います。途中、ゴビ砂漠を通り、交河故宮という史跡を訪問し、その近くにワイナリーがありました。アメリカやフランスなどのような素敵なワイナリーではなく、ただ広大なブドウ畑があるだけでしたが、ワインの味はなかなかのレベルでした。夏の気温がかなり高いので、独特のブドウの味になるというような説明でした。私の好きなどっしりした濃厚タイプです。中国においしいワインがあって感激です。北京と上海と大連以外での中国での多くの学会の時は、ぬるいビールか、これはお酒なのですかあ?というような不思議な飲み物だったり、臭いが苦手でどうしても飲めませんというようなお酒が出て困ったことが多かったわけです。そんなことを何度も経験していましたので、中国でおいしい本格的な赤ワインが出たりしたら泣き崩れますね。
交河故宮近くのワイナリー
交河故宮
ウルムチでの中国形成外科学会の懇親会
ウルムチでの中国形成外科学会で。左から国際形成外科学会会長マリタアイゼンマンクライン(ドイツ)、米国形成外科学会会長ブライアンキニー、中国形成外科学会会長イーリンサオ、院長。
ゴビ砂漠
ワイナリー
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ニードルサクション
ニードルサクションは当院で開発した治療方法です。たとえば脂肪注入で生着して膨れ過ぎた脂肪の除去やしこりによる凹凸の修正、あるいは成長因子を入れたために膨れ過ぎたり、しこりになったりした脂肪の除去、修正をするために、針で生着して膨れ過ぎた脂肪やしこりを壊せば吸引できることがわかりました。一度しこりになったり、脂肪注入で生着した脂肪は、通常の脂肪吸引では全く除去できません。また切除ということになると、切開によるキズが残ってしまい、さらにしこりを切除後にへこんでしまったり、段差や凹凸ができるということもよくあるトラブルになっています。その点針穴のあとも残らず、新しいキズも残らないで平坦に吸引ができるこの方法は利点が多いと思います。ただ一度で大量の吸引はできませんので、3か月ほど待って仕上がりがさらに吸引のいる状態であれば、再度ニードルサクションを繰り返す必要があります。もし、このようなことがあっても最終的には、この方法でご希望の減量やしこりによる凹凸の修正が可能になっています。最近この方法に関するお問い合わせがかなり多いので、名称をつけたほうが説明が簡単と考え、ニードルサクションという名称にした次第です。
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