院長ブログ
ロンドンでのISAPS理事会
国際美容外科学会(ISAPS)の理事は12年勤めたのですが、理事になった最初の理事会がロンドンでの開催でした。理事会は年に2回開催されていて、毎年12月にロンドン、そして4月か5月にアメリカ美容外科学会が開催される時に同時に、1年に合計2回の会議があります。12月は2日間の会議、アメリカ美容外科学会の時は1日だけの開催になっていました。私がISAPSの会長になってからは12月の理事会はローマに変更しました。
それまで8年ほどロンドンで理事会があったわけですが、楽しかったことはロンドンの12月のクリスマスの景色がとても美しいこと、もう一つはいろいろなミュージカルが楽しめるということです。大体理事会の前日にはロンドンに到着する必要がありましたし、会議後は帰国のフライトに合わせて合計2回はミュージカルを楽しむことができました。ロンドンの好きではなかったところは、12月は雨や雪が降ったりすることが多いこと、寒いこと、ロンドンではどこで食事をしてもあまりおいしくないことなどです。特に食事は苦痛なくらいおいしくなくて、ロンドンのいやな思い出です。
いつもロンドンの往復はJALを利用していましたが、帰国の際はいつもJALの食事がおいしくて感激していました。
ロンドンの街並
ロンドンのクリスマスの風景
理事のメンバーと会議の後のディナー
投稿者:megaclinic
エミレーツ美容外科学会
アラブ首長国連邦の美容外科学会(エミレーツ美容外科学会)も、時々、国際美容外科学会(ISAPS)の講師陣を世界から10人〜15人程度招待していっしょに学会を開催されています。
私もエミレーツ美容外科学会から招待を受けて、何回かドバイまで行ってこの学会に参加したことがあります。すごいホテルがいくつもあったり、もともと砂漠だったところに大きな街を作ったり、海で泳いで遊べるところがあったり、砂浜が熱くなり過ぎないように砂を冷やす装置を砂浜に埋めたり、ショッピングセンターではスキーを楽しめるように人工スキー場を作ったり、市内には日本では見たことのないような豪華な車がたくさん走っていたり、初めて行った時は本当に驚きの連続でした。
中でも私の気に入っている点は、アジアのレストランでおいしいところがたくさんあることです。和食でも中華でもなかなかのレベルと思います。
エミレーツ美容外科学会会長と
エミレーツ美容外科学会会場
投稿者:megaclinic
時代に逆行する乳がんの乳房再建
乳がんの乳房再建は形成外科の診療の中でも大きい分野になるわけですが、この再建方法は大きく分けて二つの方法があります。人工乳房を使用する方法と自家組織を移植する方法です。最近はこの併用という方法も増えてきたわけですが、、。人工乳房を使用する方法は、日本では従来アラガン社の人工乳房と組織拡張器(エクスパンダー)のみが国の認可をとって、保険診療で使えていました。ところがアラガン社の人工乳房によりガンが出現した方が世界中ですこしずつ出てきて、ついに日本でも患者さんが一人出たために、厚生労働省はアラガン社の人工乳房と組織拡張器による乳房再建の保険診療を取り消しました。その後新しい人工乳房が認可されましたが、現在組織拡張器の表面の形状は平坦なスムーズタイプと言われるものしかありません。一方人工乳房は丸い形状の表面の平坦なスムーズタイプと、アナトミカルタイプと言われるバッグの上のほうが平坦で、下ほど膨れて大きくなる表面のザラザラしたタイプ(テクスチャードタイプ)の二つが認可されています。問題は組織拡張器でできる内部の膜(カプセル)の表面がツルツルした状態になるため、組織拡張器とバッグとの入れ替えをした後、バッグが中でかなり自由に動いてしまうために、再建した乳房が意図して形にならないことがよく起きることになっています。これは何十年か前に世界中で乳房再建を行う医師たちがこのトラブルに悩んでいたころと同じことを世界中で経験しているわけです。いろいろ世界中で再建方法を検討した結果、テクスチャードタイプのエクスパンダーとバッグを使用するのが一番結果がいいとたどり着いたはずなのに、今はこの方法が保険診療で行えないことになっています。あきらかに乳がんの乳房再建の方法が前進していないと思っています。
投稿者:megaclinic
マイアミでの国際美容外科学会(ISAPS)
国際美容外科学会(ISAPS)は世界中で約4千人の会員がいる世界最大の美容外科学会で、この国際学会は2年ごとに世界各地で開催されてきました。
私が会長をした京都での学会の次の総会はアメリカのマイアミで開催されました。その時の会長はレナートサルツというアメリカの美容外科医です。残念ながらこれ以後コロナの問題が起きたため、現在の段階でマイアミの次の国際学会は開催されないままになっています。
マイアミでの学会も京都に引き続き世界中から多くの参加者があり、京都の学会と同じくらい大盛況でした。ちょうどハロウィンの時期に開催だったので、学会のガラディナーがハロウェインの服装での参加になり、今となってはとても楽しい思い出です。早く以前のように世界中の友人に親しく会える学会が再開されることを祈るばかりです。
マイアミの学会会長のレナートサルツ(USA)と
学会会場とマイアミビーチ
レセプションにて
ハロウィンにちなんで、各国の先生方も趣向を凝らしてレセプションに参加。
投稿者:megaclinic
鼻尖形成
鼻先を細くしたいとか、細くしてすこし高さを出したいというご希望はかなり多いと思います。このためには通常オープン法と言って、鼻柱を水平方向に小さいV字型の切開を入れて鼻先の皮膚をめくり上げて、中の軟骨などがすべて見える状態にして手術をします。
手術の内容はもともとの状態や仕上がりのご希望によって多少異なってくるのですが、鼻先の軟骨の一部を切除して、軟骨の曲がりを弱くして中央で軟骨を寄せて縫合し、さらに鼻先の軟骨の幅を狭くするために、軟骨に細かい操作を加えて形成し鼻先の細い形を作ります。また皮下脂肪があればこれを除去し、皮膚に厚みがある場合は中から真皮を削ったりもします。
時には鼻先に高さも欲しいという方がありますので、こういう場合は、片方の耳から軟骨を少し採取して、耳軟骨を必要に応じた高さが出るようなデザインに仕上げて、これを鼻先の軟骨に固定します。このようにしてご希望の高さと形を作成します。
手術後は3か月間は幅の微調整ができる期間ですので、この間は在宅時などにスポンジ(レストン)とテープを使用して、ご希望の形に自己管理で調整してもらっています。鼻柱のキズは1-3か月くらいでほとんどわからないくらいにきれいになります。この間はお化粧などでキズの赤みを隠してもらう必要があるかもしれません。
術前
術後
投稿者:megaclinic
眼瞼についての論文
いくつか眼瞼の手術についての論文を書いています。美容外科領域で世界中でもっとも権威のある医学誌は、アメリカ美容外科学会(ASAPS)のオフィシャルジャーナルであるAesthetic Surgery Journal と、国際美容外科学会(ISAPS) のオフィシャルジャーナルであるAesthetic Plastic Surgery の二つの医学誌です。
このうち眼瞼の手術については、ASAPS医学誌のチーフエディター、ナハイ(エモリー大学教授)の依頼で2編の論文を書いたことがあります。というか、むりやり書かされたという印象がありますが…。
最初の論文はアジア人に対する二重の手術の個人的な方法というものです。私自身が行っている埋没法、切開法、ビーズ法という3つの具体的な方法を詳しく解説している論文です。二重の実際の手術方法は皆さん色々と工夫をされているところですが、ナハイ教授からは、私の行っている方法をできるだけ多くの写真と図を入れて解説してほしいという依頼でした。
やっと一つの論文を仕上げた数年後に再度この教授から、まぶたの複雑な状態の悩みのある方、あるいは他院でのトラブル後の修正などのいろいろなケーススタディーをたくさん報告してほしいという依頼がありました。二つ目の論文はかなり大変な重労働になりましたが、なんとかこれも依頼に基づいて、論文を仕上げました。自分で自由に仕上げる論文はまだ楽なのですが、チーフエディターなどからあれこれ指示のある論文というのはかなり面倒なものです。
アメリカ美容外科学会オフィシャルジャーナル
論文1
論文2
投稿者:megaclinic
ルーマニア美容外科学会
国際美容外科学会(ISAPS)には、Visiting Professor Program というのがあります。ISAPSからこの医師という人を世界の各国に派遣して、その国の学会や特定の大学で、講演を行ったり、ライブサージャリーと言って、実際に現地で手術をしてその国の美容外科医に実際の手術を見てもらって勉強をしていただくというプログラムです。
この派遣要員になっているのがISAPSの教授の資格を取っている医師たちです。一年に4〜5人くらいの教授が世界に派遣されて、その国の学会、または派遣要請をもらった大学病院で4日から1週間滞在して、その間たくさんの講演をしたり、患者さんの診察や手術を担当するというプログラムです。私もこれを担当したことがあり、派遣先はルーマニアの美容外科学会でした。その時はたまたま私がISAPSの会長だったので、学会での活動以外に国営ラジオのインタビューがあったり、ルーマニアの厚生省の大臣との面会など、本来の担当以外の仕事もさせられました。
学会のあとはルーマニア美容外科学会の会長がせっかく来たので、ここは見ておいてほしいと言われて、ルーマニアで有名な湿原、ドナウデルタに連れて行ってくれました。学会会場からはかなり遠かったので、1泊して広大な湿原をボートに乗ってあちこちを見てまわりました。一面にハスが広がっていたり、ハクチョウやペリカンの群れ、時には野生の馬たちに出会えたり、こんなに美しい広い湿原は見たことがなかったので、ちょっと感激でした。
ドナウデルタのはす
ルーマニア国営ラジオ出演
ドナウデルタの野生の馬たち
ドナウデルタボートツアー
投稿者:megaclinic
好きなワイン、お酒
どちらかというと、わりに飲んでいる方だと思います。365日規則正しく毎日というわけではありませんが、飲まない日はあまりないというか、、、。反省はしていますが、、、。テニスや運動をした後は必ずビールです。汗をかいたあとはどうしてこんなにおいしいものが世の中にあるのだろうと感激しますよね。そうでない時はワインかお酒が好きです。大好きなワインは赤も白もとにかく重ければ大丈夫です。白はカリフォルニアのシャルドネであれば、大体どれでもいいです。中でもファーニエンテ、ベリンジャー、キスラー、パッツアンドホールなどなどたまりませんよね。白ではイタリアのプラネタもかなり好きです。赤ワインもカリフォルニアはべリンジャーなどかなりおいしいワインが多いと思います。他にはイタリアのルーチェ、オルネライア、チリのドンメルチョーなどなど、要するに重ければ好きという感じです。お酒もおいしいのがたくさんありますよね。獺祭、黒龍、〆張鶴、十四代、など好きなものを書いたら終わりません。飲みすぎですかね?
投稿者:megaclinic
ゴールデンウィーク
皆さまはゴールデンウィークをどのように過ごされたのでしょう?出かけないでくださいということなので、退屈ですね。大阪と東京は大変な状況なので、やむを得ないことと思います。早くワクチンを打ってもらわないと、もうどうしようもないような感じです。
当院では通常年末やゴールデンウィーク中は休診にしていることが多いので、この間は直前に手術を行った患者さんのガーゼ交換などがあり、休診にしている間も通常日時を決めて、患者さんにクリニックに来てもらって、消毒とガーゼ交換をしています。このためにクリニックには時々行くことになりますが、それ以外の時間は休日を楽しみたいですよね。今は出かけないでくださいということなので本当につらいです。でもコロナの対策をしては今はこれしかできないと思います。
以前は休日はよく京大に行って学生のテニス部員たちとテニスをしたり、学生の試合の応援に行ったりしていましたが、今は京都大学の部活動に対する制限があり、ヘッドコーチであっても行くことができません。早くコロナが収束することを願うばかりです。
投稿者:megaclinic
軽度下垂乳房と豊胸
出産や加齢により、バストの下垂が気になりだした方もよくおられます。単純に下垂を修正する方法はいくつかあります。乳輪の上半分の皮膚を三日月型に切除してすこしバスト全体を引き上げる方法、他には乳輪の全周を切開して引きあげる方法、下垂の程度によっては乳輪全周と乳輪の下端から垂直に下に伸びる切開でバスト全体を引き上げる方法などがあります。
基本的に日本人のバストはキズが赤くなって目立つ期間が長くなるという点が問題になり、少しでも少ないキズでリフト効果が大きい方法を選択する必要があります。もし患者さんがバストを引き上げ、同時に大きくしたいという希望がある場合は、豊胸手術の小さいキズだけでバストの下垂の印象を消すことができます。乳房下縁をすこしだけ低い位置に移動して同時に豊胸手術をすると、バスト全体がリフトアップしたように仕上がります。この方法の際はバッグを入れる3-4センチのキズは新しい乳房下縁になる位置にする必要があります。ほとんどの場合、キズの赤みは1年から1年半程度で目立たなくなります。
投稿者:megaclinic