院長ブログ
乳頭の縮小手術
乳頭の形や大きさで悩んでおられる方もあるようです。対策としては乳頭縮小手術というものがあります。方針としては二つのタイプに分かれます。今後授乳がありうる場合は授乳機能を温存する必要があります。この場合、乳頭の中にある乳管をすべて残す必要があります。したがって乳頭の高さは自由にご希望のものにできますが、乳頭の幅についてはいくらでも好きな形にできません。大体の見当で3分の2くらいの幅にはできることが多いと思います。一方今後授乳がないという方の場合は、ご希望の形にすることが可能です。高さや幅も形も自由に希望を言ってもらえばその通りになります。また切開のキズは20人くらいの中で19人くらいは見ても全くわからないくらいに仕上げることができます。20人に一人くらいの確率になりますが、傷が白っぽく脱色する方があります。このような方の場合は、後日傷に色素を注入して脱色の修正を行うことができます。ちょうど乳がんの再建で乳頭乳輪を再建して作った場合、胸の色のまま乳輪乳頭が完成しますので、後日色素を入れて乳頭乳輪の色にするのと同じ方法を使うわけです。
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成長因子(FGF)について
最近成長因子(FGF)によるトラブルで苦しんでいる患者さんが多すぎるように思います。日本美容外科学会(JSAPS)で注入療法による合併症の調査が行われたことがあります。その中で一番多いトラブルが成長因子の注入でした。中でもPRPと成長因子の混合投与が4割近くを占めて最多のトラブルでした。内容はしこり(硬結)、凹凸、隆起、時には痛み、変色、発赤などのトラブルです。成長因子を使用した治療については日本美容外科学会(JSAPS)や日本形成外科学会などがこれを使用しないようにという注意勧告を出しています。また成長因子を販売している科研製薬からは、成長因子を注射で体内に入れないでください。安全性が保障されません、という文章も全国の医師に対して出されています。つまりトラブルが起きても製薬会社の責任はないわけです。合併症が起きた場合は、この治療をした医師の責任が問われることになります。深刻な問題はこれらのトラブルに対する確実な治療方法がないことです。切除やステロイドを繰り返し注射するなどが行われていますが、これで確実にきれいに修正できるという方法がないのが現状です。成長因子を使用しなくても、他にいくつも同じ結果を出せる治療方法があります。ヒアルロン酸、ボトックス、コラーゲン、レディエッセなどの吸収性の物質の注射や、他にも脂肪注入や時には真皮脂肪の移植など、安全な方法がたくさんあります。どうして、成長因子を使用される医師があるのか、私には本当に理解ができません。
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下まぶたのたるみとり手術: ハムラ法
ハムラという医師はフェイスリフトや下まぶたのたるみとりの手術でとても有名な方です。私が日本美容外科学会(JSAPS)の会長をした時にも日本での学会に招待講演で来日してもらいました。
フェイスリフトの新しい方法や、特に有名なのは下まぶたのたるみをとる方法です。脂肪の膨らみを以前は除去していたのですが、実際に脂肪が増えてたるみになっているわけではなく、脂肪を包んでいる膜が加齢により弱くなり、眼球の重みで前にプクッと出てきて凹凸が目立つようになるというのが実情なので、この膨れた脂肪の膜を切開して開けて、この脂肪をもっと下にずらして骨の膜に固定すると膨れていた部分より下が膨れて、全体として平坦な下まぶたに仕上がるという方法です。この際に筋肉や皮膚を引き上げて、あまった分だけ切除すれば、下まぶたの凹凸がなくなり平坦な若いころの下まぶたになります。
この手術は画期的なもので、今でもハムラ法は凹凸のある下まぶたの改善方法として優れた方法です。彼の手術を実際に見たくて、テキサスのダラスまで行ったことがあります。彼は私が滞在中、毎日朝の6時くらいにホテルまで彼のポルシェで迎えに来てくれて、大体朝の7時半くらいから手術を開始していました。手術や彼の外来診療は3時か4時くらいには終わることが多く、それから時間があれば、彼はゴルフの練習に行っていました。奥様はもともとニューヨークのティファニーで宝石のデザイナーとして仕事をされていた方で、とても美しい方です。彼女はポルシェのようなやかましい乗り心地の悪い車は大嫌いだそうで、彼女はベンツをいつも運転されていました。
彼らの家には何回か招待してもらったことがありますが、朝食用の部屋は朝日が入り、昼食用の部屋はまた別で自宅のプールサイド、夕食用の部屋はまたこの二つの部屋とは違って、招待客がかなりたくさん来られても入れるような大きい部屋で、広い庭の見渡せるゆったりした部屋でした。白い色を基調にした家で暮らしているハムラは本当に素敵な人生を楽しんでおられるように思います。世界の美容外科学会によく招待されていて、世界を飛び回って、講演とともに旅行も楽しんでおられます。今はコロナでとても退屈されているのではないでしょうか?
私が日本美容外科学会(JSAPS)の会長をした時、ハムラを招待して
講演をしてもらいました。
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脂肪吸引を開発した医師イルーツ
最近の美容外科で脂肪吸引と脂肪注入は、非常に人気のある手術になりました。脂肪吸引や脂肪注入という手術を開発した医師がフランスのイルーツです。これが確立した手術になるまではイルーツはずいぶんいろいろの方法を試みたようです。初めてのころは、要するに多少人体実験のようなところがあって、脂肪吸引の際に大出血が起こり大騒ぎになった手術もあったようです。どのようにして太い血管の損傷を防いだらいいのか、どれくらいの吸引量で輸血が必要なレベルにまでなるのか、など多くの問題を克服しないといけなっかったようです。彼とは国際美容外科学会(ISAPS)の教育講演や手術指導の講習会などで顔を合わせることが何回もあり、いつか親しい仲間になっていたわけですが、ずいぶんいろいろ苦労があったようです。彼が言っていた言葉は、これからの美容外科は脂肪を抜きには語れなくなった、脂肪を減らしたり、増やしたり、とても小さい傷だけでできるこの技術だけで、美容外科にこれほど貢献できることになったのは幸せなことだ。苦労と努力が報われた…。本当に根性のある医師だと思います。
脂肪吸引と注入の開発者:Dr.イルーツ
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豊胸手術について
最近アクアフィリングという注入物での豊胸によるトラブルで苦しんでいる方がたくさん当院を受診されています。この物質が出てきた時に日本美容外科学会(JSAPS)の理事会で、これはあきらかに危険なものなので、早期に学会会員に使用しないように注意喚起をしたほうがいいという意見が多数ありました。まず厚生労働省に対して、対策をお願いしましたが、本来のこの物質は、日本政府が認可してものではない、輸入手続きの書類が国に提出されたこともない、したがって、そのようなものが国内にあるはずがないという回答でした。つまり国内には密輸のような形で入ってきたもので、そういう業者がいたということです。このようないきさつがあり、対策がかなり遅れたのは事実です。その結果日本美容外科学会会員でこの方法による豊胸手術をされた医師はいないはずですが、世間にはなんの技術も不要で、単純にこの物質をバストにめがけて注射で入れればそれでよいというような考えで、あちこちのクリニックで安全で簡単な方法として宣伝が行われ、多くの被害者が出ることになりました。問題は妊娠や授乳の際に感染が起きることが多く、バストから膿が出てくる、発熱、痛み、腫れ、赤みなどの問題が起き、さらに完全な除去が困難なことがほとんどで、多くの方が苦しんでおられます。また注入した物質が腹部に流れたり背中にまで拡散したような方もたくさんおられます。大きいしこりがある場合や液状にたまっているだけという場合は、かなりの量を除去できるわけですが、それでも一部は肋骨や肺のすぐそば、血液やリンパにも入って、肺や肝臓、腎臓にも拡散していることもあります。これらは回収が不可能です。
液状のものを注射で入れるような豊胸は過去にも多くの液状注入物が使用されていて、すべて悲惨な状態になっています。こういう手術をしてはいけません。液で入れたものは血管やリンパ内に入ると全身に回るわけです。現在のところ安全な豊胸手術は、インプラントによるもの、脂肪の注入によるもの、さらにインプラントと脂肪注入を併用する方法の3つだけです。またインプラントによる方法の場合、私のクリニックでは手術後は毎年、定期健診を受けてもらっています。また15年くらいでインプラントを新しいものと入れ替えることをお勧めしています。入れ替えはとても簡単な手術で日帰りで十分可能です。現在当院ではインプラントはモティバ社のものを使用しています。これが世界中でもっともやわらかく、プロテーゼそのものが中で流動性が高く自然なバストの感触に近いからです。バストの皮下脂肪が少ない方の場合は、採取できる脂肪があれば、これをバッグと併用して注入することで柔らかいい自然なバストに仕上げるようにしています。体に採取できる脂肪が多い方であれば、脂肪の注入による豊胸が適しています。ただ一度であまり多量の注入は血流の再開が起きないことがあり、必要なら3か月ほど待ってから2回目の注入を行うことで十分な大きさが得られることになります。
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私の行っている脂肪注入の仕上げ方
最近脂肪注入のご希望の方がとても多いように感じます。加齢による変化や体重が減ったことでやつれた印象が出てきたなどの方が多いようです。おなかやふとももは痩せないのに、顔は脂肪が減って疲れたように見える、あるいはやつれてきたなどの悩みの方が多いようですが、これらの多くは脂肪の注入や場合によってはヒアルロン酸、コラーゲン、レディエッセなどの吸収性の物質の注入でもいい結果を出すことができます。脂肪注入の最大のメリットは一度生着した脂肪がずっと残ってくれることです。したがって定期的な補充がいりません。通常翌日までのテーピングだけで、次の日から洗顔や化粧ができるというメリットもあります。抜糸も不要です。ただこの治療で一度で完璧に仕上がるのかというのが問題です。脂肪の生着量を正確にコントロールできないからです。通常生着率は入れた量の7~8割くらいになります。そのためまず局所麻酔をした時にどれくらいの量を入れれば、いい結果が得られるかを測定します。この量の1、2倍から1、3倍程度の脂肪の注入を予定します。ただ一度にあまり多量の注入をすると血流の再開が起きないことがあり、このような場合脂肪が生着せずに溶けてなくなったり、しこりになったりする可能性があります。そういう理由で一度にあまり多量の注入はリスクがあります。多量の注入にならなければ注入の際に測定した予定量を注入します。この時に細い注入カニューレを使用して、いろいろの方向から何層かに分けて細かく脂肪を分散して入れるのが平坦に仕上げるコツというところです。また顔にはあちこち各種のリガメントといわれる顔の皮膚が骨からずり落ちないように、ひものような組織が骨から木の根のように皮膚にのびていて、これが皮膚を固定しています。このリガメントが部分的に皮膚が平坦にふくれるのに抵抗することがあります。これをそのまま残していると、凹凸に仕上がることになりますので、これが手術中に確認できますので、膨れにくい部位のみこのリガメントをわずかに針で緩める処理を併用します。これも注入部位をなめらかに美しく仕上げるために重要なテクニックです。これで大体仕上がり予定にほぼ近い結果が得られることが多いと思います。ただ完全な仕上がりは3か月後くらいになりますので、この時期になって、まだ量が部分的に足りないとか、まれにはふくれすぎなどの状態もありうるわけです。脂肪の生着量を正確にコントロールできないからです。このような場合は、追加の脂肪注入をして微調整ができますし、万一生着した脂肪が多いというような場合は、細い針で、生着した脂肪を壊しながら吸引することで減量することができます。一度生着した脂肪は表面から触っただけではわかりませんが、すこし硬いので通常の脂肪吸引では脂肪が出てきません。針で細かく破壊すれば、吸引が可能です。このように脂肪の量を追加したり、減らしたりすることで、最終的にはご希望のラインが確実に得られることになります。これが私の行っている脂肪注入の方法です。へこみのない、なめらかな顔は元気で若い印象が強く出ることになり、健康的な美しさが得られるわけです。同じ方法は手や乳房などでも行うことができます。
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副院長 山口医師は当院を退職し開業準備をしています。
東京での診療は続けていますが、詳細は、山口医師のホームページ、インスタグラムでご確認ください。
■山口憲昭先生のホームページ
https://www.yamaguchisensei.com
■山口憲昭先生のインスタグラム
https://instagram.com/yamaguchisensei7/
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まぶたの逆まつ毛
逆まつ毛は眼球にとってとても危険なものです。まつ毛が眼球に触れている状態が続いていると、眼球に傷が入り、次第に視力が低下していきます。一度悪化した視力はその後回復しない状態になってしまいます。逆まつ毛は手術で改善できます。下まぶたについては当院では保険診療で行っています。まつ毛の1ミリ下の皮膚を切除することでよくなります。抜糸は5-6日目になり、最終的には傷あとはほとんどわからなくなります。また上まぶたについては切開法で二重を作ったり、時には目頭切開が必要になることもあります。上まぶたについては、眼の形が変わることになり、二重の幅など仕上がりについて、慎重に相談する必要があり、当院では自費診療で行っています。美容的な要因も大きいからです。
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