顔を平均化する研究
以前日本美容外科学会(JSAPS)の招待講演で面白い研究の話を聞いたことがあります。それは顔のコンピュータによる平均化という研究です。コンピュータを使用していろいろのことができるわけですが、その話の中で、何人もの顔の平均の顔を作ると、、、というような研究がありました。たとえば犯罪者10人の顔の平均の顔を作ってみましたとか、いろいろの興味深い研究があったわけです。その中でも特に面白かったものが、日本人の若い女性10人の平均の顔を作りましたというものです。これがとても美人なのです。その次に世界の若い女性10人の平均の顔を作ってみましたというのがあって、これがもう圧倒的に美しいのです。これを見ていた時、なるほどなあととても感心しました。美容外科ではたとえば私は他の人より顎が長いので短くしたいという方もあります。また鼻が他の人より低いので、高くしたいという方もあります。これらは要するに平均の顔に近づけてほしいという希望であるわけです。また日本人の女性の中には、骨格を白人のようにしたいとか、顎をもっと白人のように出したいというようなご希望の方もあるわけですが、これは世界的な平均の顔に近い状態にしてほしいということでもあって、世界水準の平均化と理解できるわけです。またたとえば日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた人がとてもきれいな顔であることが多いという事実も皆さんがよく知っておられることと思います。異なる人種の両親の平均値を持って生まれた方はきれいな顔になることが多いというのも、この研究から納得できる話ですね。美容外科で行われる手術はこういうことだったのかと、とても説得力のある講演でした。