豊胸についての考え
バストについての悩みも実はかなり多いものです。単純にバストが小さいという悩みもありますが、左右でかなり形やサイズが異なるとか、下垂や逆に大きすぎて困っているような方もあります。大きすぎる場合は乳房縮小術という方法があり、ご希望のサイズ程度に小さくして、同時に下垂を修正する方法があります。下垂に対しても豊胸によって下垂した印象を消す方法もありますし、バストのボリュームそのものは変更せずに下垂だけを修正する方法もあります。最も多いタイプの手術はいわゆる豊胸です。バストを大きくしたいというものですが、歴史的になんらかの注入物を使用してサイズを大きくするという方法は悲惨な結果に終わっています。今後も注射でなんらかのものを入れるという方法は危険なことが多いと思います。現在までにパラフィン、流動シリコン、オルガノーゲン、アクアフィリング、血液豊胸、ヒアルロン酸など多くの方法が行われています。液状のものを注射することによる危険性は血管やリンパの中に入った場合、これがバストの他の部位に流れるということです。肺まで移動してここで詰まってしまうと肺塞栓と言って呼吸ができなくなることがあります。過去に手術中に日本でも何人もの方が亡くなられていますが、この事故によるものです。他の深刻な問題は液状のものなので、手術後長期の経過後に注入物が移動することがあるということです。背中までカチカチになってしまった方や最近ではアクアフィリングが腹部に移動してバストが合計4つあるような異常な形になって修正を求めて来院された方もあります。血液豊胸というような方法は要するに成長因子を入れて脂肪を増大させるという方法なので、しこりができたり、痛みが出たり、凹凸になったり、変色が起きたなどの問題で、修正手術を求めて当院に来院されている方も何人もあります。現状では安全な豊胸手術はやはり歴史的な評価ができているインプラントによる方法か脂肪注入によるものか、これらの併用という3つのタイプが確実にバストを大きくできる方法と思います。