私の母方の祖母
随分以前に亡くなった母方の祖母のことを時々思い出すことがあります。ある意味普通ではありえないような女性で、私自身この人からかなり影響を受けたのではないかと思っていることも多くあります。当時あの時代に英語がペラペラでキリスト教の教会を西日本でいくつも建てるという業績もあるような人なのです。彼女の夫である私の祖父は京福電鉄という会社の社長や会長をした人でしたが、その奥様ということでまわりの方々がほとんど祖母の言いなりになるような状況がかなり長く続いて、彼女の人格を変えていったような気もします。まあ、とにかく迷惑で私が見ていてもこんなことをしたらだめでしょ、、、みたいなことがとても多い人でした。
当時祖父と祖母はお手伝いさんと一緒にかなり大きな家に住んでいました。ある時家に知り合いのお客様が来られたことがあります。小さかった私はその時、その家にいてその光景を見てしまいました。そのお客様に祖母がケーキを出したのですが、お客様がケーキにカビが生えていると言われたのです。それを見た祖母はナイフを取りに行って、周りのカビを取ったのです。それで中だけのケーキを(これでカビがなくなりました。どうぞ)とまた差し出したのです。えーですよね。
家の前を歩いていた知らない男性に祖母が呼びかけました。「今から駅の方に行かれますか?」歩いていた男の人が行きますよと返事をすると、「それなら駅に郵便ポストがあるので、この手紙を入れてください」と言って手紙を渡しました。えー。
祖母が知り合いのどこかの奥様と話していました。年末の家の掃除の話だったようで、祖母が「私の家はこんなに大きい家で、今いるこの家も部屋が多くて大変だけれど、廊下でつながっている山の上にも家があって、ここも大きいので、とにかく家の年末の掃除ということになると、広い庭もあるので、会社の人が10人ほど入ってもらってあれこれやっても10日くらいはかかるんです。その点、あなたの家は小さいので掃除などあっという間に終わるでしょ。うらやましい。」本当に失礼な人でした。