フェイスリフト
フェイスリフトについて最近の国際学会での発表や論文を見ていると、大体近年の傾向としては糸のリフトについては講演や論文があまりなくて、多分リフト効果の持続がごく短期間になるという理由で、世界的にはあまり評価されていない方法なのかと思ったりしています。やはり人気のあるものは切開によるリフトで、最近の傾向としては、もみあげについてはもみあげの位置を変更しない方法がスタンダードになってきたと思います。以前は耳から上の頭髪内に切開を伸ばして、ここで顔全体のリフトを行ったので、もみあげが後方に引き上げられていました。結果としてキズが髪の中に隠れても顔の面積が広くなるという欠点があったわけです。今はもみあげの前を切開しても時間がたてば、キズがほとんど目立たないので、この部位の切開が通常の方法になってきたと思います。また法令線の処理として以前はほほのリフト方向が斜め上方向になっていました。指でこの方向に皮膚を引き上げると法令線のへこみがなくなるのがわかると思いますが、小鼻をよく見てください。この時に小鼻も横方向にひっぱられてしまいますよね。そうなると法令線の問題が解決しても鼻が正面から見て大きくなってしまうわけです。この問題を防ぐためにほほの引き上げはなるべく真上方向にして、法令線の小鼻の横付近は脂肪注入を併用してへこみを解消するという方法がよく行われるようになっています。
このように多くの美容外科の手術方法はいつも変化していて、また将来どのような新しい考え方が出てくるか、わくわくがずっと続いているという感じがします。