ハムラ法で有名なハムラが亡くなられました。

特に日本では下まぶたのたるみや凹凸を改善する手術方法であるハムラ法、あるいは裏ハムラなどと言われている手術の開発者として有名なハムラがお亡くなりになりました。先日国際美容外科学会の事務局とハムラの奥様から連絡をいただきました。彼自身はもともとフェイスリフトの結果がかなりきれいということで有名だった医師です。その後下まぶたの手術方法としてハムラ法と呼ばれる脂肪の移動と筋肉のリフトを併用してふくらみとへこみとたるみをすべて同時に処理する優れた方法を開発されて、これでまた有名になった医師です。

　下まぶたの手術を開発される以前にフィエスリフトの考え方がとても素晴らしいので、アメリカ美容外科学会でも何度も彼の講演を聞いていたこともあって、私が日本美容外科学会を会長として京都で開催した際に、海外特別招待講演としてアメリカのエモリー大学のナハイ教授とダラスのハムラのお二人を学会に招待しました。ハムラご夫妻は京都は初めての訪問だったようで、学会以外に京都の観光をとても喜んでおられました。

　それからしばらく経って、ハムラ法を発表され、これが世界的に有名になった彼の手術方法です。どうしても実際の彼の手術を見たいと思ったので、ダラスの彼のクリニックまで手術の見学に行きました。彼の考え方はハムラ法と言われる下まぶた単独の手術はほとんどされなくて、いつもフェイスリフトと下まぶたのハムラ法、さらに額のしわとりなどをいっしょにされていました。４日間滞在して、合計３人の患者さんの手術を見せてもらいました。毎日朝６時に私が滞在しているホテルまで彼のポルシェで迎えに来てくれました。手術は大体７時から始まって、あれこれ手術を同時にされるので、終わるのはほとんどお昼ごろになっていました。ハムラはそれからいっしょにランチを食べて、その後は毎日グルフの練習に行っておられました。とにかくゴルフが大好きみたいです。３時か４時くらいにはクリニックに戻ってきて、それからは外来の診察をして一日が終わりという感じでした。

滞在中は毎日夕食に招いてもらって、一度は彼のご自宅で夕食会になりました。朝日の入る朝食用の部屋、それとは別にランチの部屋、夕食は広い庭とプールの見える大きい部屋があって、外観は白い美しい豪邸でした。奥様はとてもきれいな方で、ハムラと結婚される前はニューヨークのティファニーで宝石のデザイナーとして働いておられたそうです。オードリーヘップバーンによく似ておられて、映画のティファニーで朝食をというのがありましたよね。そのためもあったのかもしれませんが、時々ニューヨークティファニーでオードリー・ヘップバーンに間違われたとか。ハムラともティファニーで出会ったのだそうです。その後の詳しい話は聞かなかったのですが、今となっては聞いておけばよかったような、、、。

本当にとてもいい先生で、たくさんのことを彼から学ばせてもらいました。今の私のおこなっているハムラ法は彼から直接習ったそのままの方法をおこなっているわけですが、フェイスリフトと同時に行う場合の考え方というのはとても合理的な手術術式だなあと今も彼を尊敬しているわけです。

懐かしいハムラの写真をいくつか出しておきます。御冥福をお祈りします。

• 日本美容外科学会の懇親会で。ハムラと会長の高柳。
• 手前がハムラとナハイ。右端がハムラの奥様です。
• 右からナハイとハムラ。学会の懇親会で舞妓さんと。
• ハムラのご自宅で。他の方々はハムラの友人の医師たちです。
• シカゴのアメリカ美容外科学会で。