注入療法についての私の考え
脂肪注入でもヒアルロン酸やレディエッセなどのフィラーの注入方法として、今回の日本美容外科学会でいろいろ考えていたことがあります。多数の講演を聞いていたのですが、どうも賛成できないという発表もいくつかありましたし、逆になるほどと思うような発表もありました。私の考え方は、脂肪の注入であってもフィラーの注入であっても、注入針は細いほど安全で、細かく注入するほど良い結果になるということです。さらに注入方向はいわゆるクリスクロスメソッドと言われていますが、幾つもの方向から何層にも分けて入れる方が平坦に仕上がることになり、いい結果につながります。さらに局所麻酔はなるべく少ない量で入れないと手術中に仕上がり結果を予想するのが困難になります。麻酔で腫れてしまうと手術中にどれくらい膨れたか、わからなくなりますよね。また皮下に靭帯や過去の手術の傷や癒着があることもあるので、皮膚表面に膨れにくい部位がないかどうか、もしあれば、その直下の針での剥離を併用するとか、これができない場合は抵抗があるところでそれ以上の無理な注入をしないというのが安全な訳です。またできれば深い部位は骨に近いわけでやや粒子が大きくなってもいいわけですが、皮膚表面に近くなれば、粒子の小さいフィラーや場合によってはコラーゲン、脂肪注入なら例えばナノファットなどのように細かい直径の脂肪を入れておいた方が平坦になだらかに仕上がると思います。大体私は以上のような考え方でフィラーや脂肪の注入をしています。