ピルのむくみはいつまで続くのか!原因と対策を知れば安心して続けられる

ピルのむくみはいつまで続くのか!原因と対策を知れば安心して続けられる

2025-05-16

※本記事でご紹介する施術はすべて自由診療(保険適用外)となります。

ピルの代表的な副作用のひとつが身体のむくみです。
むくみは多くの場合、ホルモン変化による一時的な反応ですが、長引いたり強く出たりすることで不安を感じることもあります。

特にピルは毎日飲むことが基本のため、旅行やイベントを控えているときであれば「むくんだまま1日過ごすことになるのかな…」と不安を感じることもあります。

ピルの服用による体質変化と上手に付き合いながら、自分らしい過ごし方を続けるためには、むくみへの理解と対策が欠かせません。

この記事では、ピルによるむくみの原因といつまで続くかの目安時期をまとめました。
また、日常的にできるむくみ対策と、血栓症などの重い副作用との見分け方も解説しているので、むくみや重い副作用のリスクに対する不安を解消できます。

ピルによるむくみはなぜ起きる?主な原因とむくみやすい部位

ピルを服用すると体にむくみを感じることがありますが、これは重大な副作用ではなく、多くは一時的なホルモン変化によるものです。
不安を感じる前に、なぜむくみが起こるのか、その原因や影響を正しく理解することが大切です。

ピルを飲むと水分代謝が低下するのでむくみやすくなる

ピルの主な成分であるエストロゲンとプロゲスチンは、水分代謝に影響を与えるため、むくみが起こる原因となります。

エストロゲンには体内に水分を保持する作用があり、プロゲスチンは血管の透過性を高める性質があります。
2つホルモンの作用により、体内に余分な水分がたまりやすくなります。特に、服用開始直後やホルモンバランスが変化しやすい生理前には、むくみが起こりやすい傾向があります。

ただし、むくみは一過性で自然に改善するケースがほとんどです。まずはホルモンによる変化だと理解し、焦らずに様子を見ましょう。

特に顔や脚がむくみやすくなるので注意

ピルの服用で特にむくみやすい部位

ピルによるむくみは、体のどこにでも起こる可能性がありますが、特に「顔」と「脚(ふくらはぎや足首)」に出やすいという特徴があります。

むくみやすい部位とその特徴

  • 顔:朝起きたときに目立ちやすい。まぶたや頬が腫れる。
  • 脚:夕方にかけて重だるくなる。ふくらはぎや足首がむくみやすい。

顔のむくみは、睡眠中の水分分布や血流の滞りが影響して起こりやすく、朝の冷水洗顔やリンパマッサージで軽減されます。
一方、脚のむくみは、立ち仕事や長時間の座りっぱなしによって水分が下半身にたまりやすくなることで引き起こされます。

むくみの発生しやすい部位と時間帯を把握しておくことで、症状に応じたセルフケアがしやすくなります。

ピルによるむくみはいつまで続く?改善される目安時期と医師に相談するべきケース

ピルによるむくみは軽度かつ一時的なものですが、稀に深刻な副作用のサインであることもあるため、経過と症状を見極めることが大切です。

深刻な副作用のサインを見逃してしまわないよう、医師に相談するべき症状のサインをまとめました。

ピルによるむくみが続く期間の目安

ピルによるむくみは、服用開始から1〜3ヶ月以内に自然と改善されるケースがほとんどです。

ホルモンバランスが安定するまでの間、水分代謝に一時的な乱れが生じることでむくみが起きます。特に服用初期や生理前には体が変化に反応しやすく、顔やふくらはぎの腫れを感じることもあります。

多くの人は3周期(約3ヶ月)ほどで症状が落ち着きます。
第3世代や第4世代の低用量ピルはホルモン量が抑えられているため、副作用が穏やかに経過しやすい傾向があります。

数週間〜3ヶ月程度のむくみであれば、体の順応期間と考えて焦らず経過を見守ることが基本の方針です。

むくみにくい人とむくみやすい人の差

ピルによるむくみの出方には個人差があります。特に体質や使用しているピルの種類によって症状の有無や強さが変わることがあります。

むくみに影響する要素
項目 むくみやすい傾向 むくみにくい傾向
体質 PMSや水分貯留型体質がある ホルモン変化に影響されにくい
ピルの種類 第1世代・エストロゲン量が多い 第3・第4世代・ホルモン量が少なめ

むくみが強く出やすい人は、もともと月経前に体がむくみやすい傾向があることも多く、ホルモンに敏感な体質が影響していると考えられます。
また、使用しているピルが自分の体に合っていない場合も、むくみの原因となる可能性があります。

ピルを変えたあとに症状が出た場合は、成分やホルモン量の違いを確認し、医師と相談して合うタイプを見つけることが重要です。

血栓症など危険な副作用との見分け方

むくみ以外に痛みや発熱がある場合は医療機関に相談しましょう

軽度のむくみはよくある副作用ですが、片脚だけが大きく腫れる・痛みを伴う・熱感があるといった症状は血栓症など重篤な疾患の可能性があります。

血栓症の疑いがある症状

  • 片脚のふくらはぎの強い腫れや痛み
  • 触ると熱を持っている
  • 突然の胸痛・息切れ・肩呼吸
  • めまいや冷や汗を伴う不調

血栓症は、血管内に血のかたまり(血栓)ができ、血流を妨げる病気です。ピルの影響で発症することは稀ではありますが、放置すると命にかかわるリスクもあるため、注意して服用を継続する必要があります。

むくみとあわせて息切れやめまいなどの症状が現れた場合は、放置せずにまずは医師に相談しましょう。

ピルを服用すると体重が増えることもあります。体重増加はむくみが原因のこともありますが、ホルモンバランスの変化で食欲が増進され、気づかぬうちに食べ過ぎてしまっていることもあります。
体重に変化で始めたら、むくみ以外の要因も疑って生活習慣を振り返ることが大切です。

ピルを服用してもむくまない方法は?セルフケアと予防策

ピルの副作用として現れるむくみは、多くの場合、ホルモン変化に体が慣れていない初期に一時的に起こります。
しかし、生活習慣を少し見直すだけでも症状が和らぐことがあり、服用をやめる必要がないケースがほとんどです。

ここでは、むくみを改善・予防するためのセルフケアと、体質に合ったピル選びのポイントを紹介します。

ピルのむくみを早くなおす3つの方法

ピルのむくみを早くなおす3つの方法
運動やマッサージで血流・リンパの循環を促す

血流やリンパの滞りは、むくみを引き起こす主な原因のひとつです。
特にふくらはぎの筋肉を使うことで、下半身にたまった水分の循環が改善されやすくなります。

むくみ対策になる運動・マッサージの習慣

  • 1日15分のウォーキングや、かかとの上げ下げ運動
  • 足や顔のリンパマッサージ(入浴後や就寝前がおすすめ)

特別な道具がなくても、まずは自宅で簡単にできる対策から始めてみましょう。

むくみにくい食生活や水分バランスを意識する

塩分の多い食事は体内に水分を溜め込みやすく、むくみの原因になります。
加工食品やインスタント食品を控え、カリウムを多く含む食材(バナナ、アボカド、ほうれん草など)を取り入れるのが効果的です。

また、水分摂取を控えるのではなく、こまめに摂ることが大切です。
常温の水やノンカフェイン飲料を中心に、1日1.5〜2Lを目安に補給しましょう。

漢方薬を取り入れてむくみ体質を整える

ピルによるむくみが気になる場合、水分代謝を整える漢方薬を併用する方法があります。

代表的な処方には「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」があります。
これらは、むくみやすい体質の改善を目的として、婦人科系の症状にもよく用いられています。

体質やむくみの症状に応じて処方内容が変わるため、市販品を自己判断で選ぶよりも、医師または薬剤師に相談して処方を受けるのが安心です。

漢方薬はピルと併用できる場合も多く、副作用に配慮しながらむくみを改善したい方にとって有効な選択肢となります。

むくみのリスクを抑えるピルの選び方

むくみやすい体質の方や、むくみがつらいと感じている方は、ピルの種類を見直すことも大切です。

むくみにくいピルの特徴
ピルの種類 主成分 特徴
第4世代 ドロスピレノン 利尿作用があり、むくみにくい
第3世代 デソゲストレル 比較的副作用が少ない
超低用量ピル エストロゲン20μg以下 ホルモン量が少なく体にやさしい
旧世代ピル ノルエチステロン、レボノルゲストレル むくみが出やすい可能性あり

第3世代の「マーベロン」や「ファボワール」などは、ホルモン量が抑えられており、副作用が比較的穏やかな傾向があります。
むくみが気になる方にも処方されやすく、体質に合わせて第2〜3世代のピルから検討するのがおすすめです。

また、診察時に自身の体質やピルの服用経験を医師に共有すると、むくみにくいピルを医師から提案してもらえることもあります。

医師に伝えておくと良い情報

  • むくみが出やすいタイミング(例:朝・夜、服用開始後何日目)
  • むくみやすい部位(顔・脚など)
  • 同時に出ている他の副作用(例:吐き気、頭痛、肌荒れなど)
  • これまで使っていたピルの種類と副作用の経過

むくみに配慮したピル選びは、自分の体質を正確に知ることから始まります。
医師と協力しながら、継続しやすいピルを見つけましょう。

ピルのむくみは一時的な場合がほとんど!不安な人は種類選びに注意

ピルを服用してむくみを感じるのは、ホルモンバランスが変化する初期に起こりやすい一時的な反応です。多くの場合は1~3ヶ月以内に自然と落ち着くため、過度な心配は不要です。

ただし、症状が強く出る場合や長期間続く場合は、体質に合っていないピルを使用している可能性もあります。その場合は、ホルモン量が少ないピルや、第3世代・第4世代の成分を含むピルなど、むくみに配慮された種類に変更することで改善が期待できます。

むくみが不安な方は、自己判断で服用をやめるのではなく、医師と相談しながら種類や飲み方を見直すことが大切です。正しく選べば、むくみを抑えながら安心してピルを続けることができます。