アフターピルで生理周期が乱れる理由とは?二回目の生理はいつくるのか

2025-04-22
アフターピルを服用したあと、生理がいつ来るのか、周期が乱れても問題ないのか、不安になっていませんか。
特に「生理が遅れている」「二回目の生理が来ない」といった症状があると、妊娠の可能性や体調の異変を疑ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、アフターピル服用後の生理の変化や周期の乱れについて、仕組みと原因をわかりやすく解説します。
アフターピルが生理周期を乱す2つの理由
アフターピル(緊急避妊薬)を服用した後に月経のタイミングがずれることはよくあります。薬の効果が身体に及ぼす影響は個人差が大きく、生理の遅れや量の変化に不安を感じる方も少なくありません。
ここでは、なぜアフターピルの服用によって月経リズムが変わるのか、その仕組みと要因をわかりやすく説明します。
服用のタイミング(排卵前か後か)によって変わる
アフターピルの効果は、服用するタイミングによって生理への影響が異なります。
排卵前に服用した場合は、ホルモンの作用で子宮内膜が先に剥がれやすくなり、生理が早まることがあります。
一方で、排卵直前や排卵後に服用すると、排卵の遅れや内膜の維持が長引く影響で、生理が遅れるケースが多く見られます。
このように、排卵とのタイミングによって、生理が「早まる」「遅れる」どちらも起こりうるのが特徴です。
ピルの種類によって生理への影響が異なる
アフターピルには主に「レボノルゲストレル(LNG)」と「ウリプリスタール酢酸エステル(UPA)」の2種類があり、成分の働きが異なります。
レボノルゲストレルは比較的作用が穏やかで、生理が数日早く来る傾向があります。
一方、ウリプリスタール酢酸エステルは排卵抑制の力が強く、排卵のタイミングを大きく遅らせることがあるため、生理も1週間以上遅れるケースが多くなります。
どちらの種類を服用したかによっても、生理への影響の出方が変わるため、処方時には医師に確認することが大切です。
アフターピル服用後の生理周期や月経痛などの変化
アフターピルを服用したあと、月経のリズムが乱れることは少なくありません。
特に服用後1回目の生理では、予定通りに来ない、出血量や期間がいつもと違うといった変化が見られることがあります。
こうした変化は一時的なものであり、体がホルモンバランスを整える過程で起きる自然な反応です。
ここでは、生理周期のずれの傾向や出血量などの変化とその理由を解説し、体調変化の目安として知っておきたいポイントをまとめます。
服用後1回目の生理で起こりやすいこと
アフターピルを服用すると、排卵の時期やホルモンの分泌に影響が出るため、1回目の月経には何らかの変化が起こりやすくなります。主な変化は次の通りです。
1回目の生理の変化
- 月経開始日が数日〜1週間ほどずれる
- 出血の量が少なくなる、あるいは多くなる
- 月経痛や腹部の張りがいつもと異なる
これらの変化は、ホルモンレベルの急激な変化に体が反応する過程で起こるものであり、ほとんどの場合は心配いりません。
ただし、2週間以上の遅れがある場合や、出血が極端に長引く場合には、婦人科の受診を検討すると安心です。
アフターピル服用後の出血や妊娠の出血と生理の違い
アフターピルを服用すると、数日後に出血があることがありますが、それが必ずしも生理とは限らず、「消退出血」である可能性があります。
この出血は、ホルモンの急激な変化によって子宮内膜が一時的に剥がれることで起こり、通常の生理よりも量が少なく、期間も短いことが特徴です。
一方で、妊娠初期の着床出血も同様に少量の出血が起こるため、見分けがつきにくいことがあります。
「予定よりかなり早い出血だった」「量が極端に少なかった」と感じた場合は、生理ではなく着床出血の可能性も考えられます。
こうした不安がある場合は、性交から3週間以上経過していれば、市販の妊娠検査薬で判定が可能です。
1回目の出血のあとも不安が続くようであれば、検査を行うか、婦人科への相談を検討すると安心です。
消退出血が起こる一般的なタイミングの目安や、ほかの出血との違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
アフターピル服用後に生理周期が安定するのはいつか
アフターピルを服用したあと、生理周期が元に戻るまでには通常1〜2ヶ月程度かかることが多いです。ただし、個人差があるため、3ヶ月ほどかかる人もいます。
長期間にわたり生理不順が続く場合や、月経そのものが止まってしまった場合は、ホルモンバランスの異常が疑われるため、婦人科で相談することが勧められます。
アフターピル服用後に二回目の生理が来ない原因と妊娠の可能性
アフターピルを服用してから一回目の生理があっても、次の生理が予定通りに来ないことがあります。
特に二回目の月経が遅れている場合、ホルモンの影響が長引いているのか、それとも妊娠の可能性があるのか判断に迷う方も多いです。
ここでは、二回目の生理が来ないときに考えられる原因や、適切な対応の目安について解説します。
二回目の生理が来ない原因として考えられること

一般的に、アフターピル服用後の「二回目の生理」は、1回目の出血からおよそ4週間前後で来ることが多いとされています。
ただし、ホルモンバランスの影響やストレスなどにより、1〜2週間ほど遅れることも十分あり得ます。
生理周期が乱れている間は、排卵のタイミングもズレがちになるため、いつも通りの周期と完全に一致しない場合もあります。
あまりにも遅れていると感じた場合は、妊娠以外の要因も含めて冷静にチェックしていくことが大切です。
二回目の生理がこない原因
- ホルモンバランスがまだ整っていない
- 強い精神的ストレスや生活リズムの乱れ
- アフターピルの効果が十分に発揮されなかった
生理が予定より1〜2週間遅れることは想定内ですが、3週間以上こない場合は慎重な判断が必要です。
アフターピル後の出血と妊娠の出血の違い
アフターピルの服用後に出血が見られても、必ずしも生理とは限らず、「消退出血」と呼ばれる反応である場合があります。
この出血は通常、服用から3〜7日以内に起こり、色が薄く、量が少ないのが特徴です。
一方で、妊娠初期に起こる「着床出血」は、排卵から約1週間後にごく少量だけ出血するもので、生理とは区別がつきにくいことがあります。
生理と思っていた出血のあと、2回目の生理がこない場合は、着床出血だった可能性も考えられます。
二回目の生理がこないときの正しい対処法
アフターピル服用後の二回目の生理が遅れている場合、どれくらいの期間遅れているかによって正しい対処が異なります。
1週間まではむしろ焦らず様子見することが大切ですが、1週間を超えてくると妊娠検査薬の使用や医師への相談が必要になってきます。
遅れの期間 | 考えられること | 対応の目安 |
---|---|---|
〜1週間程度 | ホルモンバランスの乱れによる一時的な遅れ | 様子を見ながら生活習慣を整える |
1〜2週間 | 排卵の遅れやリズムの回復中 | 不安があれば妊娠検査薬を検討 |
3週間以上 | 妊娠の可能性/ホルモン異常の可能性 | 妊娠検査薬の使用と婦人科受診を検討 |
1週間~10日ほど経過したら妊娠検査薬の使用を検討
アフターピルの避妊効果は高いですが、100%ではありません。特に性交後72時間を超えていた場合や、服用後すぐに吐いてしまった場合は、妊娠の可能性もゼロではありません。
性交から3週間以上が経過していれば、市販の妊娠検査薬で正確な判定が可能です。
「二回目の生理が10日以上遅れている」「不正出血があったが妊娠も不安」という方は、早めに検査を行うと安心です。
3週間以上生理がこない場合は医師に相談

生理予定日から3週間以上経過しても出血がない場合、または出血が極端に少なく短時間で終わった場合は、婦人科での相談を検討しましょう。
妊娠の可能性がある場合だけでなく、ホルモン異常や子宮の疾患が隠れていることもあります。
医師に相談するべきケース
- 生理が3週間以上来ていない
- 妊娠検査薬で陽性反応が出た
- 極端な腹痛や不正出血を伴う
早期の受診によって、身体への負担を減らし、安心して次の対応へ進むことができます。
アフターピルによる生理周期の乱れはよくある!正しい知識をもって対応
アフターピルを服用したあと、生理が早まったり遅れたりするのは、ホルモンバランスや排卵のタイミングに一時的な変化が生じるためで、決して珍しいことではありません。
服用のタイミングやピルの種類によって影響の出方が異なるため、必ずしも毎回同じとは限らず、不安に感じる方も少なくないでしょう。
多くの場合、生理のずれや出血量の変化は一時的なもので、1〜2ヶ月ほどで自然と落ち着いていきます。
ただし、3週間以上生理が来ない場合や、強い痛み・不正出血などの異常があるときは、妊娠の可能性も含めて早めに医師へ相談することが安心につながります。
正しい知識を持ってアフターピルを活用し、不安があれば早めに専門機関に頼ることで、自分の体を無理なく守っていきましょう。
アフターピルの処方に対応しているクリニックには、オンライン診療対応でさらに即日発送が可能なクリニックもあります。
緊急性の高いケースが多いアフターピルだからこそ、クリニック選びは慎重に行いましょう。
出典・参考情報
-
厚生労働省. (2022). 緊急避妊に関するQ&A. 厚生労働省.
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000196924.html -
日本産婦人科医会. (2022). 緊急避妊の知識. 日本産婦人科医会.
https://www.jaog.or.jp/public/shusanki/emergency-contraception/ -
国立成育医療研究センター. (2023). 思春期外来. 国立成育医療研究センター.
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/clinic/shishunki/ -
World Health Organization. (2022). Emergency contraception: Key facts.
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/emergency-contraception -
U.S. National Library of Medicine. (2022). Emergency contraception. MedlinePlus.
https://medlineplus.gov/ency/article/007014.htm