フリウェルに避妊効果がない理由とLD・ULDの違いを解説

フリウェルに避妊効果がない理由とLD・ULDの違いを解説

2025-05-16

※本記事でご紹介する施術はすべて自由診療(保険適用外)となります。

フリウェルLD・ULDは月経困難症や子宮内膜症の治療薬として広く利用されていますが、避妊を目的としたピルではありません。

避妊目的で利用していると、思わぬタイミングで妊娠リスクが生じる可能性があるので、フリウェルの効果を理解して正しい使い方をすることが大切です。

この記事では、フリウェルLD・ULDの避妊効果に関する正しい知識と、服用時に注意すべきポイントを解説します。
他のピルとの違いを理解し、自分の目的に合ったピル選びの参考にしてください。

フリウェルに避妊効果はない?何の目的で処方を受けられるのか

フリウェルに含まれるホルモン成分には、排卵抑制や子宮内膜の変化など、避妊ピルと共通する作用があります。
しかし、処方の目的はあくまで月経困難症やPMSの治療であり、避妊専用の薬としては設計されていません。

フリウェルに含まれる成分とその働き、そして避妊薬との違いについて詳しく解説します。

フリウェルの主な成分と働き

フリウェルの主な効果

フリウェルは、避妊に似た作用を持つホルモン薬ですが、実際にはPMSや月経困難症などの治療を目的として処方される医療用ピルです。

成分としては、エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)とノルエチステロン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンが含まれています。
2つの女性ホルモンは、排卵を抑える・子宮内膜を薄く保つ・子宮頸管の粘液を変化させて精子の侵入を妨げるという避妊ピルと同様の働きを持っています。

ただし、フリウェルは「避妊を主な目的としたピル」ではなく、ホルモンバランスを調整することで、月経痛やPMS(月経前症候群)の症状を和らげる治療薬(LEP製剤)です。

避妊効果に似た作用があるからといって、避妊を第一の目的にフリウェルを使用するのは不適切です。
国内では現在17種類のピルの処方が受けられるので、自分の目的に適したピルを他の種類から探すことが賢明な判断です。

避妊目的の処方は国内では認められていない

フリウェルは日本国内において、避妊目的での処方は認められていません

厚生労働省が定める分類では、避妊を目的とした薬剤は「経口避妊薬(OC)」とされており、フリウェルはあくまで月経困難症やPMSの治療を目的としたLEP製剤に該当します。
避妊目的だけでフリウェルを処方することは、公的には推奨されておらず、保険適用も認められていません。

一方、海外ではLEP製剤とOCの区別が明確でない国もあり、フリウェルに類似した成分のピルが避妊目的で使用されるケースも見られます。
ただし、日本では「治療用」と「避妊用」で処方方針や使用基準が明確に分かれており、診察内容・目的に応じた使い分けが重要とされています。

避妊を主な目的とする場合には、フリウェルではなく、避妊用に設計・認可された低用量ピル(OC)の使用を検討しましょう。

避妊目的で人気のある低用量ピルの種類としてはトリキュラーやアンジュがあげられます。
種類の一覧や、目的別の選び方など、低用量ピルの購入前に知っておくべき情報をまとめました。

フリウェルの使用が向いている症状とは

フリウェルは、月経に関連する複数の不調に悩む方に適した治療薬です。

フリウェルが効果を発揮しやすい代表的な症状

  • 月経時の激しい下腹部痛や腰痛
  • PMSによる情緒不安定、頭痛、イライラ
  • 排卵期の不正出血や下腹部の違和感
  • 経血量が多く、日常生活に支障が出る

女性ホルモンの急激な変動や排卵・子宮内膜の増殖が関係している症状には、フリウェルが特に効果的なピルです。
フリウェルは排卵を抑え、ホルモンバランスを安定させることで、症状の根本にアプローチしてくれます。

また、継続的な服用により生理周期を一定に保ち、事前に生理のタイミングを予測できるようになるため、生活の計画が立てやすくなるというメリットもあります。

日常生活に支障をきたす月経関連症状に悩んでいる方には、フリウェルが原因への根本的なアプローチと予防的なコントロールを同時に行える治療薬として向いています。

LDとULDで効果は違う?フリウェルの種類を比較

フリウェルには、ホルモン量が異なる「LD(Low Dose)」と「ULD(Ultra Low Dose)」の2種類があり、どちらも月経困難症やPMSの治療に使用されます。
効果や副作用の現れ方が異なるため、自分に合ったタイプを選ぶことが継続の鍵になります。

フリウェルLDとULDの特徴と違い

フリウェルLDとULDの違い

LDとULDの最大の違いは、エチニルエストラジオール(卵胞ホルモン)の含有量です。
ホルモン量の差が、治療効果や副作用の出方に影響します。

フリウェルの種類別比較
項目 LD ULD
ホルモン量 エチニルエストラジオール 0.03mg エチニルエストラジオール 0.02mg
治療効果 ◎治療効果が高い ×LDよりも治療効果は低い
不正出血 ◎不正出血が比較的起こりにくい ×不正出血が比較的起こりやすい
副作用 ×吐き気・むくみなどの副作用リスクあり ◎副作用が少なめ

LDは、月経痛やPMSが重い人に向いており、早期の効果を実感しやすい一方で、吐き気やむくみなどの副作用が出ることもあります。 一方のULDはホルモン量が少ないぶん体への負担が軽減されますが、不正出血が起こりやすく、安定するまでに時間がかかることもあります。

ホルモン量の違いによる影響を理解しておくことで、自分に合ったピルを選ぶ際の判断基準になります。

ピルの副作用に不安のある方向けに、よくある症状やいつまで続くのか、正しい対処法をまとめています。

LDとULDがそれぞれ向いている人の特徴

LDとULDは、症状の重さや副作用の出方によって使い分けるのが基本です。選ぶ際には、目的と体質を明確にしましょう。

タイプ別に向いている人の特徴

  • LDが向いている人:強い月経痛や出血量がある人/PMS症状が明確な人/治療効果を重視したい人
  • ULDが向いている人:吐き気・頭痛などの副作用が出やすい人/過去にピルで体調を崩した人/初めてピルを服用する人

どちらが優れているというよりも、症状・副作用の出方・継続のしやすさを基準に、医師と相談しながら選択することが大切です。

避妊目的ではフリウェルが推奨されない理由

フリウェルには排卵を抑える作用があるため避妊効果も期待されがちですが、本来は避妊を目的として処方される薬ではありません。
ここでは、避妊用ピルと治療用ピルの違いを明確にし、フリウェルを避妊目的で選ぶことが適していない理由を解説します。

治療用ピルと避妊用ピルの違い

治療用ピルと避妊用ピルの違い

避妊目的でピルを使いたい場合は、初めから避妊用ピルとして設計された薬剤を選ぶことが基本です。
フリウェルは月経困難症やPMS治療を目的としたLEP製剤であり、同じホルモンを含んでいても目的と設計が異なります。

治療用ピルと避妊用ピルの比較
治療用ピル(LEP) 避妊用ピル(OC)
主な目的 月経困難症やPMSの治療 避妊を主目的とした服用
代表的な薬 ・フリウェルLD
・フリウェルULD
トリキュラー
マーベロン
・ファボワール
保険適用 〇(保険適用) ×(自由診療)
長期使用の方針 6ヶ月〜1年ごとに再評価して継続可 年齢や健康状態に応じて調整しながら継続可

効果の現れ方や保険適用の有無、長期的な使用方針も異なるため、使用目的に合ったピルを選ぶことが大切です。

自分に合ったピルを選ぶためのポイント

ピルを服用する目的によって、選ぶべき薬の種類は異なります。
副作用・効果・ライフスタイルとの相性を踏まえた上で、医師との相談のもとに選択することが、安心して継続するための第一歩です。

目的別のピル選びの基本
目的選ぶべきピル
避妊を最優先したい避妊用ピル(OC)
例:マーベロン、ファボワール
PMS・月経痛の改善治療用ピル(LEP)
例:フリウェルLD/ULD
副作用が不安・初心者ホルモン量が少ないピル(ULD)

選ぶ基準が曖昧だと、期待する効果が得られなかったり、体質に合わずに中断してしまうこともあります。
ピルは「避妊か治療か」ではなく「何を優先したいか」で選ぶことが大切です。

避妊効果を求めるならフリウェルではなく避妊専用ピルを

フリウェルには避妊に似た作用があるものの、厚生労働省の認可は治療目的のみに限られています。

「避妊したいからフリウェルを飲む」は正しい使用方法ではありません

避妊を目的とするのであれば、必ず避妊専用の低用量ピル(OC)を選び、医師と相談の上で服用を開始してください。