患者安全委員会
国際美容外科学会(ISAPS)の学会が始まりました。初日の朝の7時半から、早速委員会の会議です。
ISAPSには20くらいの委員会があります。私は現在二つのコミッティーに所属しています。その一つが患者安全委員会、Patients Safety Committeeです。メンバーは世界中から10人ほどが選ばれています。
1時間半の会議でしたが、主な議題の一つは、豊胸のために非吸収性の注入物を使用する医師がまだかなりあることです。簡単な方法に見えますが、後遺症が多発していて、これを完全に治す方法がありません。
委員会のアクションとしては
「世界中の医師にこの治療は、ISAPSとして容認てきないことをアナウンスする」
「一般の患者さんには有害な治療であり、受けてはいけない方法である」
この2点ををメディアを通じて知らせることです。
また、脂肪吸引で亡くなる患者さんが多いのも深刻な問題です。これは医師の知識と技術の問題なのですが、ISAPSとしてどのように対策を取るかについては、国によって法律の問題などがあり、継続審議になっています。
さらに日本では、
「成長因子の注入による後遺症の問題」
「無資格のカウンセラーによる治療方針の誘導」
「初診の日に急いで手術をしてしまう」などの問題も話しました。
この問題については、法律で取り締まるべきという意見が多く、委員会でさらに案を相談して、理事会経由で厚生労働省に意見を送るという方針になりました。
写真は、委員会に出席したメンバー全員です。