小倉で思い出したこと
北九州市の小倉というのはなんとなくとても面白い街です。小倉北区はちょっと住みにくい場所なのかもしれませんが、私の住んでいた小倉南区は、とてものどかないいところでした。私自身は京都生まれの京都育ちなので、小倉に転勤になるまでは物心がついてからは京都しか住んだことがありませんでした。京都という街は他の地区から引っ越した人にはとても面倒なところなのかもしれません。一応上品な街ということになっていますので、とにかく本音でものを言わないですよね。
以前京大病院のある看護師さんが北海道出身で、いきなり京大病院勤務になり京都に引っ越してきたそうです。引っ越して間もない頃に近所でお祭りがあったそうで、近所のどなたかが寄付を集めるために家に来られたそうです。京都の人はまずいきなり寄付のお願いです、、なんて言えないですよね。そこにたどりつくまでに、どうでもいい話が多すぎるわけです。いきなり寄付を集めてるのでお金をくださいなんて京都の人は絶対に言わないです。それで北海道出身の看護師さんに、町内のお祭りがあるんですよね、、。それでもしいやだったらどうでもいいんですけど、町内会でお祭りのための寄付を集めようかみたいなことになっていますねん、、みたいなことだったと私は想像しているのですが、、。それで彼女はいやです、寄付はしませんって言ってしまったのだそうです。ジャーン、、、ですよね、全く。その後京都のことなので、あちこちで陰口をたたかれたそうです。今度町内に引っ越してきた〇〇さん、きっつい人でっせー、寄付を断らはりますねん、どう思います?感じワルー。多分こんな調子だったのでしょうね。彼女に言わせると寄付がほしいならほしいって言えばいいじゃん、、みたいな。どっちもどっち、引き分けですね。
こんな感じの京都から小倉に引っ越してからはびっくりの連続でした。小倉ってもう皆さん思ったままをはっきり言いますし、京都のようにお隣にはどんな人が住んでいるのか、よくわからないというようなご近所はまずありません。初めてお向かいの家の奥様に出会ったのは、雨が降り出したある日のことでした。いきなり知らないおばさんが私の家に入ってきて(小倉はあまり昼間に鍵をかける家がないのです)2階に駆け上がってしまったのです。私が知らないおばさんが家にいきなり入ってくるなど、京都なら警察に電話しよか?です、とにかく。しばらくしてから「雨やけねー、洗濯物を入れといたけねー。」と大きな声でわめきながら家を出て行かれました。私は今の誰?、、みたいな。なにしろ見たことのないおばさんでしたから。
それ以後このおばさんのご主人も同じような感じで、夜の9時くらいにいきなり私の家に来られて、「いい焼酎が入ったとですよー」と焼酎をぶら下げてうれしそうに私の家に入って来られました。焼酎をくれるのかなあ?と思ったりしたのですが、一緒に飲まんですかーと言いながらそのまま家に上がって来られました。それからいきなり宴会が始まるのです。途中でこのお隣さんは私の家で寝てしまうし、、、。京都ではありえないです。まあ、こんな感じの暮らしでしたねえ、小倉は。ご近所で本当にいい人が多くて、今もお付き合いが続いているのはありがたいことです。小倉南区は京都にはおられないタイプのとてもいい人がたくさん住んでおられます。