台湾形成外科学会ノルドフレクチャー
ノルドフ教授という台湾の形成外科の歴史に残る教授がおられます。アメリカのキリスト教会の派遣で、アメリカのアイオワ州から台湾に来られて、台湾の特に形成外科の発展に生涯を尽くされた方だそうです。台湾形成外科学会の創始者の一人で、同時にチャンガンメモリアル病院の形成外科を創設されたので、台湾形成外科の父のように言われておられます。台湾形成外科学会では毎年この教授の功績を称えるために世界から一人だけノルドフレクチャーと言われる講演を依頼して、台湾形成外科学会に講演のために招待されているようです。この連絡が今年の夏に私に来たわけです。あらかじめこういうタイトルで講演をお願いできないかというような話でした。もし承諾いただけるのであれば、せっかく台湾に来てもらえるので、ついでにチャンガンメモリアル病院で客員教授として講演、診察、手術方針の討論、医師とのディスカッションにも参加してもらえないか?さらに台湾形成外科学会でもう一つ別に講演をしてほしいというような内容でした。
とても名誉なことですし、台湾の形成外科や美容外科にも知り合いの医師もたくさんおられますので、そのまま引き受けることにしました。このノルドフレクチャーは今回で23回目だそうです。過去には私が形成外科の教科書として読んでいた著者の先生も講演の歴史の中に入っています。第1回の講演をされたロングエイカー先生(USA)や第3回の講演をされているゴールドウィン先生(USA)などはあまりにも有名な先生方です。日本人では私が二人目になり、一人目は2005年に永田先生(小耳症の手術の開発者で世界的に有名な先生で、耳の再建手術のスペシャリストです)がこのレクチャーをされています。
歴代のすごい先生方のあとを汚すことのないようにレクチャーは本当に頑張って準備しました。ただ自分で話したいことではなく、台湾形成外科学会から、今回はメンターシップ(リーダーシップ)と美容外科の技術習得というような、何を話せばいいのかなあ?と考え込んでしまうようなタイトルをもらいました。台湾形成外科学会の準備委員会の先生方とも相談して話す内容を絞っていきました。いつも世界のあちこちで講演する内容は手術手技についてのものばかりたったので、今回はすこし戸惑いながらのプレゼンの準備でした。なんとか今は無事に終わってほっとしています。