ホクロの取り方
他院でホクロを除去したあとがケロイドのようになったり、目立ってしまったという方が治療を希望して来院されるケースが最近多いように思います。ホクロは基本的に炭酸ガスレーザーで除去したり、切除したり、いわゆる焼灼と言われる熱凝固で除去することが多いと思います。炭酸ガスレーザーの欠点はホクロの大きさ以上にやけどのあとが残ったり、出力が強すぎて、キズが目立ってしまうことがあるということです。切除の場合は、どうしてもキズが長くなってしまうという欠点があります。小さいほくろであれば、すこしずつ熱凝固で黒い皮膚を除去していって、黒い色調が取れたところで凝固を終了するという方法が最低限のキズで除去できたということになります。つまり熱凝固(焼灼)が一番きれいに仕上がるということです。
またもともとの肌質を確認しておくということも大切です。一般に白い肌、赤ら顔、脂性などの方はキズがとてもきれいになり、目立つことはありません。心配な肌は乾燥肌で、浅黒い肌の方です。また体全体のキズを見てもらって、キズにケロイド傾向があったり、色素沈着が目立っているとか、キズにかなりの光沢があるような方の場合は、ホクロを除去したあとも同じような経過を取る可能性が高いわけです。また、たとえば顔にたくさんのホクロがあるような場合では、一度にすべてのホクロを除去するというようなことはしないほうが安全です。1-2コだけを除去してみて、除去後にケロイド傾向がないかなど、経過に問題が出ないことを確認してから、その他の多数のホクロを除去するという安全な手順を取ったほうがいいと思います。正常な経過の場合は、1週間から10日程度はかさぶたがついていて黒くなっていたり、赤みがかなり目立つ状態になっています。それ以後は数ケ月から1年ほどはわずかの赤みが続くかもしれません。最終的には次第に赤みが消えていって、白っぽい目だないキズになっていきます。キズの経過によっては軟膏や内服薬を使用してキズがよりきれいになるような努力が必要なケースもあります。