サブシジョンについて
日本美容医療協会の相談室で回答も行っていますが、最近サブシジョンについての混乱があるように思います。サブシジョンという言葉は学会で正式に定義された治療方法という段階にはまだなっていません。もともとは皮膚のへこみの変形部分に対して、針で皮下の瘢痕を剥離して皮膚を薄く浮き上がらせて平坦にして、その直下の空洞になった部位に微量の脂肪を注入します。この形状を維持して固めるために、3か月間ピタシートや何重にも重ねてテープをはって平坦な皮膚に完成するという方法を意味すると思っています。ところが、日本美容医療協会の患者さまからの問い合わせを見ていると、針での剥離だけを行うとか、針で剥離をして直下にヒアルロン酸を入れるなどの方法を行っているクリニックがいくつかあるようなのです。針の剥離だけでは皮下に空洞があるので、皮膚がここに落ち込んで、元のへこみに戻ります。つまり針での剥離操作だけでは何も改善しません。ヒアルロン酸を入れる方法は脂肪を採取する手間がいりませんが、ヒアルロン酸は吸収性のものなので、半年くらいで吸収されてへこみが再発することになります。皮下直下には微量の脂肪を入れる必要があります。脂肪が生着すれば、これで平坦な皮膚がずっと維持されることになります。一部のクリニックでの治療方法は私は賛成できません。