豊胸インプラントの除去の方法
過去にインプラントによる豊胸を受けた方で、そろそろバッグの除去か、入れかえなどを検討されている方も多いと思います。バッグにも劣化という問題があり、現在は豊胸手術を受けてから大体15年くらいで入れ替えをするか、除去をするのが望ましいということになっています。古いバッグは外膜の劣化が起きることがあって、これが起きると肉芽種ができたり、周囲に石灰化が起きて、痛みが出たり、バストの一部が硬く触れるようになったり、出血やリンパがたまったり、レントゲンで影が出たり、引きつれなどが出る可能性もあります。病気になることはないのですが、上記のようないろいろのトラブルが起きてくる可能性もあるわけです。定期検診を受けてもらっている方であれば、このような異常があれば検査でわかりますので、毎年の検診を受けていれば早期に対応ができるわけです。
バッグの入れ替えや除去を行う場合、実際に行う方法は3つのものがあります。バッグの除去のみ、除去と同時に脂肪の注入をしてバストがかなり小さくなるようなことを防ぐ、バッグを除去して、新しいバッグを入れる、などになります。除去のみを行う場合、バストは本来の今の状態のバストに戻ります。豊胸前のバストには戻りません。したがって、以前よりかなり小さいバストになるかもしれませんし、多少下垂などが残るかもしれません。除去のみを行う場合、除去後1カ月はバスト全体の軽い圧迫固定が必要です。これをやっておかないとバスト内に血液やリンパがたまることがあり、これが起きるとバスト全体の収縮が始まりますので、凹凸が残ったり、かなりの下垂のような状態が残ることがあります。この修正はかなり難しいことが多いので、1カ月の軽い圧迫固定は絶対にしておく必要があります。また脂肪注入を行う場合、一度にあまり多量の脂肪注入をすると血流の再開が起きないことがあり、注入した脂肪の壊死や溶解が起きて、しこりができたり、注入した脂肪があまり生着しなかったりするトラブルが起こります。このため状態によっては3か月後くらいに2回目の脂肪注入をしてご希望のバストの大きさになるような調整を行う必要があるかもしれません。脂肪注入を行う場合はバッグの除去と同時にしたほうがバストのやわらかさがあるので、脂肪の生着率が高くなるということがわかっています。バッグの除去の際に新しいバッグを入れておくのはとても簡単な方法で、バストの大きさも自由に選択ができます。以上3つの方法からご希望の方法を選択されればいいと思います。ただ脂肪注入をご希望の場合だけは採取する脂肪が必要になりますので、あまり痩せているという体形の場合は、この方法が難しいという場合もあると思います。