脂肪注入で膨れ過ぎた場合
最近脂肪注入で生着した脂肪が多すぎて修正したいという相談がかなり多いので、ここですこしまとめてお話ししておきたいと思います。脂肪注入を行う場合、まず局所麻酔で何cc入れるときれいな仕上がりになるかという量を測定しておきます。脂肪注入の生着率は患者さん本人の健康状態や部位や後の管理などでかなりの差が出ることがあり、当院でのデータでは大体7割から9割程度の生着率になっていると思います。たとえばタバコを吸うような方や糖尿病、貧血などの病気のある方や、注入部位の1か月程度の安静が保てない方は生着率が低くなります。患者さんの状態によって、この測定量の10-20%多めの脂肪の注入を行っています。注入から3か月程度待ってから追加の注入が必要であれば、再度脂肪注入を行うという方針が楽で確実にご希望のラインを得るための方法と思っています。当院での手術ではこういう方法により入れすぎというようなトラブルはほとんど経験しません。
当院に修正を求めて来院される方は注入量が多すぎて希望の顔ではない仕上がりになったとか、しこりができて凹凸が目立つなどの悩みで来られています。これらについては当院で開発した方法、つまり針で生着した脂肪やしこりを壊して吸引できる状態にしながら脂肪吸引と同じ方法で減量することができるようになっています。脂肪注入で生着した脂肪は通常の脂肪吸引では全く吸引ができないくらいの状態になっているのですが、針で壊せば吸引で脂肪が出てきます。ただこの量が大量には出て来ないので、3か月後くらいにこの手術を繰り返す必要があるかもしれません。これで再度減量ができることになり、最終的には目的とした平坦で希望された顔のラインに仕上げることができます。いずれ学会や論文でこの技術を発表する予定ですが、今の段階ではまだ公表していない技術なので、一般的にはまだ知られていない技術になっています。また学会発表や論文発表の場合、技術的には多少難しい手技なので、ビデオを作成して公表したいと考えています。そのためのビデオ作製に協力していただける患者さんも募集しています。もしご協力いただける方があれば、ぜひお知らせいただけると助かります。なお、ビデオについては世界の美容外科医が見ることになりますが、一般には公開されることはありません。なお、私の開発したこの方法についてお問い合わせがかなり多いので、毎回針で壊して吸引を行う方法などのような説明をするのが大変なので、この方法の名称として「ニードルサクション」という名前にしたいと思います。針で吸引のそのままの訳になります。