眉下切除?眉上切除?二重のラインで切除?
まぶたのたるみがある場合、現在日本でポピュラーな手術は眉下切除になっていると思います。日本人ではまつ毛に近い皮膚はとても薄く、眉に近い部位の皮膚は厚みがあります。従って二重のラインで皮膚を取りすぎると、切除の下側の薄い皮膚と、上側の分厚い皮膚を直接縫合することになるので、仕上がりがむくんだような目になってしまいます。この限界は私は3-4ミリまでと思っています。それ以下の狭い幅の皮膚切除であれば、二重のラインでの皮膚切除できれいに仕上がります。それ以上は眉下切除が安全です。
ただ眉下切除の場合は正確に言うとごく小さい幅で眉がすこし下がることになります。この眉の下がりが困るという方もまれにあります。要するに眉も引き上げておきたいというケースです。このような場合、白人では眉上で皮膚を切除してきれいになりますが、日本人の場合、眉上の切除のキズが目立つことが多いと思います。これは肌質を医師の側でかなり慎重に判断して、キズが目立つことがないか正確に予想しなければなりません。判断を誤るとキズが目立って、修正ができないということが起こります。肌質によっては、眉のすぐ上ではなく、さらに2センチほど上で皮膚を切除したほうがキズが目立たないということもあります。この判断は美容外科医としてかなりレベルの高い判断になります。あるいはこれらの部位での皮膚切除に問題があるという場合は、どうしても眉をひき上げる必要があれば、額のリフトを検討する必要があるかもしれません。生え際の前や頭髪内のいずれかが切開する部位になります。額の狭い方は頭髪内でもいいと思いますが、額の広い方の場合は、頭髪内で額のリフトをすると、さらに額が広くなるという問題がありますので、こういう場合は生え際の直前で皮膚を切除するのが理想です。万一生え際のキズが目立つということがあれば、このキズに1-2本ずつ植毛をしてキズを隠す方法を取ることもできます。