王宮でのガラディナー
インドネシアの学会最終日にはソロの王宮でガラディナーが開催されました。インドネシア形成外科学会というのは今はかなり大きな組織になっていて、この学会のガラディナーには世界中から招待された私を含めた講師陣(ファカルティー)もぜひ出席してくださいとあらかじめ連絡をもらっていました。その際に、このガラディナーにはインドネシアのスルタン(王様)の一人が参加されるので、服装はセミフォーマルか、フォーマルで参加のこととか、女性は肌を多く出すような服装は禁止とか、服装の模様についても、いくつかサンプルの写真が送ってきていて、要するにこのような模様の服はロイヤルファミリー専用のものになるので、王宮のパーティには着てくることは禁止しますという案内をもらっていました。なんとも珍しいガラディナーですが、そもそも学会にその国の王様が出席するなんて経験はないですもんね、普通。
まあ、とにかく豪華な夕食会なのだなあととても期待していたわけです。どんな食事が出るのかなあなんて誰でもすごく期待しますよね。最初にびっくりしたのはホテルから王宮までファカルティーのためのバスが出るのですが、このバスはインドネシア警察の白バイが先導してくれました。サイレンを鳴らしながら赤信号もとにかくすべて一度も止まらず、王宮まで直行でした。赤信号を無視して突っ走るバスって初めての経験で、まあとにかく爽快な経験でした。信号には多くの車やバイクが待っている中をあっと言う間に王宮に到着しました。先導してくれる白バイって後ろから見てるとすごーくかっこいいんですよね。でも先導してくれた警官がヘルメットを取ったらがっかり、、、、なんてね。ありですよね。これですね。当院のスタッフの一人がミュージカル好きで、美女と野獣の最後のシーンで野獣が王子様に生まれ変わる場面がありますよね。あの場面で王子様が彼女のイメージと違い過ぎて金返せーって叫びそうになったという話でふと思ったりしたわけです。すみません。警官の方はきっとかっこいい青年だったということで、、、。
王宮はたしかに豪華な場所で、ソロのスルタン(王様)も参列されました。ただ歓迎の挨拶を少しされただけで、20分ほど滞在されて護衛の兵士たちとすぐに退席されました。一緒には食事をされなかったようです。まあ、とにかく珍しい経験でした。インドネシアに来てからの食事はずっとインドネシア料理ばかりが続いていて、なんとなく、においが苦手なものが多かったり、からくてつらかったり、はっきり言ってあまり美味しいものがなかったわけですが、それに、それに重大な問題として、こちらでは宗教的な理由で全くお酒が出ないのです。これは過去に3回もインドネシアの学会に招待されていますので、十分わかっていることで、今回もお水やジュース、お茶などで食事をしていたわけですが、ほぼ毎日何かのお酒を飲んている私にとっては、何日も全然お酒を飲まない日々って健康に悪そうで、その方が気になっていました。この王宮のガラディナーでもお酒は全く出ませんでした。チクショー、、、ですよね、もう。こちらの食事については朝食も昼食も夕食もずっとインドネシア風ばかりで、これはかなりつらかったです。朝食もにおいが気になるものが多かったり、すごくからかったり、見た目がどうも苦手というのも多くて、、。健康なのに朝から食欲がなくなるっていうのもねえ。でもスイカだけはものすごく甘くて美味しかったので、毎朝、たくさんのスイカとコーンフレークとバンばかり食べていました。ランチも似たような感じだったので、もう王宮のガラディナーは今日は頼むよーみたいな、、、祈るような気持ちでガラディナーに行ったわけです。
王宮での食事は久しぶりの洋食で、こちらに来て初めてインドネシア以外の味を楽しめました。踊りなどのショーもあれこれあって、美しい王宮の中で世界から招待された先生方ともたくさん話ができて、楽しい思い出ができました。でもお酒が出ていればもっと幸せだったなー。まだ言うか、、、。
-
ファカルティーのバスを先導する白バイ。
-
王宮に入った付近。
-
王宮の一部。
-
夕食会のテーブル。この中央付近にスルタンが座られました。
-
王宮。
-
インドネシアの楽団の前で。
-
ガラディナーでのショー。
-
ショーの一部。
-
タイから招待されたドクター二人と。