法令線の対策
法令線ってわりに加齢によって目立つものですよね。体重が急に減ったような場合も、この部分が目立ってくることがあります。やつれたように見えたり、実際に老けて見えたり、困った問題です。美容外科では法令線のこういう問題に対する対策があります。状態によっていくつもの方法があるわけですが、簡単なものはヒアルロン酸やレディエッセの注射です。いずれも吸収性のものなので、半年から1年くらいで元の状態にもどることになりますが、注入後20分程度で洗顔も化粧も可能なので、あとの管理がいらないという点でとても楽な方法です。ただまれに内出血が出ることがありますので、この点は化粧で隠すなどの手間がかかるかもしれません。内出血は出ても1週間から10日程度の問題ですが、、。ヒアルロン酸やレディエッセよりもしっかり膨らませたいという場合は脂肪の注入が最適です。これは法令線の中にじん帯があって、この部分がふくれにくいわけです。顔の皮膚が垂れ下がってしまわないように皮下で細かい木の根のように骨から皮膚にいくつも髪の毛のようなじん帯がつながっていて、これにより顔の皮膚が垂れ下がらないようになっています。この部分が膨れにくいわけですが、ヒアルロン酸やレディエッセなどは注入する針がかなり細いものなので、皮膚がふくれにくい原因であるこのじん帯を針でゆるめて膨れやすい状態にするための処理ができません。一方脂肪注入の際に使用する針はもうすこし太いので、皮膚が膨れにくい部分を見つけて、この皮下にあるじん帯を少しだけ緩めることができます。この操作によりより十分なふくれみが得られて若い印象を作ることができるわけです。翌日の朝まで法令線にテープをはってもらう必要がありますが、翌日からテープは不要で、化粧も洗顔も入浴も可能になります。また採取部は腹部や大腿を使用することが多いのですが、この部分は翌日から入浴は可能ですが、それ以外の間は1週間ほど包帯などで圧迫が必要になります。一度生着した脂肪は一生残りますので、ヒアルロン酸やレディエッセなどのように定期的な補充がいらないというのが最大のメリットです。
法令線の状態によってはフェイスリフトでほほのたるみをもちあげて、これと脂肪の注入を併用するのがもっとも若返りの効果が強く出るというケースもあります。これは診察をして、ベストの対策を相談するということができます。大体以上のようにヒアルロン酸、レディエッセ、脂肪などの注入、あるいはこれらとフェイスリフトの併用などがよく使用される方法です。プロテーゼを入れるという方法もありますが、ほとんどのケースで将来加齢により皮膚や皮下脂肪が薄くなってくるとプロテーゼの段差が浮き出てくることになり、この修正が将来必要になることが面倒な問題と思っています。私のクリニックではこういう理由で、法令線の対策としてプロテーゼは使っていません。