国際美容外科学会(ISAPS)の活動-世界で行われる教育講習会
私自身は長い間国際美容外科学会(ISAPS)の教育委員会(Education Council )と理事会で活動をしています。教育委員会はチェアも2年間担当しましたし、理事会では2年間会長も務めました。教育委員会の活動がISAPSのもっとも大切な活動になります。これは一年間に25-30回くらい世界中のいろいろの国でISAPSから合計6-20人くらいの講師陣を招待して、自分の手術方法を講演したり、実際に現地の患者さんの手術を担当して、手術室と学会会場をつないで、会場から質問を受けながら、実際の手術を担当して指導するというものです。いわゆる講習会という性質の学会で、ISAPSコースと呼ばれています。目的は患者さんの笑顔です。安全でいい結果を出すための各自の方法を指導するということが使命になっています。私自身もコロナの問題が起きる前までは会長や教育委員会のチェアをしていた間はほぼ毎月くらい外国に出る必要がありました。会長の2年間は基本的に招待を受ければ断るということができないことになっていましたので、このコースに出席するために2年間で26か国を訪問して、あちこちで講演をしたり、現地の患者さんの手術を担当していました。
いろいろたくさんのいい思い出がありますが、南アフリカでも2回このコースに参加したことがあります。2回ともケープタウンで学会が開催されました。どちらも3日間のコースで、一度はケープタウン市内ではなく、そこから車で1時間くらいかかるスピアというワイナリーの中で開催されたことがあります。これは市内の治安が悪いという理由で、スピアワイナリーの中は警備が完璧で治安の問題がなく、ワイナリーの中にレストランが3つあって、プールも7つくらいあり、さらに大きい学会会場や劇場などもあって、チータと遊べるような小さい動物園のようなところもあり、広大な敷地の中で自由に安全にしていられるということがこの地を選んだ理由でした。学会会場の横にはテーブルマウンテンというちょうどテーブルのような形の山があり、そこから毎日雲が絶壁を流れ落ちる様子は、雄大な滝の水がゆっくり流れ落ちてくるようで実に美しい景色を毎日見ながらコースに参加していました。手術だけはケープタウン市内の病院に戻って、担当する必要がありましたが、あとはワイナリーの中で講演をするのも楽しい毎日でした。参加者も南アフリカの形成外科医、美容外科医の8割くらいが参加し、さらに世界中から30人くらいの医師も勉強のために参加されているという盛況でした。
コースのあとはせっかく世界中から多くの医師を講師として招待していますので、講演や手術に対するお礼という意味で、通常可能な医師はコース終了後一緒に観光を楽しむというスタイルになっています。この時は全体の半数くらいのISAPS講師の医師たちがサファリに招待されました。いくつか懐かしい写真をお見せします。コロナの問題が解消すれば、またこのような教育コースが世界中で再開されることになります。
サファリツアーに参加した医師
ツアー中
サイの母子
ヒョウ
テーブルマウンテン