国際美容外科学会、ISAPS について
国際美容外科学会の理事として12年間、会長として2年間、この学会で働いてきましたが、この間は世界のトップレベルの本当に素晴らしい美容外科医の方々と一緒に仕事ができて実に楽しい経験になっています。
この学会は現在世界に5100人の会員がいて、形成外科領域と美容外科領域の世界最大の学会になっています。学会の目的は患者さんの安全と笑顔です。どのような手術や治療であっても合併症が起きる可能性があり、これをいかに無くして、安全に患者さんの笑顔に出会えるようにするかということがこの学会の活動目的になっています。
そのために安全でより効果のある最新の手術や治療の指導のための教育委員会という組織が作られていて、世界で毎年20回くらいそれぞれ20人から30人くらいの講師を世界から派遣してその国の形成外科医や美容外科医の手術や治療の指導に当たっています。この講師陣に選ばれるということはとても名誉なことで、世界の形成外科医や美容外科医にこの講師の名前がリストで公表されます。たとえば1月の10日から3日間、ドイツのボンでISAPSの講習会が開催され、その講師陣と講演内容、あるいはライブ手術内容が世界にアナウンスされるというようなことになるわけです。
講師陣は世界中から選任されて派遣されるわけですが、このための旅費は各自の負担で参加してもらっています。完全にボランティア活動であるわけです。こういう活動に何年も積極的に参加している医師が理事に選ばれたり、その中から会長が選ばれるということになります。会長をはじめ、理事の医師たちは本当に熱心に患者さんの安全、笑顔をめざしている人ばかりで、人間的にも尊敬できる人ばかりです。
いっしょに仕事をさせてもらえるのはかなり激務ではありますが、充実したやりがいのある仕事になっています。特に会長職は多忙でプレッシャーもかかる重労働ですが、アメリカの大統領のようなもので、批判もあれば、強い支持もあったりして、とにかく誰かがやらないといけない仕事であり、よくみなさんこんな仕事を引き受けてすごいなあと思ったりしています。
自分でもよく2年間持ちこたえたなあと思います。この間支えてもらった理事会の皆さんには感謝しかありません。会長として京都で世界の会員を迎えて学会が開催できたのはいい思い出になっています。その頃にコロナの騒ぎがなくて本当によかったです。現職の会長はコロナの問題もあって、なにかと苦労が絶えない状況で本当に気の毒なことになっています。早く終息してほしいですよね。次の学会は今年の9月にトルコのイスタンブールでの開催予定ですが、イスタンブールに本当に行けるのか不安です。その次の学会はコロンビアになりますが、いくらなんでもその頃には感染が落ち着いていると期待しています。
院長の隣2024年会長リナ・トリアナ(コロンビア) その隣、2014年会長カルロス・ウエベル(ブラジル)
2018年会長レナート・サルツ(USA)