同じ体育会系であっても向き不向きが、、、
以前は運動神経がある人というのは大体何をやってもすごいなあと思うことが多いように思っていたのですが、必ずしもそういうことでもないなあという経験があります。私自身は大学を卒業後ずっと京都大学医学部のソフトテニス部のコーチをしていますので、実にたくさんの部員を指導してきたわけです。過去に高校時代にある県の柔道大会で優勝したことがある学生が、一年生からソフトテニス部に入部してきたことがあります。彼のいた高校の柔道部はその県では強豪校として知られていて、彼は一度その県の高校チャンピオンになったそうです。どうして京大の柔道部に入部しないのかと聞いたところ、全国大会に出場してみると全国には自分よりはるかに強い人がたくさんいて、これは大学で戦っても絶対に勝てないと思ったそうです。それくらい実力に差があると思ったのでしょう。その時に柔道は高校でやめようと決めたということでした。なんとも複雑な話ですよね。彼はとにかく柔道は高校でやめると決心していたので、それ以上のことは言えませんでした。その後テニスの練習は彼なりに頑張っていたと思います。とても力強いのですが、ラケットを持った時は力を抜いて、、、というのがどうしてもできないのです。サーブも強くラケットを振る必要がありますが、手首は柔らかく、しなるように、ラケットを強く握らないで、、ということもできないのです。サーブを見ていてるとどこから見ても背負い投げ?というようなすごい光景で、力が入りすぎて、結局ボールが飛ばないというのがどうしても、どうしても治らないのです。これはかなりあれこれ指導したのですが、余分な力を抜くのが困難というか、、、、そういうことの繰り返しで柔道ならおそらく京大のエースになっただろうと思える人がテニスでは京大の医学部のクラブのレギュラーにさえ入れませんでした。こういうことってあるのですねえ。最近は入部してきた部員を見ると、最初から育てるのは難しいなあと思う子と絶対に強くなるなあと思う子と、すぐに見分けがつくようになってしまって、、。これも実はかなり困ったことですよね。運動部の指導も実はいろいろあって、苦労が絶えません。