再生医療をスタートします
最近の美容外科学会を見ていても、再生医療についての発表などが増えてきたと感じています。新しい治療ということになりますが、将来の美容外科では重要な治療分野になると思います。とても簡単に言うと、自分の脂肪を少量だけ脂肪吸引で採取するか、部分的に指先くらいの脂肪を切除して採取します。これを点滴用の幹細胞培養センターに送ります。培養には一定の期間がかかりますが、このセンターから点滴用の薬剤が届くわけです。これを点滴で体内に戻すという治療です。
この幹細胞は自分の体の中で悲鳴をあげている部位に運ばれて、その組織を助ける細胞として働いてくれます。例えばアトピー体質で生まれてからずっと痒みと戦っている人の場合なら、このかゆみのもとになっている神経組織の炎症を抑えるように働いてくれます。こういう作用により体質が変わっていくわけです。また肝臓機能が悪い人であれば、肝臓の新しい細胞になって肝臓を復活させる仕事をしてくれるわけです。体が助けを求めている部位に行って強力にこれを復活させてくれると言う治療です。場合によっては複数回の点滴治療がいい結果につながることもあります。培養センターでは1年間の点滴製剤の保存が可能です。その間繰り返して点滴治療を行って治療効果をあげることも可能なわけです。今後発展して、一般的な治療方法になっていくと思っています。美容外科領域では肌質の改善、たるみやシワなどの老化対策、健康な体は美しさにもつながるわけで、いろいろの病気の改善による皮膚のツヤ、しみ、たるみなどの改善、健康的な表情、体質など多くの利点が今後わかってくると思います。