ハイフのトラブル
ハイフというレーザー治療は最近かなり人気のあるものになっています。簡単に言うと、皮下にレーザーでやけどを起こして、皮下組織が収縮することで皮膚のたるみを改善しようという方法です。あまり年齢が上の方になると改善はあまり期待できないこともありますが、30代から60代くらいの方なら引き締め、リフトなどの効果が得られると思います。もちろんフェイスリフトほどの効果はないわけですが、メスを入れずにリフト効果を期待するということになると、いい方法だと思います。ただ最近この治療によるトラブルがいくつか起きていることが学会でもすこしずつ報告されるようになってきました。いずれも担当医や看護師などの知識不足、技術不足によるものです。合併症としては皮膚のやけど、神経損傷、目については白内障、などの報告があります。やけどについては出力の問題や装置を皮膚に密着させて照射をする必要がありますが、これがすこし浮き上がってしまうと皮下にやけどが起こるはずなのに、皮膚表面にやけどがおきることになり、これは後遺症などの報告もあって、気の毒なトラブルです。皮下にやけどが起きるわけで、皮下に神経がある部位はこの治療を避けて行う必要があります。皮膚のしびれ、麻痺などが残ったりすることもあるわけです。これらは解剖を理解していれば、簡単なことなので、しっかりした技術と知識がある担当者なら心配はありません。知覚神経損傷が起きている方の報告もわりに多くなっているように思いますので、勉強不足の医師や看護師さんがおられるのは困ったことです。特殊なケースとして首に照射をして腕の方向に走行する神経の損傷により、腕や手のしびれが残っている方の報告もみたことがあります。耳周囲はの照射はかなり気をつける必要があります。また深刻な問題として、白内障の報告があります。まぶたにはハイフは照射してはいけないのですが、眼球にやけどが起こることになりますので、白内障が起きることになります。これは放置して治らない問題で、眼科での手術が必要になるというトラブルです。本来とても効果のあるレーザー治療なので、担当されるどの医師も看護師さんもしっかり勉強してもらいたいです。