アクアミドの害
最近顔にアクアミドを注入してしこりができたという患者さんが来院されました。まだこういう危険なものを注入しているクリニックがあるということは本当にびっくりします。アクアミドは非吸収性の物質で豊胸用のアクアフィリングなどと言われているものと本質的に同じ物質です。体内で拡散したり移動したり、血液やリンパに入ることもあり、こうなると全身にも拡散します。肝臓や腎臓、脾臓、肺などにも当然微量は飛び散っているわけです。これが長期的にどういう問題を起こすかよくわかっていません。現状で合併症として報告されているものはしこり、凹凸、痛み、皮膚の変色、皮膚壊死、アクアミドの移動による他の部位の膨隆などです。時間と共に次第に移動量も多くなり、拡散も起こることになるので、もし最近入れたことがある方は早期に可能な範囲で最大限の除去が望ましいと思います。そのためにはニードルサクションや切除などによる除去が必要と思います。注入から数週間以内くらいであれば、ある程度の量は吸引という方法でも出せる可能性はあると思います。