まぶたをぱっちりさせるために
黒目がどれくらいぱっちり見えているかという問題は加齢に関係していることが多いと思います。これは加齢によって、次第にまぶたを持ち上げている眼瞼挙筋という筋肉が弱くなるために起きる現象です。おばあさんやおじいさんで眼がぱっちり大きい方はありません。挙筋の筋力低下は必ずだれにでも起きてきます。これを回復させる方法が挙筋前転とか、挙筋短縮などと言われる手術です。上まぶたの中で挙筋が付着している瞼板という軟骨とすこしその上側の挙筋に糸をかけてたぐり寄せるように縫合をすると、ゆるんだゴムも短くすると強くなるのと同じように筋力が上がります。これによって目がぱっちり開くことになります。ただこれをやりすぎると目が閉じなくなり、眼球が乾燥すると眼球にキズがついて、視力が低下することになります。この調整は手術中に何回も仮縫合をして、目をあけてもらったり、閉じたりして、調整を行う必要があります。またこの際に軟骨には3-4か所で糸をかけて引き上げることになるので、それぞれの糸の位置を調整して、まぶたの形がきれいになるように調整しておかないと、三角目などの不自然なまぶたの形になってしまいます。
もう一つの問題はまぶたにたるみがある場合です。二重のラインを切開して行う手術ですが、二重のラインで皮膚を切除すると、分厚い皮膚が二重のラインのすぐ上に来ることになり、腫れぼったいまぶたに仕上がります。また人によっては怖い目つきになることもあります。これを防ぐ方法は眉下切除です。したがって、挙筋前転だけを行っていいのか、眉下切除を併用したほうがいいのか、手術前に詳しく相談をする必要があります。