上まぶたの下垂とたるみ
上まぶたのたるみにはいろいろの状況があります。黒目があまり見えず、上のほうが見にくいといういわゆる眼瞼下垂、あるいはまぶたの皮膚に加齢によるたるみが目立ってきて、このたるみのために上が見にくい場合、あるいはこれらの両方の問題がある場合などです。
いわゆる眼瞼下垂の場合は、黒目があまり見えない状態になっていて、これは先天性である場合や長期にコンタクトレンズを使っていたためにまぶたの挙筋が瞼板からすこしはずれてきたために筋肉の収縮が直接瞼板に伝わらない状態になった場合、あるいは同様の変化が加齢により起きてきた場合などがあります。加齢による問題は人間である以上、だれにでもいずれ起きてくる問題です。いずれも目がぱっちりしないので、眠そうな目つきになってしまいます。また上が見にくいので、眉を必死で上げてものを見ることになり、額のしわも多くなります。
これらの治療はいずれも眼瞼挙筋という目を開け閉めする時に働く筋肉を短縮することで眼がぱっちり開くようになります。これは通常二重のラインを切開して行います。若い方ではこれでかわいいきれいな目になりますが、ある程度年齢の高い方の場合、まつ毛の位置が上がることになり、これにより眼の開きはよくなりますが、にらんでいるような目つきに仕上がることがあります。これは皮膚のたるみに対する解決策を考えていないからです。
ある程度まぶたのたるみがある場合は、私の方針はまず眉下切除で皮膚のたるみを除去しておいてから、3か月あけてから挙筋短縮をすると、絶対に怖い目つきには仕上がりません。状態によっては眉下切除と挙筋短縮を同時にできる場合もあります。たるみの除去は二重のラインでの皮膚切除で行ってはいけません。これはこれでむくんだような目つきに仕上がるという問題があります。眉下切除でたるみを取るのがとても安全な方法です。