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京都大学形成外科初代教授一色先生

京都大学病院の形成外科の初代教授の一色信彦先生が昨年亡くなられました。私が京大の形成外科に勤務していた時に初めて形成外科が講座になり、その際に教授選があって、耳鼻科におられた一色先生が初代形成外科教授になられたわけです。それまでは形成外科という診療科は京大病院の中では皮膚科の形成外科診療班と耳鼻科にも同じようなグループがあったわけです。各大学でいろいろ状況が異なりますが、形成外科の講座がなかった頃は、耳鼻科で唇裂や口蓋裂、耳の変形、顔面神経麻痺などを治療していたグループ、整形外科で手の外科を主に治療していたグループ、私たちのように皮膚科でやけど、外傷、皮膚がん、先天奇形などを治療していたグループなどのように、現在形成外科で治療をしている分野がどこかの科で診療をしていたわけです。それが次第に専門科として成立して形成外科に発展したわけです。もともと一色先生は喉頭が専門で、声帯などの治療では世界的に有名な方でした。本来は耳鼻科の教授を目指しておられたと私は今でも思っています。なぜ形成外科の教授になってしまったのかというのはなぞですが、私が思うには、当時京大の耳鼻科の前の教授である森本先生という方がおられて、この方が京大で形成外科らしい診療を開始したのは私だと言っておられたような記憶があります。形成外科が講座としてスタートするのであれば、私の弟子である一色先生が教授になってほしいとかなり圧力をかけられたのではないかなあと今でも思っています。とても個人的な見解ですが、多分当たっていると思っています。声の研究では世界のトップクラスである一色先生は、形成外科の教授になりたいと本当に思ったのでしょうか?森本教授の圧力に負けてのことであったのであれば、一色先生にとっては無念なことだったのかもしれません。お酒の席などで一度一色先生に聞いてみたかったです。
 韓国の有名なオペラ歌手が甲状腺のガンで声を一度無くされたわけですが、この声を再生させる手術を一色先生が執刀され、この歌手の方が見事にオペラ歌手として復活する話をNHKの放送で見られた方もおられると思います。本当に感動する話でした。この見事な手術をされたのが一色先生で、形成外科とは関係のない分野で世界的に有名だったわけです。本当は耳鼻科の教授になりたかったのではないですか?と今でも聞いてみたいです。国際喉頭学会というのがあるそうで、昨年一色賞という賞が設立され、最初の受賞者に一色教授が選ばれたそうです。ご冥福をお祈りします。

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