ジョンズホプキンス大学とのつながり
私自身は、開業する前にアメリカのジョージワシントン大学の形成外科に留学をしていました。その大学のレターマン教授という先生には美容外科の主にフェイスリフト、眼瞼の手術などをたくさん習いましたが、この教授がとても親切な方で、せっかくアメリカに来ているのだから、アメリカで各分野で有名な医師の手術はなるべくたくさん見たほうがいいと言ってあちこちの大学や有名な医師のクリニックを紹介してもらって、たくさんの手術を見学させてもらいました。おかげで乳房の手術のほとんどはデューク大学のジョージエイド教授について勉強させてもらいましたし、眼瞼についてはイースタンヴァージニア大学のキャラウェイ教授、鼻の手術や骨切り、フェイスリフトなどはジョンズホプキンズ大学のクラッツキー教授にたくさんの手術を見せてもらいました。
このクラッツキー教授もとても親切な方で、何回も自宅に招いてもらって食事をいただいたり、ずいぶんお世話になりました。後日この教授がアメリカ美容外科学会の会長をされた際に、私をアメリカでの学会の招待講演の講演者として招いてもらったことがあります。この時に私の講演の内容を見て、この教授からジョンズホプキンス大学の形成外科の客員教授として時々医学生や若い形成外科医にいろいろの手術を教えてもらえないかという提案をいただき、過去にこの教授にずいぶんお世話になったので、今度は自分が教えてもらったこと、さらに自分の経験や開発した新しい手術方法などを若い医師に伝えることができれば、いい恩返しになると思い、ジョンズホプキンス大学の客員教授として仕事をするようになったわけです。
この大学はアメリカではとても有名な大学で、まわりにはノーベル賞を取った医師も多くおられるような大学です。この大学の形成外科も全米でとても有名な科で、ここで研修を希望する医師の数もすごいそうです。医局に入っている若い医師に聞くと、この大学での研修を受けるための競争率は70-100倍くらいということで毎年2ー3人くらいの入れ替えがあるのですが、2ー3人の採用に対して、200人くらいの希望があるので、激戦ということでした。医局の医師や学生は本当に優秀な人が多く、私の授業や講演に対してもいつも質問攻めにあっています。時には死体解剖室に行って、先ほどの講演をした手術を実際に死体を使ってやってみてほしいというような希望もあったりして、なかなか手ごわい人が多い大学です。みんなよく勉強をされてすごいレベルの大学だなあといつも感心しています。
アメリカ美容外科学会の会長をされた、ジョンズホプキンス大学のクラッツキー教授