国際美容外科学会の理事会
国際美容外科学会(ISAPS)の理事になるということは、実はすごい競争率なのです。現在は14名で構成されていますが、世界中にはこの理事会に入りたくて、入りたくて、、という美容外科医がすごく多いのです。名誉や有名になることで患者さんを集めやすいことからクリニックの経営のことを考えて、または、ISAPSが主催する講習会が世界中で一年に20回程度開催されていて、それに理事が招待されることが多いので、世界中を旅行できる、あるいは安全な美容外科の発展のために、すこしでも犠牲になるような患者さんが出ないように、さらにたとえば私のように理事会の世界の地理的なバランスも大切なので、アジアから一人も理事会にアジア代表が入っていない状況にアジアのために私が、、などいろいろの理由があるのかもしれません。
まず理事会に招待される前には、一流医学誌にかなりの数の論文を出している必要があります。一流医学誌にはなかなか論文が受理されないので、ここに論文が出るということはかなりのレベルの医師であると認められたということになります。またあちこちの国際学会で多数の学会発表をしている必要もあると思います。常に会長や各種委員会(合計で20くらいの委員会があります)のチェア、さらに理事たちは、将来の理事会にどういう医師を入れるのがいいかといつも候補になるような医師を世界中から探しているわけです。優秀な論文をたくさん書いていたり、国際学会で素晴らしい講演をする医師は当然理事会でも名前が出てくることになります。通常第一段階では、世界中で開催されているISAPSの講習会に講師として招待が行われます。この時に教育委員会という部門の委員の医師が実は採点をしています。講演の内容が優秀かどうか、質疑応答がレベルの高いものかどうか、英語が正しく話されていて、会場からの質問なども聞き取れているかなども当然評価に入ります。ここでいい得点がもらえると、また何回かその後の講習会に招待が来ることになります。そういうことが何回か繰り返されると、理事会から、20くらいある各種委員会に委員として入ってくれませんか?という招待が次に来ます。これで承諾があると、最低2年間はその委員会で活動をおこなってもらい、その活動状況がチェックされます。これは本人には知らされない形式になっています。ここで脱落する方も実際には多いわけです。最低2年間、あるいは4年間、ボランティアとしてかなり積極的に活動をする医師は次に理事会に入ることが検討されます。理事会の承諾が得られれば、これらの新しいメンバーが理事会の候補に選ばれて、その候補たちが世界のメンバーの投票によって理事に選ばれることになります。ただこれで理事会に入ったとしても、2年ごとに改選があって、理事会での活動が評価されない場合は、理事会を去ることになります。理事会などでもあまり発言もせず、理事としての活動も低調な医師はいらないということです。この理事会に10年程度ずっと残っているということは、実は世界中からかなりの高評価を受けたということになり、次のステップである副会長に選任されて、ここで本当に奉仕の精神を発揮して、国際学会のために頑張る人であれば、次に会長の候補となり、これで2年間の活動が評価されれば、その次に会長に選任されるということになって、会長まで上りつめるということになるわけです。