一番おいしかった中華料理
生まれてからとにかくどれくらいの中華料理を食べたのでしょう?考えたことがありませんが、感動するくらいおいしかった中華料理はよく覚えています。中国が本来本場であるわけですが、国際美容外科学会、ISAPSでは世界中で毎年20-25回くらい手術指導の講習会が開催されています。世界から優秀な講師を15人から20人くらい招待して、その国あるいは近隣国の形成外科医や美容外科医に実際の手術を行ってこれを見てもらったり、ビデオを使っていろいろの手術や治療方法の指導を行う講習会です。
私も世界中のあちこちに何回も招待されていますが、特に中国は回数が多くて、多分合計15回くらいはあちこちに講師として講演や手術に行っています。毎回とにかく中華料理をいろいろ食べさせてもらっているわけですが、残念ながら一度も感動するほどおいしかったことがありません。ウルムチで開催された時などは、ヤギの丸焼きが出てきたりして、臭い、まずい、辛いなどの苦痛も経験しましたし、特に私たちは中国側にとっては特別な招待者だったわけで、その分特別な食べ物などもいろいろ出してもらいました。とても無理と思ったことも何回かあって、へびがそのままブツッと切ったまま入っているスープ、氷の山に張り付けられた多数のサソリ、クマの足、時にはサルの脳みそを食べますか?と聞かれてこともあったのですが、さすがにこれはやめてくれと言いました。
なぜ中国本土においしくて感動するような中華料理がないのか不思議で中国の医師に尋ねたことがあります。答えは文化大革命という騒ぎがあった時があって、この時に中国で裕福な人は国家の敵とされたわけです。この時においしい中華料理を作っている人は大体裕福だったので、ほとんどの人が中国本土から他の国に逃げてしまったということでした。なるほど、そういう理由でねえと納得していたわけです。
でも本来とてもおいしい中華料理ってあるわけですよね。私が今までで感動した中華料理の一つは、香港のリッツカールトンにあるレストランです。香港の夜景も素晴らしく、お店のサービスもさすがで、ここの中華料理は涙が出るくらい素晴らしかったです。もう一つはチュニジアの海岸に面したところにあるチュニジアのレジデンスチュニスホテルにあるリーバイというレストラン。このホテルはISAPSの講習会が開催された際に滞在したホテルなのですが、目の前のビーチも美しく、ラクダがうろうろ歩いているような所ですが、とにかく中華料理が素晴らしい味でびっくりしたことを覚えています。こんな所になぜ中華?のように驚いていました。でもちゃんと作っていたのは中国の方でした。もう一つはかなり以前に北海道のトマムリゾートのタワーの中にあった中華レストラン。残念ながらこの中華料理レストランはかなり以前になくなり、今はたしかイタリアンになっていたと思います。でもあの時のシェフはどこに行かれたのでしょう?わかったら押しかけていきたいです。この3つのレストランが今のところ私の食べた中の中華料理の最高峰です。