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乳がんの話

私自身、現在までに形成外科医として乳がんの乳房再建はかなりの症例を経験してきています。腹部の脂肪や背中の皮膚と脂肪を利用した自家組織再建やインプラントを使用した再建、そのほか自家組織と人工乳房インプラントを併用した方法など、さまざまの再建を経験してきましたので、乳がんという病気についてもいろいろの話を知っています。

女性であれば、だれでも乳がんになる可能性はあるわけです。多くの研究からどういう人が乳がんになりやすいかということがわかっています。はっきり統計的に確実な話は、母親が乳がんの場合、30歳までに出産をしていない場合、受動喫煙を含めてタバコを吸う方、ほぼ毎日お酒を飲む方、若い時、あるいは閉経後に肥満傾向がある場合などのケースは乳がんになりやすいということになります。乳房再建に来られる患者さんを見ていても、この傾向ははっきりしていて、とても痩せている方の乳がんは珍しいケースと思います。

乳がんになった場合、ガンを切除して体から除去するということが行われる治療になりますが、この除去の方法にいろいろのものが開発されています。アメリカのように乳がんの多発している国では、この研究がかなり先行していて、現在アメリカでの乳がんの切除方法としては、ある程度のガンの大きさがある場合は、乳房全体を切除することになりますが、初期の段階でみつかったガンは、ガンのしこりだけが放射線照射に抵抗するので、このしこりだけを切除して、残りのバスト内に散らばっている可能性のあるがん細胞は放射線でたたくという方針を取っています。このしこりのみを切除する方法はランペクトミーと言われています。このようにすれば、乳房を失うことがなく、しこりの切除による陥没だけが残るということになり、この再建も簡単になるわけです。一方日本では同じ方法が日本人でも危なくないのかという慎重論があって、ランペクトミーというしこりだけを切除するより、初期のガンの場合でも、もうすこし念のため切除しておこうという方法があります。これがクアドランテクトミー、日本語では別名温存療法などと言われる、バストの4分の1ほどを切除するという方法です。後の乳房を再建する側から言うと、この4分の1切除というのがかなりの変形になり、さらに放射線照射を併用することが多いので、再建がかなり難しいことが多くなります。かえって乳房全体を切除して放射線が当たっていない場合の乳房再建のほうがずっときれいに簡単に再建ができます。できれば温存療法という言葉をやめてほしいところです。この言葉にだまされたという患者さんも多いと思います。アメリカの形成外科では4分の1切除プラス放射線照射のようなケースがまずないので、再建が確実に楽にできることが多く、日本から見ていると、うらやましい状況に思います。いずれ日本でも4分の1切除のような方法がなくなると思っていますが、一体いつになるのでしょう?

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